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中高年は、運動しないと「思考力」「ストレス耐性」低下...いつ・どれだけ運動すればいいか

ニューズウィーク日本版 / 2024年12月28日 8時0分

運動は強力な薬と同じくらい効果を発揮する

運動は、思考だけでなく感情にもプラスに働きかけます。

運動は、ストレスや不安への対処にも抜群の威力を発揮します。専門家は、運動はストレスに対処するのに、きわめて効果的にもかかわらず、そのことが認識されていないと嘆いているほどです。

有名な研究を紹介しましょう。デューク大学の研究では、抑うつ症状のある患者156人を調べています。1回あたり30分の軽い運動を週3回、行ってもらいました。

そこで明らかになったことは、驚くべきことに、運動は、抑うつ症に効く最も強力な薬を投与するのと同じくらい効果を発揮したというのです。

運動することによって、私たちの体にセロトニンやドーパミンなど、気分をよくするホルモンが放出されます。これにより、運動は感情にポジティブな影響があるのです。

ネガティブな感情に飲み込まれないようにしたければ、運動です。

気分が落ち込んだときは、うちにひきこもりがちですが、とにかく、「えいや」と、体を動かすことが効果的です。

運動している従業員ほど問題行動が少ない

運動は、行動にもプラスに働くというデータも出てきています。

インドのサービス企業に働く従業員166人を5週間にわたって調べた研究では、運動している従業員ほど、問題行動が少なかったことがわかりました。

「組織の物品を許可なく持ち帰る」「職場で相手を傷つけることを言う」といった、悪さが少なかったのです。

なぜ、このような結果が出るかと言えば、この研究によると運動をしている人ほど、自分を律することができることを指摘しています。だから、不正な行動に走りにくいのです。

私たちは、運動することで、思考力、感情、行動の乱れを整えることができることがわかりました。

では、いつ運動するといいのでしょうか。

仕事のあとや、休日に運動することを考える方が多いのではないでしょうか。もちろん、それもよいのですが、仕事が始まる前や、仕事の合間に運動することも効果的です。

社会人74人に、運動量や心拍数を測るデバイスを腕に着けてもらい、運動量を調べた研究があります。

それによれば、最大心拍数の50〜70%程度の軽い運動をしたあとは、仕事中の自信が高まり、仕事に集中しやすくなることがわかりました。「運動が楽しい」と思える人であれば、最大心拍数の85〜100%程度の激しい運動をしても、仕事への集中力は高まるという結果も出ています。

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