1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

そもそも「パリ協定」って何?...知っておきたい、世界共通の「2度目標」と「1.5度目標」

ニューズウィーク日本版 / 2024年9月4日 11時10分

アメリカ国民は、共和党支持者と民主党支持者とで、気候変動対策への意見がはっきりと分かれています。

民主党支持者が多いカリフォルニア州では、州内で販売する新車を35年までにすべて排ガスゼロ車(ゼロエミッション車、ZEV)にすることを自動車メーカーに義務づける知事令が発令されています。ガソリン車から電気自動車に転換しようという政策が進んでいるのです。

しかし炭鉱労働者や自動車産業で働いている人たちは、気候変動対策が進むことで自分たちの仕事が奪われると感じていて、共和党支持へと回っています。16年のアメリカ大統領選でトランプが勝利したのも、ヒラリーがこれから気候変動対策を取り、石炭の発掘を全部やめると発言したことが一因となっています。

この発言を受けてトランプはペンシルベニア州の炭鉱労働者のところに行き、俺が大統領になったら、お前たちの仕事をなくすことはしない、これからもどんどん石炭を掘れ、地球温暖化なんか噓だとアピールしました。これによってペンシルベニアの労働者たちがトランプに票を入れたというわけです。

民主党が気候変動対策を進めようとすると、それに対する反発で、共和党の大統領候補が当選する確率が高くなってしまう。これが今のアメリカの抱えるジレンマです。

池上彰(イケガミアキラ)
1950年、長野県松本市生まれ。慶應義塾大学卒業後、1973年にNHK入局。報道記者としてさまざまな事件、災害、消費者・教育問題などを担当。1994年からは11年にわたりニュース番組のキャスターとして「週刊こどもニュース」に出演。2005年よりフリーのジャーナリストとして執筆活動を続けながらテレビ番組などでニュースをわかりやすく解説し、幅広い人気を得ている。また、5つの大学で教鞭をとる。『池上彰が大切にしているタテの想像力とヨコの想像力』(講談社)『池上彰のこれからの小学生に必要な教養』(主婦の友社)など著書多数。

『池上彰の未来予測 After 2040』
 池上 彰[著]
 主婦の友社[刊]

(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)




この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください