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「第3次大戦は既に始まっている...我々の予測は口にするのも憚られるものだ」── JPモルガンCEO

ニューズウィーク日本版 / 2024年10月31日 16時52分

人類が直面する危機は気候変動ではなく大戦だ、と言うダイモン(4月24日、ニューヨーク) REUTERS

スザンヌ・ブレーク
<「いまは第3次大戦の序盤戦だ」と、JPモルガンのジェームズ・ダイモンCEOは警鐘を鳴らす。「アメリカが適切な軍事介入を行わなければ、大変なことになる」>

米金融大手JPモルガン・チェース銀行のトップが第3次世界大戦は既に始まっていると警鐘を鳴らした。

これについて本誌が話を聞いた専門家は、パニックになるのは時期尚早と断りつつ、無視できない警告との認識を示した。



JPモルガンのジェームズ・ダイモンCEOは先日、国際金融協会で行ったスピーチで、ウクライナと中東で今起きている紛争は、第3次世界大戦の序盤戦と位置付けられると述べた。

ダイモンは以前にロシア、北朝鮮、イランを「悪の枢軸」と呼び、中国ともどもNATOなど西側の同盟や組織の破壊を企んでいると論じたことがある。

「彼らは今まさにそれを実行すべく示し合わせている」と、ダイモンは今回のスピーチで述べた。「歴史が示すように、そうなれば世界は桁外れのリスクにさらされる」

問題は、進行中の紛争が他地域に飛び火するかどうかではなく、いつ飛び火するかだ、というのだ。

「第3次世界大戦は既に始まっている。その証拠に、複数の国家が関与する地上戦が既に展開されているではないか」

アメリカが事態を甘く見て介入を避けていれば、敵の思う壺になると、ダイモンは警告する。



「成り行きに任せれば事態はどんどん悪化する。適切な介入により、事態を打開する必要がある」

時間がたつにつれて、脅威が縮小する可能性も否定できないが、現状のまま推移すれば、人類は考えるだに恐ろしい状況に直面することになると、ダイモンは言う。



「問題は、事態が悪化した場合に人類が直面するリスクだ。私たちが予測するシナリオは、みなさんを驚愕させるだろう。口にするのがはばかられるような展開だ」

ダイモンが真っ先に挙げる懸念材料は、ロシアの核の脅威だ。

「1人の男が核を脅しに使う状況を、人類はいまだかつて経験したことがない。『おまえらが優勢になったら、こっちは核を使う覚悟ができている』──そう言われて、震え上がらない人はいないはずだ」

多くの国が核を保有するようになったことは「人類が直面する最大のリスク」だと、ダイモンは言う。

「(人類が直面する問題は)気候変動ではない。核拡散だ。今後2年ほど、われわれは(軍事的な)目標の設定と達成に極めて慎重でなければならない」

核を保有する国が増えれば、核使用の確率が高まり、地球上の多くの都市が壊滅的打撃を受けるリスクが高まると、ダイモンは指摘する。

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