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【写真特集】ハンセン病隔離と継承された「生」

ニューズウィーク日本版 / 2024年9月12日 19時25分

子供から高齢者までが、突然家族やコミュニティーから切り離され、隔離施設へと送られた。治療薬は40年代にアメリカで開発されたが、患者の終生隔離を可能とする法律「らい予防法」は96年まで続いた。無人島生活の時代から来年で90年。近年まで続いた隔離政策は、コミュニティーの内と外に大きな溝をつくったまま、今でも多くの回復者とその家族が自身を語ることを困難にしている。「見えなくなること」を強制する社会は、患者が奪われたものだけでなく、彼らの大切な人、守ろうとしてきたもの全てを覆い隠し、言葉を奪い続けている。

私は、回復者と家族たちが隔離下で守ろうとしたものについての言葉を拾い集めた。それらが、どのように現代に引き継がれているのかの一端を、彼らが許してくれる限りの形で記録に残した。「世間」が見えづらくしている人々の存在について少しでも想像し、自覚的になり、お互いが守りたいものを尊重するための伝え方を模索しながら。

小原一真(写真家)

撮影:小原一真 1985年岩手県生まれ。大阪府在住の写真家、ジャーナリスト。ロンドン芸術大学フォトジャーナリズム修士課程修了。ウクライナのチェルノブイリ原発事故、太平洋戦争、東日本大震災と原発事故など、災禍の中で見えなくなっていく個をテーマにした作品が、国際的な写真賞を受賞し高い評価を受けている

 【連載20周年】 Newsweek日本版 写真で世界を伝える「Picture Power」
    2024年9月3日号 掲載 (ウェブでは都合により一部の写真のみ紹介しています)

Photographs by Kazuma Obara

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