AI時代にこそ必要な「非認知能力」の伸ばし方とは?笑い飯・哲夫と考える、これからの教育に必要なこと
ニューズウィーク日本版 / 2024年12月25日 11時30分
浜野 日本は学校教育以外にも家庭や地域社会など、さまざまな場所で非認知能力を伸ばす機会があります。非認知能力は急激に伸びるものではなく、いろんな経験をする中で少しずつ形成されるのですが、その中で摩擦がある程度あった方がいいと言われています。
哲夫 僕は、子育てで大事なんは「子どもがいろんな大人に会うこと」やと思ってるんですよ。子どもにとって、学校や家以外に集える場所があるのは大事やなって。僕がやってるような激安塾も全国で自然発生的に増えていってくれたらいいのにと思います。
浜野 まさにその通りです。親や先生以外の大人と話すときは言葉を選び、お互いの立場を踏まえて話しますから、それが非認知能力の育成に繋がります。
田口 学校の掃除もTOKKATSUのひとつですが、海外では一般的に掃除は「クリーナー」と呼ばれる方々の仕事ですので、TOKKATSUを導入した学校では「なんでうちの子に掃除をさせるんだ」と保護者からクレームが入ったこともあります。しかし、徐々に「子どもたちが家でも掃除するようになった」「身の回りの整理整頓をするようになった」と、理解を示してくれるようになりました。
エジプトのTOKKATSUで子どもたちが掃除に取り組む様子
教育格差を乗り越える ノンフォーマル教育の効果
伊藤 日本では学校以外にも教育の受け皿がありますね。
浜野 はい。日本には民間の学習塾、通信教育などがたくさんあります。私立学校も多いですね。義務教育では一斉授業ですが、習熟度に合わせて学びたいという個人のニーズを満たすために、民間の教育施設が大きな役割を果たしています。
田口 日本では公教育を昼間に受け、夕方や夜に塾に行くという形で民間の教育を受けられます。しかし、途上国には昼間の授業すらも受けられない子どもがたくさんいます。例えば、パキスタンでは、政府が「全ての人に教育を届けることは難しい」という前提のもと、学校の代替教育である「ノンフォーマル教育」を国の教育制度として認めています。パキスタンでは文化的に女性が不利な立場にあり、自分のコミュニティの外に出ることが難しい場合があるため、そこに学校がなければ中学校以上の教育も受けられない場合があります。しかし、ノンフォーマル教育の学校を作れば、学ぶ場所を提供できます。地域の一軒家を借り、哲夫さんがおっしゃったような近所のおじいちゃん、おばあちゃんが先生となり、授業をしています。
この記事に関連するニュース
-
ピアノ・野球・学習…能登被災地で学びの場が消滅、子供たちに「体験格差」
読売新聞 / 2024年12月26日 5時0分
-
漫才に格安塾経営、農業、仏教…M-1王者「笑い飯」哲夫さんが切り拓く「6足のわらじ」 一聞百見
産経ニュース / 2024年12月20日 11時0分
-
大河ドラマ出演の笑い飯・哲夫「密かに朝ドラをねらってます」 M-1グランプリ“期待の関西勢コンビ”は「いますけど、名前はあげられないですね」
NEWSポストセブン / 2024年12月15日 15時59分
-
「自立学習」提唱から36年 全国25の学習塾と共に教育の地域格差解消や子どもたちが平等に学べる機会をつくるための「自立学習探究ラボ」を発足
PR TIMES / 2024年12月6日 14時45分
-
文部科学省実証事業に採択:IGS、生成AIを活用した探究指導モデルを宝仙学園で実証開始
PR TIMES / 2024年12月4日 11時0分
ランキング
-
1中国EV大手が建設中の自動車工場で「奴隷同然の環境」…ブラジル当局が中国人労働者163人救出
読売新聞 / 2024年12月25日 23時19分
-
2カザフスタンで67人乗り旅客機が地面に衝突・炎上、生存者32人を病院搬送…緊急着陸に失敗情報
読売新聞 / 2024年12月25日 21時14分
-
3ロシア貨物船の沈没、「テロ行為」による爆破が原因=通信社
ロイター / 2024年12月26日 7時47分
-
4岩屋外相と王毅外相、初の対面会談 日本に歩み寄る姿勢強める
日テレNEWS NNN / 2024年12月25日 17時38分
-
5ハマスとイスラエル、停戦合意の遅れ巡り互いを非難
ロイター / 2024年12月26日 7時15分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください