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ウクライナ軍、長距離ドローンでロシア領内の軍用飛行場を叩く 空爆の元を断つ狙い

ニューズウィーク日本版 / 2024年10月23日 20時8分

ウクライナ軍が攻撃した後とされるリペツク軍用飛行場(8月9日の衛星画像、ロシアのリペツク州) Planet Labs Inc/Handout via REUTERS

エリー・クック
西側から提供された最強ミサイルは長距離使用を禁じられ、地道にロシア空軍の拠点に攻撃を続けるが

ウクライナ軍は10月20日、ロシア領内の奥深くにある空軍基地を週末に攻撃したと発表した。同基地には、数種類のロシア戦闘機が配備されているとみられており、ロシアの攻撃で重要な役割を果たす空軍にダメージを与える攻撃の最新事例だ。

ウクライナ軍参謀本部は10月20日の声明で、ロシアのSu-34爆撃機、Su-35戦闘機、MiG-31迎撃戦闘機が配備されている「リペツク-2軍用飛行場のインフラ」を攻撃したと明らかにした。攻撃は、弾薬や燃料、航空部品を保管する倉庫を標的にしたものだということだが、被害の規模は明らかになっていない。本誌は、ロシア国防省にメールでコメントを求めている。



ウクライナは今、ロシア領内にある軍用飛行場や空軍基地を標的とした長距離ドローン(無人機)攻撃を行なっているが、西側諸国から提供された長距離ミサイルをロシア領内に発射することは許可されていない。ウクライナ政府は、この制限の緩和を強く求めている。今秋に入って、西側諸国から緩和に向けた示唆があったものの、依然として制限は継続している。

一方ロシア政府は同日、国内各地に飛来したウクライナのドローン110機を夜間に「撃墜した」と発表した。これには、リペツク州上空に飛来した無人航空機(UAV)27機を含むという。

リペツク州のイーゴリ・アルタモノフ州知事は、メッセージアプリ「テレグラム」への投稿で、撃墜されたドローンの残骸がリペツク市の西方に落下したが、「死傷者や被害はなかった」と述べた。「ドローンの墜落後、地上で発生した火災は速やかに消し止められた」

リペツク-2空軍基地は、リペツク市の北西に位置する。



またウクライナの治安情報筋の話では10月はじめ、ロシア国境沿いにあるボロネジ州のボリソグレブスク飛行場も攻撃した。

ウクライナ保安庁がウクライナ軍の他の部門とともに、ロシアが「KAB」精密誘導航空爆弾を保管する倉庫を攻撃した、と情報筋は述べた。加えて、同飛行場に置かれていたSu-34およびSu-35、航空燃料貯蔵施設も標的にしたという。

ウクライナ軍は、8月はじめにもリペツク空軍基地を攻撃している。アルタモノフによれば「大規模な無人機攻撃」だった。

10月20日には、ロシア、ニジニ・ノブゴロド州の州都に近い都市スベルドロフにある、爆発物、化学薬品、弾薬の製造工場を夜間攻撃した。

情報筋によると、スベルドロフの工場は、「(ロシアで)最大級の爆発物製造工場」として、米国と欧州連合(EU)の制裁対象になっているという。

ニジニ・ノブゴロド州のグレブ・ニキーチン州知事は20日、同州ジェルジンスクの「工業地帯」へのドローン攻撃を、防空システムと電子戦システムが撃退したと述べた。ニキーチンは標的については具体的に言及しなかったが、4人が軽傷を負ったという。

(翻訳:ガリレオ)



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