【インタビュー】「民主党は労働者の党に戻れ...」サンダースがハリスに示す勝利への道筋
ニューズウィーク日本版 / 2024年9月6日 13時40分
彼はミネソタ州の最低賃金引き上げに努力した。州内の子供たちに朝食と昼食を無料で提供するプログラムにも尽力した。これは非常に重要なことだ。女性の権利のためにも立ち上がっている。つまり、州知事としての彼は一貫して労働者の、そして普通の人たちの味方だった。
──今の共和党は「労働者の党」を名乗り、それでかなりの数の支持者を獲得しているように見える。なぜだろう?
政策は関係ない。労働者のためになる政策など、共和党にはない。しかし今は労働者の多くが、民主党に見捨てられた、裏切られたと感じている。民主党を労働者の党に立ち返らせること。それが私の願いだ。産業界の強力な利益団体に立ち向かい、私たちの世論調査で明らかになったような政策を推進する。そうすれば「普通の」アメリカ人のニーズを代表する政党になれる。
──あなたは2020年の民主党予備選で敗れ去ったが、あなたの掲げた政策は勝ち残ったと評する向きもある。実際、バイデン政権は多くの進歩的な政策を採用した。それは民主党が以前よりも進歩的になってきた証拠なのだろうか。
バイデン政権の発足直後に成立した(新型コロナ感染爆発期の)「米国救済計画」は(議会では難産だったが)国民に大歓迎された。ほとんどの国民に1人当たり1400ドルを給付し、雇用保険の給付期間を延長し、病院や学校、零細企業にも給付金を出した。あれで政権のメッセージが伝わった。「見てくれ、今こそ私たちは皆さんの痛みに気付いた。皆さんが傷つき、政府に、皆さんの政府に、大企業ではなく国民一般の利益を代表するよう求めていることに」というメッセージだ。
製薬業界を薬価交渉の席に着かせることにも成功した。画期的なことだ。あれで処方薬の価格引き下げに向けた道が開けた。
ハリスとウォルズは労働者の問題に焦点を当て、まだ大勢の国民が苦しんでいる現実に対する理解を示すべきだ。人々が感じている痛みを知り、裕福な献金者だけでなく、労働者のニーズにしっかり応える政策を提示していく必要がある。それができれば、ハリスは次期大統領の座を獲得できるだろう。しかもトランプに相当な差をつけて勝利できる。私はそう確信している。
──イスラエルとハマスの戦争について、進歩派の多くはバイデン政権の姿勢にひどく失望している。あなたもバイデン政権の姿勢には反対している。ではバイデンに見切りをつけ、彼の副官であり後継者でもあるハリスに投票する気にもなれずにいる人たちに対して、あなたはどう語りかけるつもりか。
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