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【写真特集】購入希望者殺到「1ユーロ住宅」が変える過疎地の未来

ニューズウィーク日本版 / 2024年9月28日 12時11分

バジリカータ州キアロモンテで、1ユーロでの販売を検討中の住宅を眺める地元の議員

Picture Power
<イタリアでは南北に細い国土の半分ほどが地理的、社会的に隔絶された「忘れられた町」。新規住民を呼び込む激安住宅は、僻地の活力を取り戻す切り札となるか>

 イタリアには「忘れ去られた町」が無数にある。地理的にも社会的にも周辺から隔絶された小規模の自治体や集落が、全土に点在。その総面積は国土の半分を占め、全人口の4分の1近い1300万人が暮らしている。

 こうした地域は、急激な人口減少が進むイタリアの中でもひときわ過疎化が深刻だが、政治は有効な手を打てていない。公共交通網や医療体制、教育など基本的な生活インフラさえ満足に提供されておらず、公立高校がない自治体は8割、中学校さえない自治体も4割近くに達する。

 国の支援が期待できないなか、危機的状況を自力で打破しようとする試みが広がりつつある。新規住民を呼び込みたい自治体が注目するのが、空き家になっている住宅を1ユーロという破格の値段で販売するプログラムだ。自然に囲まれた豊かな田舎暮らしを求めて移り住む人が増えれば、新たな雇用やビジネスチャンスにもつながる。

実際、購入希望者が国内外から殺到してオークションが行われるケースもある。「1ユーロ住宅」はイタリアの僻地が活力を取り戻す切り札となるだろうか。

<次ページで写真10点を紹介>

Photographs by Alessandro Gandolfi-Parallelozero

 【連載20周年】 Newsweek日本版 写真で世界を伝える「Picture Power」
    2024年10月1日号 掲載

南部バジリカータ州の山間部に位置するアクセチュラ村の夜景。イタリアでは地理的、社会的に孤立した僻地が多く、交通や医療、教育の欠如が問題となっている

北西部リグーリア州ラ・スペツィアの集落シャイロで行われた結婚パーティー。ミラノで働く専門職カップルの2人はこの数年、徒歩でしかアクセスできない斜面に位置するこの集落で多くの時間を過ごしている

サルデーニャ島内陸部のマモイアダ村で伝統的なカーニバルの行進を待つ年配の女性たち

北西部ロンバルディア州マデーシモの集落イソラにやって来た郵便配達員。わずか43人の住民のために近隣の自治体から足を延ばす

リグーリア州の孤立した自治体ベルナッツァの小学校。2~5年生の児童が学年混合クラスで学ぶ

北東部エミリア・ロマーニャ州の山間の集落カサローラで、91歳の夫と暮らす89歳の女性を診察する医師

中部トスカーナ州コマーノの集落ピアニェートに移住し、自宅プールでくつろぐイギリス人夫婦

南部プーリア州レジーナで草をはむ牛。海と湖に挟まれたレジーナは同州でも最も孤立した地域の1つだ

バジリカータ州マテーラには宇宙開発を担うイタリア宇宙機関(ASI)の施設があるが、交通の便が悪く、車で2時間かけて通勤する人も

中部アブルッツォ州ガリアーノ・アテルノでラジオ番組に出演する編集者のベネデッタ・チェリコラ(左)。人口230人の村の再生プロジェクトでこの地に移り住んだ20人の新規住民の1人だ


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