学生の6割がSDGsを意識...企業に求めるのは「環境配慮」と「ジェンダー平等」
ニューズウィーク日本版 / 2024年10月11日 13時50分
冨田龍一
<2026年3月卒業予定の大学生・大学院生を対象に行われた調査で、約6割の学生が普段の生活でSDGsを意識して行動していることが明らかになった>
新卒学生のためのスカウト型就職情報サイト「あさがくナビ」を展開する学情は、2026年3月卒業予定の大学生・大学院生を対象に、SDGs(持続可能な開発目標)に対する意識調査を実施した。その結果、約6割の学生が普段の生活の中でSDGsを意識して行動していることが明らかになった。
調査では、59.1%の学生が「普段の生活の中でSDGsを意識することがある」と回答。特に「環境に配慮した製品を購入する」「エコバッグやマイボトルを持参する」「食品ロスを減らすために賞味期限が近いものを選んで消費する」など、日常生活での具体的な行動が挙げられた。また、ボランティア活動に参加しているといった積極的な声も聞かれ、SDGsに対する実践的な取り組みが広がっていることがうかがえる。
SDGsに取り組む企業への高い好感度
さらに、SDGsに積極的に取り組んでいる企業に対する好感度も高く、56.4%が「好感が持てる」と回答。「どちらかと言えば好感が持てる」30.6%を合わせると、9割近い学生がSDGsに対する企業の取り組みを評価していることが分かった。この結果は、企業が持続可能な社会を目指して行動することに対して、若年層が期待していることを反映していると言える。
Z世代がSDGsに取り組む企業に求めるもの
調査対象となったSDGsの17のテーマの中で、企業の取り組みが好感を持たれるテーマとして最も多かったのは「持続可能なまちづくりと地域社会」で、35.3%を占めた。次いで「ジェンダーの平等」33.8%、「貧困をなくす」31.5%と続いた。これらのテーマが学生たちの関心を集める背景には、自分や身近な人々の生活に直結する課題が重視されていることがある。また、「企業は個人よりも取り組みによって生まれる影響力が大きいため、規模の大きい課題に取り組んでいるほうがより好感が持てる」という声も寄せられた。
この調査結果は、Z世代の学生たちがSDGsに対して高い関心を持っていることを示すと同時に、企業が持続可能な社会に向けて行動することの重要性を再確認させるものである。特に、環境や社会の持続可能性に配慮した商品開発やコミュニケーションが、次世代に支持されるポイントであることが明確になった。
この調査は、2024年8月22日から9月12日にかけて「あさがくナビ2026」のサイト来訪者を対象にオンラインで実施され、有効回答数は337件だった。
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