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荒川河川敷ホームレスの「アパート」と「別荘」を、中国人ジャーナリストが訪ねた

ニューズウィーク日本版 / 2024年9月4日 10時25分

水辺では、2匹の蛇が脱皮したあとの枯れた皮も見た。桂さんによると、この近くにはよくアオダイショウが出没する。ある時は、1匹の蛇がテント小屋に潜り込んだが、桂さんはそれを発見し、追い出した。

森の中では、蛇のほかにアライグマにも会うことがある。桂さんによると、昨日、5匹のアライグマが「別荘」の前まで餌を探しに来たのを見た。

アライグマのお父さんは子どもたちを連れて食べ物を探しに出てくるが、お母さんは一匹で来るのが好きだという。昨日、桂さんが見たのは、アライグマのお父さんと4匹の子供たちだった。

私はふと、こんなことを思いついた。桂さんの「別荘」のそばにテントを張って、暇があれば中に入って待ち伏せ、アライグマがまた顔を出す時にカメラで撮ってみよう。もし実現したら、私はアライグマ一家の写真をみなさんに披露したい。

※ルポ第2話:「自由に生きたかった」アルミ缶を売り、生計を立てる荒川のホームレスたち に続く

(編集協力:中川弘子)

[筆者]
趙海成(チャオ・ハイチェン)
1982年に北京対外貿易学院(現在の対外経済貿易大学)日本語学科を卒業。1985年に来日し、日本大学芸術学部でテレビ理論を専攻。1988年には日本初の在日中国人向け中国語新聞「留学生新聞」の創刊に携わり、初代編集長を10年間務めた。現在はフリーのライター/カメラマンとして活躍している。著書に『在日中国人33人の それでも私たちが日本を好きな理由』(CCCメディアハウス)、『私たちはこうしてゼロから挑戦した――在日中国人14人の成功物語』(アルファベータブックス)などがある。

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