「前世で出会った」 自称「霊媒師」とノルウェー王女が再婚...王女も「予知能力」を主張し、公務引退へ
ニューズウィーク日本版 / 2024年8月29日 19時29分
一方、アイルランドの新聞がおこなったインタビューでは「女性が性的パートナーを多く持ちすぎると、膣の内側にある種の痕跡が刻まれ、それをきれいにする必要がある」と主張した。そして、自分は「そのためのエクササイズを提供している」と付け加えている。
ベレットのビジネス活動も懸念を呼んでいる。彼のウェブサイトでは、新型コロナウイルスを回避できるという黄金のメダルを222ドル(約3万2000円)で販売している。
人種差別を巡る応酬
ノルウェーの保健福祉省次官(当時)のウーラ・ヘンリク・クラット・ビョルクホルトは、ベレットを「悪質で危険なペテン師」と呼んだ。また、ノルウェー金融紙フィナンサビセンのトリグバ・ヘグナル編集長は、このシャーマンは「刑務所に入るべきだ」と評している。
しかし、ベレットはこうした批判を一蹴している。黒人である彼はノルウェーのメディアを「レイシスト(人種差別的)」と呼び、自身の発言は前後を切り取られ、故意にねじ曲げられていると主張している。
ベレットがソーシャルメディア上で人種差別的な罵倒を受けていることは間違いないとしても、歴史家でノルウェー王政に関する7冊の著書があるトゥロン・ノーレン・イサクセンは、ベレットに批判が向けられる理由はほかにもある、とタイムズ紙に語った。
「彼がソーシャルメディアやその他の場所で、多くの人種差別的な罵倒を受けていることは間違いなく、それは明らかに容認できない。しかし、肌の色以外にも人々が彼を批判する理由はある。ノルウェー人のほとんどは、彼の主張をインチキだと思っている」とイサクセンは述べている。
王女もスピリチュアルに
ベレットの見解に厳しい目が向けられる中、婚約者であるルイーセ王女もまた、自身が予知能力者であると主張し、公務から身を引いた。
「私が別の道を歩むことで混乱が起きている。特に、私がスピリチュアルであることについては多くの批判が寄せられている。ノルウェーにおいて、それはタブーなのだ」と王女は述べ、「ノルウェーの人々はドゥレク(ベレット)の考え方を理由に、私が公務を退くのがベストだと判断したのだろう」と付け加えた。
ルイーセ王女は、自らも代替療法センター「アスタルト・エデュケーション」を運営している。天使や死者とのコミュニケーションに焦点を当てた施設だという。
2019年に2人は、ノルウェーとデンマークの5都市を回る講演ツアー「王女とシャーマン」を敢行した。ウェブサイトの説明には、人々に「視野を広げる」よう促し、「自分が何者であるかをより深く理解できるよう、いくつかのツールを提供するツアー」とある。
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