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北朝鮮を頼って韓国を怒らせたプーチンの大誤算

ニューズウィーク日本版 / 2024年10月24日 17時42分

北朝鮮がどの程度ロシアを支援しているかは不明な点も多いが、ウクライナと韓国の情報機関はかなり前から北朝鮮が弾薬とミサイルを大量にロシアに提供しているとの情報をつかんでいた。

「ロシア政府は、北朝鮮との軍事協力は韓国の脅威にならないと保証し、韓国政府を納得させようとしているようだ。それを見る限り、ロシアは韓国がウクライナに武器を供与することを非常に恐れていると考えられる」と、米シンクタンク・戦争研究所が21日に発表したリポートは指摘している。



韓国には豊富な武器弾薬の備蓄があり、世界有数の軍需産業がある。「ウクライナにNATO型の兵器を供与する能力があるが、まだ供与していない最大の武器調達先の1つ」が韓国だと、米シンクタンク・ランド研究所のヨーロッパ部門の防衛研究を率いるジェイコブ・パラキラスは本誌に語った。

北朝鮮がロシアに戦闘要員を派遣しているとすれば、ロシアは「かなり切羽詰まった状況」に陥っているとみていいが、それは逆に言えばまだ頼れる援軍がいた、ということでもあると、英シンクタンク・ジオストラテジー評議会のジェームズ・ロジャーズは本誌に話した。

韓国がウクライナに武器供与を行えば、「ロシアの試みは挫かれ」、NATOとインド太平洋諸国の連携を強く国際社会に印象付ける効果もあると、ロジャーズはみている。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は先週、北朝鮮は「既にウクライナと戦う分遣隊を準備」していて、1万人前後の兵士が派遣される見込みだと語った。

ウクライナ軍の情報機関を率いるキーロ・ブダノフは、その4分の1程度の約2600人はまず、今年8月にウクライナが越境攻撃を行ったロシア西部クルスク州の国境地帯に送り込まれるだろうと述べた。



韓国の情報機関・国家情報院が18日に発表した声明によれば、北朝鮮は既に1500人前後の特殊部隊の兵士をロシア極東の港湾都市ウラジオストクに派遣し、引き続き増派を行う模様だ。

北朝鮮の兵士たちは「適応訓練が終わり次第、前線に送られるだろう」と、声明は述べている。この兵士たちにはロシア軍の軍服とロシア製の武器、シベリア出身であることを示す偽の身分証明書が支給されたという。

「北朝鮮が兵士を派遣していることを隠すために、彼らをロシア人に見せ掛けようとしているのだろう」と、声明は指摘している。

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