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<南シナ海>中国の違法な軍事拠点を守る世界最大の武装巡視船「南沙」

ニューズウィーク日本版 / 2024年8月23日 17時42分

フィリピン沿岸警備隊はこれまでに何度も南シナ海で南沙とあわやのニアミスを経験している。今年6月下旬には、カナダ政府が違法漁業の取り締まりのために開発した人工衛星による監視システムを利用して南沙の動きを10日間追跡したという。

中国海警局はこれについて一切情報を公開していない。本誌は中国外務省と国防省にメールで問い合わせたが、今のところ返信はない。

カナダ海軍のモントリオールはこの夏、中国近海で活動してきた。6月16、17日には米、フィリピンの海軍及び日本の海上自衛隊と南シナ海で共同訓練を行い、その後も3日間、米海軍とこの海域で2国間の「海上協同活動」を行った。

さらにその後、北に向かい、活動の場を東シナ海に移して、7月30日には米海軍のミサイル駆逐艦USSラルフ・ジョンソンと再び2国間の海上協同活動を行い、7月31日に台湾海峡を通過して、南シナ海に戻った。



南シナ海では8月7、8日にも米軍主導でオーストラリア、フィリピンの海空軍が海上協同活動を実施し、モントリオールもこれに参加。その後8月15日にはベトナム南部のホーチミンを訪問し、8月19日に出航した。

モントリオールは現在、「オペレーション・ホライズン」の一環として東アジアの海域に派遣されている。カナダ国防省によると、この作戦は、カナダが平和と安定、国際法に基づく秩序を推進し、自由で開かれた、あらゆる国を包摂するインド太平洋構想に積極的に関与することを示すための前方展開ミッションだという。



【画像】威嚇と排除目的で作られた中国海警5901「南沙」

<中国海警の巡視船・南沙は全長165メートルで世界最大。速射砲、補助砲、対空機関砲で武装し、耐久性、衝突耐性、耐航性、速度に優れる>

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