トランプはウクライナを見捨てるのか── ゼレンスキー苦渋の祝福、それもいち早く
ニューズウィーク日本版 / 2024年11月7日 16時18分
選挙期間中、トランプはウクライナ戦争を速やかに終結させたいと語っていた。
5月にはこう語っている。「もし私が大統領なら、あの戦争を24時間で終わらせる。私はゼレンスキーのことをよく知っている。プーチンのこともよく知っている。私なら24時間で終わらせる。簡単なことだし、簡単な取引になるだろう」
軍事専門家やマイク・ペンス前副大統領は、この発言を批判した。「ウクライナの戦争を24時間で終わらせる唯一の方法は、ウラジーミル・プーチンが望むものを与えることだろう。そして、それは、アメリカがウクライナに絶対に求めてはならないことだ」と、ペンスは言った。
ロシアが侵略したウクライナの領土をすべて渡すことになりなねない、というのだ。
トランプ陣営の広報を担当するスティーブン・チャンは以前、本誌にこう語っている「トランプ大統領は戦争と殺戮を終わらせる。それに反対する人たちは戦争と殺戮の継続を望んでいるように見える」
トランプ支持者も、ウクライナへの支援継続にはトランプと同じく消極的だ。10月初旬に戦略コンサルタントのレッドフィールド&ウィルトン社に委託して行った世論調査では、トランプ支持者の26%がウクライナへの支援を停止したいと答え、40%が支援の程度を「再考」すべきだと答えた。
さらに、ウクライナの防衛がアメリカの国益に不可欠だと考えているのは、ハリス支持者では66%だったのに対し、トランプ支持者ではわずか34%だった。
トランプは2022年2月、ロシアとの戦争はウクライナの大統領が始めたと非難したこともある。
PBDポッドキャストのインタビューで、トランプは「だからといって、ゼレンスキーを助けたくないわけじゃない。ウクライナの人々は気の毒だからね。でも、彼はあの戦争を決して起こすべきではなかった。あんな戦争はダメだ」
戦争が始まって以来、アメリカから何百万ドルもの軍事援助資金を引き出したことから、トランプはゼレンスキーを「地上最強のセールスマン」と呼んだこともある。
ゼレンスキーは9月、トランプは「戦争を止める方法を本当には知らないと思う」と、ニューヨーカー誌に語った。
「トランプはわかっているつもりでも、実際にはわかっていない。この戦争は、深く見れば見るほどわからなくなることが多い。私は、明日にでも戦争を終わらせる方法を知っていると確信していた多くの指導者を見てきたが、状況を深く掘り下げるにつれ、それほど単純な話ではないことに誰もが気づくのだ」
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