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ピスタチオが「加齢黄斑変性」のリスク軽減に効果がある可能性【最新研究】

ニューズウィーク日本版 / 2024年11月7日 17時15分

akirEVarga-pixabay

ハッティ・ウィルモス
<ピスタチオを食べた人々は、わずか6週間で黄斑色素光学密度(MPOD)に有意な増加があった。高齢期の失明予防に役立つ可能性のある、おいしいナッツの効能>

年齢を重ねるにつれて衰える目や脳をピスタチオが保護する可能性について、タフツ大学による最新研究が発表された。本研究の筆頭著者である、タフツ大学フリードマン栄養科学政策大学院、および医学大学院のタミー・M・スコット教授は本誌に次のように語る。

「ピスタチオは、必須ビタミン、ミネラル、抗酸化物質のある栄養豊富なナッツです。特に興味深いのは、ルテインという目の健康に重要な役割を果たす天然色素が含まれていることです。

ルテインはブルーライトや酸化ストレスによる目のダメージから目を保護するのに役立ちます。そのため単においしいおつまみというだけでなく、特定の健康効果を持つ機能性食品と言えます」

■【関連動画】ピスタチオの栽培と収穫 を見る

 

タフツ大学の研究者チームはルテインに含まれる抗酸化物質と、その補完成分であり、ほうれん草のような濃い緑色の葉野菜、卵黄、そしてピスタチオに含まれるゼアキサンチンも調査した。

その結果、1日2オンス(約56グラム)のピスタチオを食べることで、目の健康の重要な指標となる「黄斑色素光学密度(MPOD)」が顕著に増加していることが判明。黄斑色素光学密度(MPOD)が網膜を保護し、高齢者の失明の主因である「加齢黄斑変性(AMD)」のリスクを軽減することも確認されている。

「ピスタチオを研究対象にしたのは、目を保護する役割で知られるカロテノイドの一種であるルテインを多く含んでいる、唯一のナッツだからです」とスコット教授は語る。

ルテインとゼアキサンチンが網膜の中央部分に蓄積することで有害なブルーライトを遮り、摩耗が減ると説明する。そして栄養吸収を助ける良質な脂肪分も含まれているため、黄斑色素光学密度(MPOD)の増加につながる効果的な食事戦略になると仮説を立ている。

この仮説を検証するため、低量のルテイン摂取以外に健康上に問題のない、40歳から70歳までの成人36人に対して、「ランダムランダム化比較試験(RCT)」を実施。

被験者は2つのグループに無作為に分けられ、1つのグループは通常の食事を続け、もう1つのグループは1日2オンス(約56グラム)のピスタチオを追加摂取した。これはピスタチオを約2握り分で、ルテイン摂取量がほぼ2倍になる。

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