ドードー絶滅から300年後、真実に迫る...誤解に終止符を打つ最新研究
ニューズウィーク日本版 / 2024年8月23日 17時0分
「そこで我々は過去400年間の分類を整理して、存在していた分類群と存在していなかった分類群をはっきりさせた」
存在していなかった種も発覚
その結果、過去に命名されながら実は存在していなかった種を確認した。分類に誤りがあったのはナザレドードー(Nazarene Dodo)、シロドードー、シロソリティア(White Solitaire)など。ドードーとロドリゲスドードーがハトの仲間だったことも、この調査で分かった。
文献調査に加えて、論文筆頭著者でサウザンプトン大学のマーク・ヤングは、イギリス各地のコレクションを訪ねたり連絡を取ったりしながら標本をたどっていった。その多くは時の経過とともに失われつつある。
研究チームはドードーとロドリゲスドードーを合わせた新しい分類名「†Raphina subtribus nova」を創設した。
同チームが始動するプロジェクトでは、ドードーの生態と行動に関してさらなるデータを掘り起こしながら、「大切なメッセージ」を伝えたい意向だ。ドードーは太った動きの鈍い鳥、という従来のイメージは誤解だとゴスリングは力説する。
実は素早く敏捷
「太って頭が悪かったわけでも、絶滅する運命にあったわけでもない。航海日誌には、素早く敏捷で、森の中や岩の間を『運動選手のように』動くことができたと記されている」
「絶滅しても仕方がない動物などいない。(ドードーとロドリゲスドードーは)ネズミやブタ、ネコ、ヤギとは合わなかった。そうした動物に卵やヒナを食べられ、巣を踏みつぶされた。我々が『消滅』、つまり絶滅を記録した最初の動物から学ぶべき教訓は、我々人間が今も行く先々で慎重に歩を進める必要があるということだ」
「我々の行動は、生態系をあっという間に破壊できる。ドードーは2500万年間、モーリシャス島で生きていた。だがロドリゲスドードーとともに、人間と出会って100年足らずで姿を消した」
(翻訳:鈴木聖子)
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