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「乳児はへその緒を割れた石で切られ」 戦争から逃れても、気候災害でさらなる絶望へ...難民の悲惨な現実

ニューズウィーク日本版 / 2024年11月22日 17時17分

住み家を追われ、唇やつま先が乾いてひび割れた。あきらめるか、希望を持ち続けるかの選択を迫られた。「私はよくフライパンから火に移ったと言います。難民には逃げ場がありません。ある方向に逃げればある危険に遭遇し、別の方向に逃げればまた別の危険に遭遇するのです」

「自分の将来を変える教育を受けたい」

気候変動で南スーダンも干ばつ、洪水など、さまざまな危険に直面している。報告書は茂みの中で出産している女性たち、乾いた寝床がないため一晩中、水に濡れて過ごす女性たち、へその緒を割れた石で切られている乳幼児たちの別離と絶望を生々しく描き出す。

グレースさんは「ルート・オブ・ジェネレーションズ」の創設者でエグゼクティブ・ディレクターを務める。「自分の将来を変える教育を受けたい」と民間パイロットの訓練を受けるため奨学金を獲得したが、訓練コースの門は女性には閉ざされていた。

別の科目を選び直したグレースさんは学士号を修了し、その後、経営学修士(MBA)を取得した。「女性が犠牲者ではなく、構築者となる社会を目指しています。教育、医療、暴力からの保護、経済的安定など、女性が自分たちの権利を活用できるよう支援しています」と話した。

フィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官(同)

フィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官は「人の移動と気候変動、気候危機は交差しています。それは減少するのではなく、増加傾向にあるのです。人の移動、気候変動、紛争の3つの関係性は非常に複雑です。その複雑さを理解することが重要なのです」と訴えた。

グレース・デュロングさん(筆者撮影)




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