北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウクライナ軍と北朝鮮兵が初交戦
ニューズウィーク日本版 / 2024年11月5日 17時39分
ブレンダン・コール
<大方の予想通り、ウクライナ軍と北朝鮮兵がクルスクで初めて交戦した。10人の北朝鮮兵とともに前線に出たというロシア兵は、彼らが味方を撃ったとXで証言した>
ウクライナ軍の捕虜になったロシア兵が、前線に投入された北朝鮮部隊によって、自身が所属するロシア軍部隊が危険にさらされたことを明らかにした。北朝鮮兵士らが誤って味方の方向へ発砲したのだという。
【動画】「北朝鮮兵は味方を撃った」ロシア兵捕虜の「証言」
このロシア兵の動画がソーシャルメディアで出回る一方で、ウクライナ軍は、ロシアのクルスク州で北朝鮮兵士の第一陣が砲火を浴びたと発表した。ロシア対ウクライナの戦争に第三者が加わり、国際社会は大いに懸念している。
ウクライナが8月に越境攻撃を仕掛け、その一部を支配しているロシアのクルスク州には、領土奪還の戦いのために北朝鮮兵士およそ8000人が配備されたとされている。
ウクライナを支持するX(旧ツイッター)アカウントのVictoriaが投稿した動画は、捕えられたロシア兵がカメラに向けて、ロシアの戦争支援のために派遣された北朝鮮兵とのできごとについて語っているものだという。
ロシア兵によれば、自身が所属するロシア部隊と10人の北朝鮮兵士は、塹壕を掘るために森へと連れて行かれ、温かい衣服と食事が与えられた。本誌はこの動画について確認はできていない。
だがそこへウクライナ軍の攻撃があった。「そのとき、複数の北朝鮮兵がわれわれに向けて発砲し始めた」と話す。「われわれは、どっちに向けて発砲すればいいのか説明しようとした。それでも北朝鮮兵は、われわれロシア部隊のうち2人を撃ったと思う」
「味方に撃たれて死ぬくらいなら、降伏したほうがマシだと考えた」とロシア兵は続けた。
一方、ウクライナ国家安全保障委員会に所属する虚偽情報対策センターのアンドリイ・コバレンコ所長は11月4日、ウクライナ軍がクルスク州で攻撃を仕掛け、北朝鮮から同州に派遣された兵士が初めて砲火にさらされたと述べた。
その少し前の10月29日には、NATOと米国が、クルスク州で北朝鮮兵士が活動していることを確認したと発表していた。
地政学アナリストで元ウクライナ兵士のビクトル・コバレンコが本誌に語ったところによると、プーチンが北朝鮮兵士を頼っているのは、「戦争に勝つための道具としてではなく、差し迫った政策課題の解決とプロパガンダのための道具として利用するのが目的」だという。
-
- 1
- 2
この記事に関連するニュース
-
「ロシア西部で北朝鮮兵が砲火浴びた」…ウクライナ高官、SNSで公表
読売新聞 / 2024年11月5日 0時24分
-
北朝鮮兵の戦闘投入…ウクライナ軍攻撃から生き延びた兵士? SNS映像を検証【バンキシャ!】
日テレNEWS NNN / 2024年11月4日 10時0分
-
領内クルスク奪還へ焦り強めるプーチン大統領 侵攻から3年迎え2024年末に北朝鮮から追加派兵も
東洋経済オンライン / 2024年11月2日 8時0分
-
ウクライナ軍との交戦で唯一生存した北朝鮮兵とみられる映像公開=韓国ネット「あまりにかわいそう」
Record China / 2024年11月1日 13時0分
-
ウクライナ兵捕虜を処刑し始めたロシア軍。怖がらせる作戦か、戦争でタガが外れたのか
ニューズウィーク日本版 / 2024年10月17日 19時3分
ランキング
-
1「トランプ氏勝利の可能性90%」NYタイムズ報道【アメリカ大統領選挙】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年11月6日 14時49分
-
2米議会選、共和党が上院の過半数奪還 下院でも伸長
ロイター / 2024年11月6日 15時48分
-
3【米大統領選】トランプ氏“勝利宣言” 中国は…関税など経済への影響懸念も
日テレNEWS NNN / 2024年11月6日 17時43分
-
4【米大統領選】トランプ氏、ペンシルベニア州で勝利確実に 激戦州の中で“最重要”
日テレNEWS NNN / 2024年11月6日 16時12分
-
5「米国を再び偉大に」トランプ前大統領が勝利宣言
産経ニュース / 2024年11月6日 16時40分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください