韓国のJ-POP人気に拍車をかけるキュートなガールズバンド、QWERの魅力に迫る
ニューズウィーク日本版 / 2024年11月2日 10時40分
デビュー1年で"消化不良感"が消え大ブレイク
しかしながら、バンドが活動を開始してしばらくの間はB級感が少しだけ漂っていたのは否めない。YOASOBIやでんぱ組.incといった日本のアーティストを思わせるBPMの速さや凝った展開などを取り込んではいるものの、自分たちの持ち味にするには改善の余地があり、ボーカルも上手いとはいえ、あまりインパクトがないように思えた。
ミニアルバム『MANITO』より「大観覧車」 QWER / YouTube
だが、こうした"消化不良"の状態は、2024年4月にリリースした初のミニアルバム『MANITO』で一気に消え去った。十数年前のK-POPシーンで流行っていたアイドルソング風の「SODA」、韓国のバンド風の「地球征服」、日本のインディーズバンドの香りを漂わせた「大観覧車」など、日韓のどちらかに寄せつつもボーカルや親しみやすいメロディからは両国共通の情感がにじんでいる。
『MANITO』より「悩み中毒」 QWER / YouTube
『MANITO』のリードトラックで大ヒットした「悩み中毒」は、日本の地下アイドルが歌っていそうなアップテンポのナンバーだが、力強く伸びやかなボーカルからはK-POP特有の美学も感じさせ、このふたつの絶妙な組み合わせが今どきの若者の気分にジャストフィットしたと思われる。
J-POPが受け入れられた時代の流れに乗る
J-POPを意識した音作りとアイドル的な装い、文字入力用キーボードの多くが採用するQWERTY配列をヒントに名付けたバンド名、実写にアニメや漫画風のカットが挿入されるミュージックビデオなど、QWERは同世代が好むものを積極的に吸収して大きな成功を手に入れた。
誰よりも先にこうした路線をメジャーシーンで選んだ点に加え、時代の流れにしっかり乗ったのもメガヒットした要因だろう。このコラムでもたびたび紹介しているように、韓国ではここ数年、日本的なものが受けている。音楽では藤井風やYOASOBI、Official髭男dismといったアーティストがアニメやSNS経由で人気に火が付き、時を同じくして昭和・平成の名曲もクローズアップされている。そんな状況の中で登場したQWERが歓迎されたのは当然だと言えよう。
話が少しそれてしまうが、ネットを覗くと、"彼女たちは本当に演奏しているのか?"という話題をよく見かける。この件に関してバンド側は、「メインとなる音は実際に演奏しているが、バッキングトラック(効果音や追加の楽器)が多いせいで目立たない場合がある」と説明している。
この記事に関連するニュース
-
YOASOBIが韓国の音楽TV番組に出演し、日本語で「アイドル」を歌った衝撃…26年前には日本語の曲を放送できなかった国で
集英社オンライン / 2024年11月14日 11時0分
-
Tommy february6の再評価を考察、TikTokを中心に国内外で注目されている理由
Rolling Stone Japan / 2024年11月12日 17時12分
-
「BTS」JIN、初のソロアルバム「Happy」ハイライトメドレーがオープン...バンドサウンドに期待感UP
Wow!Korea / 2024年11月9日 13時47分
-
ソウルの電子音楽シーンで最もフレッシュなアーティスト、HWI、Mount XLR、Wonaがプレイ。「umm edition」第2弾開催
NeoL / 2024年11月3日 17時0分
-
MAMA級のステージを予告したKGMA、グローバルK-POPファンがソウルに集まる
Wow!Korea / 2024年10月27日 20時46分
ランキング
-
1うわさに揺れる韓国ロッテ…業績不振・財務健全性悪化、「事実無根」釈明も効果が薄れ
KOREA WAVE / 2024年11月20日 9時0分
-
2死者の6割が5歳未満 世界中で感染拡大「エムポックス」 WHOが日本製ワクチンの緊急使用を承認
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年11月20日 12時7分
-
3訂正-米とのホットライン、現在使用されてないとロシア大統領府
ロイター / 2024年11月20日 15時17分
-
4若者を追い込む少子化社会、日本・韓国で強まる閉塞感
ニューズウィーク日本版 / 2024年11月20日 11時15分
-
5ビザ免除の中国で入国拒否される韓国人が続出?その理由は=韓国ネット「当然」「行かない方が…」
Record China / 2024年11月20日 14時0分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください