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ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式多連装ロケットシステム「BM-21グラート」をHIMARSで撃破の瞬間

ニューズウィーク日本版 / 2024年12月11日 15時20分

戦勝記念パレードのリハーサルで大通りを徐行するBM-21(2015年5月、サンクトペテルブルク) Karasev Viktor-Shutterstock

マヤ・メーララ
<ロシアの自走式多連装ロケットシステム「BM-21グラート」が破壊されたとみられる瞬間の映像がソーシャルメディアに>

ウクライナの高機動ロケット砲システム「HIMARS」により、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の誇る自走式多連装ロケットシステム「BM-21グラート」の一つが破壊されたとみられる動画が、ソーシャルメディアプラットフォーム「Bluesky」にアップされた。

【動画】猛スピードで標的に落下...「BM-21グラート」にミサイルが命中し、爆発する劇的瞬間

ウクライナが米国製のHIMARSを使ってグラートを破壊したのはこれが初めてではない。ウクライナの報道機関「Censor.net」が伝えているところによれば、今回の攻撃は、ザポリージャにあったBM-21グラートに命中したという。

ロシアが兵器と人員を必要としている今、ロシアの備蓄兵器をいっそう弱体化させるウクライナの試みは、交戦する両国間の緊張の高まりを浮き彫りにしている。10月には、ウクライナにおけるロシアの兵器損失が過去2年で最高となり、2022年2月の開戦以来、ロシアは1カ月で最も多くの兵器を失った。

本誌は問題の動画の内容を独自に裏づけられていない。ウクライナとロシアの国防省に電子メールでコメントを求めている。

Censor.netの編集長ユリー・ブトゥソフは攻撃の様子をとらえた動画をテレグラム上に投稿し、ロシアの人員2人が負傷し、1人が死亡したと報じられていると綴っている。

HIMARSは射程の長い移動式の高精度発射システムで、さまざまな弾薬を搭載できる、と製造会社のロッキード・マーチンは説明している。1つのシステムで6発のロケットを立て続けに発射し、最大50マイル(約80キロ)先の標的を効果的に攻撃することができる。事実上、ロシア軍の陣地、司令部、兵站地点まで到達できる。

アメリカは開戦以来、39基前後のHIMARSシステムをウクライナに提供している(今年6月のデータ)。

ウクライナは以前にも、ロシアが支配するルハンスク州クレミンナ市近くでロシアのBM-21グラート2両にミサイルを命中させている。2月のこの攻撃で用いられた米国供与の「GLSDB(地上発射型滑空弾)」は、最大90マイル(約145キロ)先の標的を攻撃できる。

BM-21グラート2両が爆発した後、ロシアのある軍事ブロガーは、ウクライナがHIMARSを使ってGLSDBを発射したと主張していた。

ウクライナは7月、ドネツク州バフムート市近くで、ソビエト時代のBM-21グラート数両を破壊した。この攻撃の動画を公開した投稿では、「敵の兵器と人員をすべて破壊した」と述べられた。

HIMARSは、ロシアにとって最重要兵器の一つである地対空ミサイル「Buk(ブーク)」を狙った10月の攻撃にも用いられ、標的を完全に破壊した。

ウクライナが射程の長い兵器を使ってロシア領内を攻撃することをジョー・バイデン大統領が認め、プーチンが核ドクトリン(核抑止力の国家政策指針)を改定して以来、ロシアとウクライナの緊張はいっそうエスカレートしている。

(翻訳:ガリレオ)

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