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ドローンの平壌飛来で暗殺の危険感じた? 金正恩が警護体制を強化、韓国と戦争準備の懸念も

ニューズウィーク日本版 / 2024年10月30日 18時15分

ウラン濃縮施設を視察した金正恩(核物質の生産基地, 9月13日) Kim Jae-Hwan / SOPA Images via Reuters

ジョーダン・キング
<ロシアとの軍事協力で強気になる一方、平壌でも身の危険を感じはじめた金正恩はますます危険に>

北朝鮮が金正恩総書記の警護体制を強化していると、韓国の情報機関が述べた。暗殺の危険性があるとの恐れからだという。

【画像】韓国が平壌に飛ばしたとされるドローン(北朝鮮発表)

韓国の情報機関である国家情報院(NIS)が10月29日、国会情報委員会の国政監査で報告したところによると、新たに導入された警護対策としては、通信妨害(ジャミング)車両や、ドローンを探知する装備などがある。



韓国の報道機関、聯合ニュースが、韓国の与党「国民の力」の李成権議員と、最大野党「共に民主党」の朴善源議員の発言を引用して伝えた。

国家情報院はこの報告で、金正恩は2024年に入ってこれまで、110回にわたって公の場に登場したとしている。これは、前年比で60%増の数字だ。

韓国のシンクタンク「統一研究院」のホン・ミン研究委員は、北朝鮮関連のニュースを専門とするニュースサイト「NKニュース」に対し、北朝鮮批判のビラを撒くドローンが韓国から平壌まで飛来したとされる事件をきっかけに、金正恩が「身の危険」を感じた可能性はあると指摘した。

北朝鮮の国防省幹部は10月26日、もし韓国が北朝鮮の領海、領空、領土のいずれかに再び立ち入ったなら、「即座に報復攻撃が実行される」と警告した。

北朝鮮の国防省幹部は1週間ほど前に、平壌のある地区で墜落した韓国のドローンを発見したと述べた。

これに対して韓国の国防省は、「北朝鮮の一方的な主張は、検証の価値はなく、応答に値しない」とコメントした。

韓国軍の合同参謀本部(JCS)は10月の声明で、「いかなる形であれ、我が国の市民の安全が脅かされれば、我が国の軍は、厳格かつ徹底的に反撃する」と述べていた。



この事件は、ヨーロッパで第二次大戦以来最大の戦争となっているロシアのウクライナ侵攻に、北朝鮮が参戦するという懸念のなかで浮上した。ロシア側で戦う約1万人の北朝鮮兵はすでに配備されたと、アメリカ国防総省は28日に報告している。

そして北朝鮮の崔善姫外相は28日、モスクワ訪問に出発した。モスクワでハイレベルの会談を行い、追加派兵とその見返りについても交渉する可能性があるとみられている。この

北朝鮮が韓国との戦争を準備しているとの懸念さえある。

北朝鮮は10月に入り、韓国との軍事境界線に向かう道路や線路の一部を爆破した。その前に北朝鮮軍は、「戦争の恐れが迫っている」ことを理由に、2つの国を「完璧に分断する」と主張していた。

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