米ダンスバトルの長寿番組『ダンシング・ウィズ・ザ・スターズ(DWTS)』成功の方程式
ニューズウィーク日本版 / 2024年11月21日 22時43分
ビリー・シュワブ・ダン(エンターテインメント担当)
<セレブとプロの本気のダンスに魅了されて──SNSを活用するリアリティー番組のPR戦略>
ダンスに自信があるセレブがプロのダンサーとペアを組んで競い合う『ダンシング・ウィズ・ザ・スターズ(DWTS)』。テレビ放映開始から約20年が経過してもなお、人気は衰えていない。
今秋に始まったシーズン33には俳優のエリック・ロバーツ(エマ・ロバーツの父でジュリア・ロバーツの兄)や、パリ五輪の7人制ラグビーのアメリカ女子代表で銅メダルを獲得したイロナ・マーハらが参戦し、ミラーボールトロフィーを目指している。
Premiere Opening Number | Dancing with the Stars
DWTSがこれほど長く愛される理由を、PRの専門家はどうみているのか。
PR会社オート・イン・テキサスのアキーラ・メンデス・バルデス創業者兼CEOは、出演者を選ぶプロセスに明確な方程式があると語る。
「DWTSは、長く続いている不動のブランドと、シーズンごとに新鮮な顔触れのセレブを融合させる点がユニークだ。毎回、特定の方程式に基づいて出演者を選んでいる。話題沸騰中の人、愛されるレジェンド、一部の視聴者から失敗することをひそかに期待され、物議を醸すセレブ。不動のフォーマットだから安心して見ていられる」
イギリスのマーケティング・シグナルズでシニアPRエグゼクティブを務めるローレン・リチャードソンも同じ点を指摘する。「そのときメディアの注目を集めているセレブをうまく選んで、番組の中でも外でも視聴者の関心を引いている。詐欺で実刑判決を受けたアンナ・デルヴェイことアンナ・ソローキン(ドラマ『令嬢アンナの真実』のモデル)のような悪名高いセレブは、さまざまな理由で視聴者を引き寄せる。そんな人がゴールデンタイムのリアリティー番組に出演しているというショック効果もあるし、彼らが敗退するかどうかを見届けたい人もいる」
JMGパブリック・リレーションズのジェナ・グアルネリ創業者兼CEOは、「さまざまな世代のセレブを出演させて、幅広い年齢層の視聴者を引き付けている」と語る。
「ディズニー・チャンネルやティーン向けドラマで人気の若手女優チャンドラー・キニーは、新たな視聴者層をターゲットにしている。一方で、(映画『ダイ・ハード』の)レジナルド・ベルジョンソンなどベテランのスターは年長の人々の懐かしさを誘う」
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