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肥満度は「高め」の方が、癌も少なく長生きできる? 和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法

ニューズウィーク日本版 / 2025年1月4日 12時37分

TOKA74/SHUTTERSTOCK

ニューズウィーク日本版編集部
<日本のBMIの基準値は低すぎる? 読者から寄せられた食の疑問や悩みに、長年高齢者医療に携わる精神科医の和田秀樹医師に回答してもらった>

健康で若々しくいられるために、病気予防や運動以上に気になるのが日々の食生活。脳の老化を防ぐのに最適な食べ方は? 骨や筋肉を若く保つ食材って? 体重が、血糖値が気になる場合の食事法は? 

長年高齢者医療に携わる精神科医の和田秀樹医師に、読者から寄せられた質問に答えてもらった。

質問

タンパク質は肉と魚、それに大豆など植物性もバランスよく取っており、動物性脂肪分だけを取りすぎているわけでもないのに、20代の頃から脂肪肝とか高脂血症とか言われ続けています。炭水化物を取りすぎているのは自覚しています。食生活をどう改善すればいいですか。

また、現在のBMIが26.7で、標準値(18.5~24.9)と比べて肥満気味と言われますが、そもそもBMIの「標準値」が低すぎではないでしょうか。

──54歳男性(会社員、東京都)

和田秀樹医師の回答

仙台市の郊外で行った大規模調査の結果、40歳の人の平均余命はBMIが25から30の人がいちばん長いということが明らかになっていて、痩せ形の人より6年から7年も長生きできるのです。

日本循環器管理研究協議会の14年間にわたる追跡データでは、男女ともBMIが24.0から27.9の人がいちばん死亡率が低いという結果が出ています。それどころか世界中のほとんどのデータで、BMIが25を少し超えたくらいがいちばん死亡率が低いというデータが出ているのに、日本はメタボ健診を続けているおかしな国だと思います。

そして、私はふだん高齢者を診ているのですが、高齢になれば、やや太めの人が元気で長生きだというのは明らかに実感しています。脂肪肝については体質の問題はありますが、高脂血症については、コレステロールがやや高めの人が死亡率が低いことが多くのデータで明らかになっていますし、癌も少ないのです。

ランセットという世界で最も権威ある医学雑誌に出ていた論文で、18カ国13万人以上を調査したデータでは、脂肪摂取量が総カロリーに占める割合が高い人ほど総死亡率が低くなることも明らかになっています。

今の生活を続けられたほうが健康でいられると信じています。

──和田秀樹(精神科医)

和田秀樹
HIDEKI WADA
1960年大阪市生まれ。1985年東京大学医学部卒業。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米カール・メニンガー精神医学校国際フェロー、高齢者専門の総合病院である浴風会病院の精神科を経て、現在、和田秀樹こころと体のクリニック院長、川崎幸病院精神科顧問、一橋大学経済学部・東京科学大学(旧・東京医科歯科大学)非常勤講師、立命館大学生命科学部特任教授。主な著書に『80歳の壁』『「70歳の壁」を乗り越える老けない食べ方』などがある。


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