メーガン妃とヘンリー王子の「王室離脱の舞台裏」をイギリス人記者が記す...スタッフが気づいた「ある異変」とは?
ニューズウィーク日本版 / 2024年10月19日 8時45分
ヴァレンタイン・ロウ(「タイムズ」紙・王室担当記者) for WOMAN
<2020年1月、不満をためた夫妻は離脱を突然発表。そもそも「メグジット」はどのように起きたのか。ヴァレンタイン・ロウ記者が貴重な証言を集めてつづった話題書『廷臣たちの英国王室──王冠を支える影の力』より>
メーガン妃によるケンジントン宮殿スタッフに対するいじめ疑惑を2022年に最初に報じたのが、「タイムズ」紙のヴァレンタイン・ロウ記者だった...。王室ファンたちが注目してきた、ロウ記者による話題書『廷臣たちの英国王室──王冠を支える影の力』(作品社)がついに邦訳で刊行。
ロウ記者はヘンリー王子とメーガン妃の王室離脱に関してどのような証言を得て、どのように見ていたのか? 綿密な調査と貴重な証言の数々からベールに包まれたイギリス王室の真の姿、そしてイギリス現代史が浮かびあがる...。第14章「出口戦略」より一部抜粋。
◇ ◇ ◇
2019年11月、ハリーとメーガンが6週間の休暇でカナダに出かけたとき、離脱の計画が極秘裏に進んでいた。
カナダ行きが公表されると(バッキンガム宮殿によれば、これは「家族の時間」を過ごすためであり、いわゆるホリデーとは見られてはならない)、行き先が明らかになるのをメーガンがとても不安視していたので、乳母のローレンでさえどこに行くのかは教えられていなかった。
どのような天候を想定して荷造りをすればよいでしょうか? とローレンは尋ねたらしい。
ある関係者によれば、ローレンは飛行機(エア・カナダではなく、『自由を求めて』に書かれているようにプライベートジェット)が離陸するまでどこに行くのか分からなかったという。
一方、スタッフは、2人が長期にわたり英国を離れるのはおかしいと感じ始めていた。そのころには既に、「サセックス公爵夫妻は米国で暮らすのではないか」と考えられていた。
私物も2匹の愛犬(黒いラブラドールのプーラとビーグルのガイ)もすべてをカナダに持ち出している事実が大きなヒントになったようだ。
しかしながら、情報が初めて確認されたのは、2019年も年の瀬が近づき、メーガンが一人の個人スタッフにもう戻ってこないと打ち明けたときだ。それ以外のスタッフは、新年に入り、バッキンガム宮殿で二人が会合を開くまで知らなかった。
スタッフにしてみれば、このように突然2人から捨てられる事実を受け入れるのは難しいことだった。中には泣き出す人たちもいた。「とても忠誠心の強いチームでしたから」と一人のスタッフが話す。「私たちの心は皆一緒でした」
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