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トランプ「韓国の軍艦建造能力が必要」 中国との覇権争いへユン大統領に協力求める

ニューズウィーク日本版 / 2024年11月7日 21時46分

米国のトランプ前大統領と韓国のユン大統領 SBS 뉴스 / YouTube

ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
<駐留米軍削減などで揉めた1期目とは変わって、返り咲きのスタートは融和ムード?>

大接戦の予想を覆してアメリカ大統領選挙を制したドナルド・トランプが早くも動き出した。韓国大統領府は7日、「この日の朝、ユン・ソクヨル大統領がトランプ前大統領と電話会談を行った」と発表した。この会談でトランプは「アメリカの造船業が韓国の助けと協力を必要としている。今後、具体的に話したい」と語ったという。韓国メディア京郷新聞、ソウル経済、聯合ニュースなどが報じた。

韓国造船業の補修・修理・整備に期待か

この日の電話会談は韓国時間の午前7時59分からおよそ12分間行われたという。当然ながら、会談はユンがトランプへ「MAGA(Make America Great Again=米国を再び偉大に)のスローガンで大勝を収めたことを心より祝い、トランプ前大統領のリーダーシップで偉大な米国を導いていくことを願う」と大統領選挙で勝利したことへの祝意を伝えるところから始まったという。

だが、今回の電話会談はこうした儀礼的な内容に留まらなかった。両者は、インド太平洋地域、朝鮮半島、さらにグローバルレベルでの共同リーダーシップ構築の必要性についても意見が一致。北朝鮮の相次ぐ弾道ミサイルによる挑発や核開発問題、さらにウクライナの戦況についても状況を共有した。

こうしたなかで、トランプは、「アメリカの造船業は韓国の支援と協力を必要としている。韓国の世界的な軍艦船舶建造能力についてよく知っている。韓国の船舶輸出だけでなく補修・修理・整備といった分野で韓国と緊密に協力する必要がある。今後、具体的に話したい」と付け加えたという。

1期目では在韓米軍の経費分担金を5倍に増額することを要求するなど、韓国を振り回したトランプだったが、今回なぜ安全保障で韓国の協力を頼んできたのか? そこにはまさに「Great」ではなくなったアメリカの製造業の問題が関係している。

年間わずか6隻というアメリカの造船能力

世界トップの軍事大国であるアメリカだが、こと軍艦については心許ない状況にあるという。造船所の建造力では韓国、日本に劣っているからだ。現在、アメリカには主要な造船所は5カ所が残っているものの、各造船所の年間引き渡し数は平均1.3隻に過ぎないという。10月、米議会調査局が報告した資料によると、現在、米海軍の潜水艦の約30%が修理待機中という状況だ。

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