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世界トップレベルの女子の理数能力を無駄にする、日本社会のジェンダー偏見

ニューズウィーク日本版 / 2024年9月25日 14時0分

こうした風当りは、年齢を上がるにつれて強くなる。理科の平均点を見ると、日本では小学校4年生だと女子が男子を上回るが、中学校2年生になると逆転する(IEA「TIMSS 2019」)。北欧の諸国では、中学生になると「男子<女子」の傾向が強まる。日本では、女子生徒の理系志向(嗜好)を摘む「ジェンダー的社会化」があるのではないか。それを促す言動をしていないか。親や教師は内省をめぐらすべきだ。

制度の上では、中高の理系教科の担当教員の女性割合を増やす必要がある。進路選択を控えた女性生徒にとって、いい役割モデルとなるだろう。大学のSTEM専攻で女子枠を作ったり、女子学生の学費を減免したりするのもいい。

「逆差別ではないか」という批判もあるかもしれないが、こういう強硬策を取ってでも、目に見える環境を変えていかないといけない。それほどまでに、日本の「ジェンダー・デバイド」の現状は酷いと言っていい。

<資料:OECD「PISA 2022」、
    OECD「Education at a Glance 2024」>

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