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中国の言う「台湾は中国」は本当か......世界が中国に警告を発し始めた

ニューズウィーク日本版 / 2024年11月12日 18時0分

サンフランシスコ平和条約とアルバニア決議が台湾の領有権について結論を下すのを避けたことは賢明だった。この方針は、これまで70年にわたり、台湾が中国の専制体制の手に落ちることを防ぐ上で大きな役割を果たしてきた。

しかし、いま中国は途方もない力を持つようになっていて、しかも台湾を併合したいという意欲を隠そうとしない。こうした点を考えると、台湾の民主体制が中国に押しつぶされる危険はないのか。

確かに、その危険はあるが、そうした危うい状態から抜け出せる日は遠くない。

さまざまなデータを見ると、中国の「奇跡の経済成長」は既に終わった。政府統計でも、若者の失業率は20%に迫っている。社会は以前より貧しくなり、暴力沙汰が起きやすくなった。人口も減少し始め、社会の高齢化も急速に進んでいる。中国の経済成長を支えてきた欧米諸国は、中国のデカップリング(切り離し)に転じつつある。

要するに、超大国・中国は──そもそも二流の超大国にすぎなかったのだが──既に盛りを過ぎ、あとは落ちるだけなのだ。

あと5〜10年持ちこたえれば、台湾は生き残れる

それとは対照的に、台湾の社会と経済は強靭だ。しかも、台湾は半導体の製造で世界の先頭を走り、グローバルなテクノロジー産業のサプライチェーンで欠かせない存在となっている。世界の民主主義国は、中国と台湾の落差を明確に認識し、台湾への攻撃を控えさせるべく中国に警告を発しようという、強い政治的意思を示している。

台湾にとって今後5~10年は、言ってみれば夜明け前の最も暗い時間だ。友好国の助けを得て、この期間を持ちこたえられれば、あとは全てうまくいく。10年もたてば、中国は今のロシアより劣った三流国に落ちぶれているからだ。

練乙錚
YIZHENG LIAN
香港生まれ。米ミネソタ大学経済学博士。香港科学技術大学などで教え、1998年香港特別行政区政府の政策顧問に就任するが、民主化運動の支持を理由に解雇。経済紙「信報」編集長を経て2010年から日本に住む。

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