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【インタビュー】ガレージロックの雄、ザ・ハイヴスが11年ぶりに帰還...新作に込めた想いとは?

ニューズウィーク日本版 / 2024年9月13日 16時0分

ザ・ハイヴスの5人 DEAN BRADSHAW

ザ・ハイヴスは1997年のデビューアルバム『ベアリー・リーガル』以降、着々と実績を積んできた。黒と白の衣装、さりげないユーモア、エレクトリックなパフォーマンスがトレードマークだ。

「最初の頃はドイツとかの小さいクラブでチケットを売り切って演奏時間は30分くらい。客は怒ったよ」とデンジャラスは当時を振り返る。「今はもっと長くやる。いろんな意味で当時よりずっとましになった。大きいショーをやるほうが楽しいと思う」

「退屈なライブだけはごめんだ。変な衣装を着たり、ぶっ倒れるまで全力投球したりするのはちょっと、って連中もいるかもしれないが、俺たちは平気だ。ぶっ倒れようが、衣装が変だろうが構わない。いいバンドだ、全力投球だなって思われたい」

ただし「いいものにするには客観的に見ることも重要だ。おんぼろ車を乗り回して満足か。車ならたまにはいいが、音楽は別だ。音楽についてはジェット機でなくちゃ」。

パフォーマンスへのこだわりは、コラボした顔触れを見ても分かる。音楽プロデューサーのティンバランド、ヒップホップ・ロックグループのN.E.R.D、シンガーソングライターのシンディ・ローパー。さらにもう1人コラボしたい相手がいる。ヒップホップ・デュオのアウトキャストのラッパー、アンドレ3000だ。

デンジャラスによれば「コラボは長年の悲願」だ。「実現しかけたけど結局駄目で。かなっていたら最高だったけど、諦めちゃいない」

「まだランチまでだ」とアーソンは言った。「一緒にランチして一緒にやろうと話した。でもお互い忙しかったせいか先延ばしになって。スタジオで試しに一緒にやってみたら楽しいだろう。やってみる」

アンドレとアトランタでランチした07年、バンドは『ザ・ブラック&ホワイト・アルバム』のレコーディングの真っ最中だった。コラボが実現すればアンドレにとっては一種の恩返しになる。アウトキャストのロングセラーの1つはザ・ハイヴスのおかげで生まれたようなものだから。

「彼は俺たちの公演を見て『ヘイ・ヤ!』を作った。俺たちがインスピレーションの元ってわけだ」とデンジャラスは言う(アンドレも06年のローリングストーン誌のインタビューで認めている)。

別のコラボ計画もある。「ハワイで演奏したい。ハワイにはまだ行ったことがない。人間じゃなくて島だけど」とデンジャラスは笑顔で言った。「そう、ハワイとコラボだ」

「政治利用」は断固拒否

これまでアメリカ各地で演奏してきたが、次期米大統領選ではどの候補も応援するつもりはない。アーソンは自分たちの曲を特定の候補に使わせるなんて考えられないという。「選挙運動に使われてたら妙な気分だろうな」

デンジャラスには「絶対使わせたくない候補もいる」そうだが、誰なのかしつこく尋ねると「愚か者は見れば分かる」とはぐらかされた。

「音楽と政治を完全に切り離すようにしてる。俺たちは政治のためにいるんじゃない。ステージを見に来る全員が楽しい時間を過ごせるようにする、それがバンドとしての使命だ。政治の世界のクソみたいな現実からの逃避みたいなものさ。楽しくないと。現実に引き戻しちゃ駄目だ」

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