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「ウクライナ核兵器製造」説を煽るロシアのメドベージェフ前大統領の危険度

ニューズウィーク日本版 / 2024年10月21日 15時46分

安全保障会議副議長として陸軍軍人と面会するメドベージェフ(2023年10月5日、ウリヤノフスク州の訓練場) Sputnik/Yekaterina Shtukina/Pool via REUTERS

ナタリー・ベネガス
<ウクライナの安全保障のためにはNATOに加盟するか核武装の必要がある、と語ったゼレンスキーに、メドベージェフ前大統領が核戦争の可能性を警告>

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の盟友であるドミトリー・メドベージェフ前大統領は10月18日、核兵器使用に関する警告を発し、「時間は残りわずかだ」と述べた。

ロシアとウクライナの戦争が長引くなかNATOとロシアの緊張は高まっており、NATOの指導者たちは、ロシアとの直接衝突が現実的な可能性になるのではないかという懸念をあらわにし始めた。プーチン政権が核によるエスカレーションが起きるという脅しを繰り返していることから、警戒感が高まっている。

現在、ロシア安全保障会議副議長を務めるメドベージェフは、18日のテレグラムの投稿で、ウクライナが「汚い爆弾を作ろうとしている」と示唆。同国は「そのためのすべての資源を持っている」と付け加えた。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は先週、欧州理事会に対し、ウクライナの安全保障のためには、NATOへ加盟するか、そうでなければ核武装の必要があると訴えたと明らかにした。

メドベージェフはこれに激しく反発した。「核兵器製造にまつわるウクライナの暴言を考慮すると、ある悲しい結論に至るしかない。あのナチスまがいの政権が『汚い爆弾』を作ろうとしている、ということだ。原料、技術、専門家など、そのための資源はすべてそろっている。残り時間はわずかだ」

ロシア政府は、「ネオナチ政権」がウクライナを支配していると主張することで、2022年のウクライナ侵攻を繰り返し正当化しようとしてきた。とはいえ、ウクライナ政府はもちろん、国際社会もロシアの主張を強く否定している。

メドベージェフの発言は、西側がウクライナに供給した兵器の使用制限をまもなく解除するという報道とも時を同じくしていた。

ウクライナはアメリカとイギリスに対し、アメリカの陸軍戦術ミサイル(ATACMS)とイギリスのストームシャドウ長距離巡航ミサイルによるロシア領土への攻撃禁止を撤回するよう強く求めてきた。戦争をエスカレートさせるという懸念から、使用が禁じられてきた。

ウクライナは、防ぐのが難しい滑空爆弾を発射するロシアの戦闘機が発着する空軍基地を標的にするため、長距離兵器が必要だと訴えている。ストームシャドウ・ミサイルの射程距離は約250キロだが、現在、ロシア軍に対して使用が許されているのは、ロシアに占領されたウクライナ領内に限定されている。

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