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トランプが米大統領選最終盤でごみ収集車に乗っている訳は?

ニューズウィーク日本版 / 2024年10月31日 16時2分

ごみ収集車に乗ってバイデンの「ごみ発言」を批判したトランプ(10月30日)  ABC News (Australia) /YouTube

ソナム・シェト
<大接戦の大統領選で勝敗を決定づけるかもしれない争点として浮上したのがなんと「ごみ」戦争。最初はトランプ陣営の大失点だったが、バイデンが失言でハリスの足を引っ張る展開に>

米大統領選共和党候補のドナルド・トランプ前大統領が10月30日、ウィスコンシン州グリーンベイでの集会に先立ち、ごみ収集車に乗るパフォーマンスを披露した。ジョー・バイデン大統領の失言を逆手に取った形だ。

バイデンは前日に行われた選挙関連のオンライン会合で、トランプの支持者を「ごみ」呼ばわりしたように受け止められる発言を行い、波紋を呼んでいた。

トランプは、白い車体に「トランプ2024」の文字が入ったごみ収集車の助手席から記者団に向かって「私のごみ収集車は気に入ったか?」と呼びかけ、さらにこう続けた。「この収集車をカマラ(ハリス副大統領)とジョー・バイデンに捧げる」

米CNNが放送した29日のラテン系有権者とのオンライン会談の映像によれば、バイデンは「私にとって唯一、海に浮かんだごみのように見えるのは彼のサポーターズ(支持者たち)だ」と言った。

そもそもこの発言は、27日に行われたトランプの集会で登壇したコメディアンが、米自治領プエルトリコを「海に浮かんだごみの島」と呼んだことに対するもの。トランプはこの発言のせいでラテン系有権者の怒りを買い、選挙戦も一気に不利になったのではないかと言われていた。

ホワイトハウスはすぐバイデンの発言について釈明を試みた。アンドリュー・ベイツ報道官は「バイデン大統領は、トランプ集会でのコメディアンの憎悪に満ちた『発言』のことをごみと呼んだ」と説明。

ベイツはさらにバイデンのオンライン会合での発言を以下のように引用した。

「私の地元であるデラウェア州に暮らすプエルトリコ系住民は善良で慎み深い、立派な人々だ。私にとって唯一、海に浮かんでいるように見えるのは彼のサポーターズだ。ラテン系を悪者扱いするのは受け入れ難く、アメリカの精神に反することだ。私たちがこれまでにしてきたことに完全に反することだ」

ベイツは「サポーターズ」という言葉は「トランプの支持者たち」ではなく、「トランプの支持者の『発言』」だと言った。

ハリスもこのことに触れないわけにはいかなかった。30日朝に記者団に対して、「誰に投票するかによって人々を批判することには断固として反対する」と言った。

トランプは30日にノースカロライナ州で行った集会で、さらにバイデンを攻撃した。

「ジョー・バイデンは遂に、われわれの支持者に対する彼とカマラの本音を漏らした」とトランプは述べた。「彼は支持者をごみ呼ばわりした。彼らは本気でそう思っているのだ」

「いんちきジョーや嘘つきカマラよりも私の支持者の方がはるかに質が高いのは間違いない」と、トランプは言った。「ジョーとカマラに対する私の返答はシンプルだ。アメリカ人を愛していなければ、アメリカを率いることはできない」

【動画】ごみ収集車からバイデンとハリスを批判するトランプ



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