建物に突き刺さり大爆発...「ロシア軍の自爆型ドローン」がロシア領内を「攻撃」する衝撃の瞬間
ニューズウィーク日本版 / 2024年11月13日 6時35分
ヘスス・メサ
<建物に突っ込んだのは、ロシア軍がウクライナに向けて発射したイラン製ドローン「シャヘド」とみられる。ベルゴロド州の現場では大きな被害が...>
ソーシャルメディアで共有されている複数の報告や監視カメラの映像によれば、ロシアはイランから供給された無人機「シャヘド」で、ベルゴロド州の民間の建物を誤って攻撃した可能性がある。
【動画】「シャヘド」とみられる自爆型ドローンがベルゴロド州の建物に突き刺さるように落下し、「大爆発」を起こす衝撃の瞬間
この攻撃によって2名が負傷したほか、3棟の建物にまたがる40戸、車24台、店舗1軒が甚大な被害を受けた。この攻撃はロシア側によるもので、ウクライナ国境の方面に向けて発射されたものとみられる。
ロシアの独立系ニュースメディア「ピピル(Pepel)」は証拠とされる映像を分析し、映っているドローンの特徴が、ウクライナでロシア軍がよく使用しているシャヘド・ドローンに酷似していると指摘した。
「特徴的な機首と三角形の翼があって先端が丸みを帯びているのはこの戦闘用ドローンだけで、監視カメラの映像からそれがはっきりと確認できる」とピピルは伝えている。
問題のドローンが、ロシア軍がウクライナに対して使用しているイラン製シャヘド・ドローンと似ているという事実は、何らかの不具合によってロシア領内を誤って攻撃してしまった可能性を示唆している。
「このシャヘドは標的の選択で誤作動を起こしたか、飛行経路の指示が不正確だった可能性がある。建物の上空で防空行動が行われたことは、それで説明がつくかもしれない。無人機がコースを外れていることを検知したロシア軍が、ベルゴロド州の住宅に被害を与えないよう撃墜を試みた可能性がある」とピピルは伝えている。
ベルゴロド州のヴャチェスラフ・グラドコフ知事は当初、この攻撃をウクライナ軍によるものとしていたが、映像にはロシア国内からドローンが飛来している様子が映し出されており、疑問が生じている。
今回のベルゴロドでの一件は、ロシアが継続中の作戦においてイラン製無人機に大きく依存していることを浮き彫りにした。モスクワ・タイムズ紙が11日に報じたところによれば、一般に「徘徊型兵器」と呼ばれるこうしたドローンは、ロシア軍が国境越しにウクライナの軍事および民間エリアを攻撃する際によく使用されているという。
一方、ウクライナ側もドローンを使用した作戦を増やしている。ロイター通信は10日、ウクライナがモスクワに対して大規模なドローン攻撃を仕掛けたことで、3つの主要空港に混乱が生じたと報じた。ロシア国防省は国内西部で合計84機のドローンを迎撃したと主張しており、この攻撃によってモスクワ郊外で5人が負傷したと伝えられている。
ドローンの使用拡大により、ロシアとウクライナ双方で民間人が巻き込まれるリスクが高まっている。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は先頃、ウクライナが直面しているシャヘド・ドローンによる攻撃の頻度が昨年に比べてはるかに高くなっていると述べた。
ウクライナ国家安全保障国防会議の傘下にある「偽情報対策センター」のアンドリー・コバレンコ所長はPBSニュースアワーに対し、ロシアによるシャヘド・ドローンの使用増加は、継続的な爆撃に苦しめられているウクライナの防空体制にますます大きな難局をもたらしていると話した。
2022年2月にウラジーミル・プーチン大統領がウクライナへの全面侵攻を命じて以来、ベルゴロド州は国境越しの攻撃をたびたび受けている。
(翻訳:ガリレオ)
この記事に関連するニュース
-
ウクライナ軍、ロシア領内の兵器庫攻撃に「ATACMSを初使用」 夜空に上がる「巨大な火の玉」を住民が撮影
ニューズウィーク日本版 / 2024年11月20日 19時55分
-
ロシア西部など8州に無人機攻撃、42機を撃墜
ロイター / 2024年11月20日 9時11分
-
ウクライナ軍ドローン、1000キロ離れたロシア拠点に突っ込む瞬間映像...カスピ海で初の攻撃
ニューズウィーク日本版 / 2024年11月9日 9時32分
-
ウクライナ 対自爆ドローン用ドローンを公開「対空ミサイルよりはるかに安い」その性能とは
乗りものニュース / 2024年11月1日 15時12分
-
巨大な閃光に歓喜の雄叫び...ウクライナ軍が「100年前の機関銃」で夜空のシャヘドを撃ち落とす劇的瞬間
ニューズウィーク日本版 / 2024年10月23日 20時0分
ランキング
-
1レバノン東部空爆47人死亡 イスラエル、ヒズボラ停戦交渉中
共同通信 / 2024年11月22日 7時13分
-
2イスラエル首相らに逮捕状、ICC ガザで戦争犯罪容疑
ロイター / 2024年11月22日 3時50分
-
3ロシアがわずか1000km先にICBM発射情報、アメリカへ「核攻撃いとわない」警告か
読売新聞 / 2024年11月21日 20時1分
-
4北朝鮮の金総書記、核戦争を警告 米が緊張激化と非難=KCNA
ロイター / 2024年11月22日 8時39分
-
5【トランプ圧勝後の国際情勢を石平氏が分析】アメリカの“中国潰し”で習近平政権が“媚日”を図る可能性 日本に求められるのは“戦略的傍観”
NEWSポストセブン / 2024年11月22日 7時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください