イランもイスラエルも「本当は全面衝突を望んでいない」...それでも、ネタニヤフはなぜ対立を利用するのか?
ニューズウィーク日本版 / 2024年8月19日 17時20分
つまり、ネタニヤフ個人と蜜月を築いたトランプ再選に有利に働くと英諜報機関MI6のジョン・サワーズ元長官は英有力メディアで分析する。ネタニヤフにとって最善のシナリオはトランプ復活なのだ。
しかし、深刻なのは、現在の瞬間風速的な緊張状態がなかったとしても、長期的に見れば、イスラエルとイランの緊張は一過性のものではないこということだ。
イスラエル建国後、両国は一時は外交関係を築いたが、1979年のイスラム革命で激変した。イラン現政権は国際的に多くの国が認めている現在のイスラエルすらも「占領」と見なし、イスラエルの存在そのものを敵視する。
パレスチナ国家が樹立されれば、その姿勢が和らぐと思いたいが、イスラエルは目下、いかなる形であれパレスチナ国家を認めるつもりはなく、むしろ実質的な「パレスチナ併合」に突き進んでおり、解決の糸口は見えない。
イスラエルとイランの敵対関係は、中長期的に中東を再び戦火に陥れる危険性をはらむ。しかも、それは核戦争の可能性すらあるのだ。
その引き金がいつ引かれることになるのかは誰にも分からないが、引き金を引かせないためには国際社会による強い働きかけが必要だ。
「いかなる攻撃からも守る」ネタニヤフ首相の会見(8月18日)
2024/8/18 IsraeliPM
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