新発見の白亜紀ワニ、化石が解き明かす古代の海洋生態
ニューズウィーク日本版 / 2024年8月16日 13時20分
新種と分類した根拠
新種とする分類は、ドイツ・ハノーバー近郊にあるザクセンハーゲンの採石場から出土した立体的な頭骨と第一頸椎に基づく判断だった。この標本は白亜紀のメトリオリンクスの頭骨の中では最も保存状態が良く、完全な形を保っていた。
論文筆頭筆者でドイツのビーレフェルトにある自然史博物館のスヴェン・ザックスはリリースの中でこう述べている。「この標本は、3次元の形状を保った頭骨で知られる数少ないメトリオリンクスの一つとして注目に値する。そのおかげで標本のCTスキャンができ、こうした海洋ワニの生体構造について多くを学ぶことができた」
「保存状態が並外れて良好だったおかげで、この動物の体腔や内耳まで再現できた」(ザックス)
化石標本は100年以上前にドイツ政府の建築家が発見し、研究のためベルリンにあるプロイセン地質調査所のヘンリー・シュローダーの手に渡った。第2次世界大戦中に紛失したと思われていたが、後にドイツ西部のミンデン博物館で発見され、現在も同博物館が所蔵している。
過去にはメトリオリンクス科の別の属に分類されていたが、最新の研究の結果、「独特の」骨格の特徴から研究チームが新種と判断した。
(鈴木聖子)
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