「パレスチナ問題」は、再び忘れ去られてしまうのか?... 2025年は中東和平の分水嶺になる
ニューズウィーク日本版 / 2024年12月23日 17時50分
しかし、イスラエル・ハマスの戦争により、逆説的ながらもいまだ核心部分であり続けていることが改めて認識された。
残念ながら、当事者の間でパレスチナ問題解決への機運は高まっていない。
「自分たちは未来志向」と常々口にするイスラエル人だが、その多くはハマスがイスラエルを奇襲した23年10月7日で思考が停止し、前に進む勇気はない。
また、ガザ地区を無惨なまでに破壊されたパレスチナ人にとっては、イスラエルを止められない国際社会への失望は深く、2国家解決への希望も失われている。
そんななかでレバノンやシリア情勢の変化によって、パレスチナ問題が再びかすみつつあることに懸念が広がる。
ただし、イスラエルのオルメルト元首相と、アラファト元議長の甥でパレスチナ自治政府のキドワ元外相が共同で独自の2国家解決案を発表し、元高官による新たな草の根の動きも見られる。
また、両親をハマスに殺害されたイスラエル人男性がパレスチナ人の仲間と開催した和平サミットに数千人が集まり、入り口には行列ができるなど、市民の間にはわずかな希望もまだ残されている。
イスラエルとパレスチナの間で永遠に争いが繰り返されるのか、それとも終止符に向けて歩みを進めるのか。パレスチナ問題の進展はまさに分水嶺にある。
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