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2025年、ついにオアシス再結成......その真実を語ろう

ニューズウィーク日本版 / 2025年1月8日 17時0分

チケット争奪戦で詐欺も発生>

再結成のビッグニュースの後には、コンサートチケット争奪戦のビッグニュースも続いた。誰もかれもが、「Be Here Now(今、ここ)」ならぬBe There Then(その時、そこ)に行きたがっているかのようだ。

サイトで何時間も待機した挙げ句、順番が回ってきた瞬間に回線が切れた、などといったシステムの過重負荷でありがちなトラブルも起こった。

チケット価格が定価より数百ポンドもつり上がることを意味する「ダイナミック・プライシング」にも怒りの声が上がった。そして、必死な上にだまされやすい人々に詐欺師が架空チケットを売りつけるという、ありがちな詐欺事件も発生した。

もちろん大きな謎は、なぜオアシスがここまで人気があるのかということだ。彼らは最も独創的なバンドというわけではない(彼ら自身でさえ、『ステンディング・オン・ザ・ショルダー・オブ・ジャイアンツ』のアルバム名でそれを認めている。要は、自分の業績は巨人のごとき先人たちの業績の上に乗って成し得たことだという意味だ)。

リアムはフロントマンとしてはいいが、どちらかと言えば「シャウト的」なボーカリストだ。ローリング・ストーン誌が2023年に発表した「歴史上最も偉大な歌手200人」のリストに入っていないのも当然だ。

ちなみにビートルズからはポールとジョンの2人がランクインしていて、ジョージも含めれば、オアシス随一のボーカリストを上回る歌手が1つのバンドに3人もいたことになる。

オアシスにはいい感じの曲が数曲あるが、史上最高だと思うオアシスの曲を4曲以上挙げろと言われたらほとんどの人は苦労するだろう。僕は個人的には「ホワットエヴァー」が好きだが、他の曲は「クラシック」というより「盛り上げソング」っぽい感じだ。

オアシスはかなり運がいい。彼らは優れたブリティッシュバンドがたくさんいた時代に広く受け入れられ、いわゆるブリットポップ時代を「定義」する存在になった。

同時代のバンド(スウェードやブラー、パルプ)と比べて抜きん出ているわけでもなく、ましてや他の時代の偉大なアーティストたち(ローリング・ストーンズやクイーン)に勝ることなどない。

でも、オアシスは多くの人々の人生のサウンドトラックになった。後に結婚する相手と出会った時に「ワンダーウォール」が流れていたことや、21歳のバースデーパーティーで友人たちと「リヴ・フォーエヴァー」を歌ったことを、人々は思い出す。

だからオアシスの音楽は人々の心を動かし、人々はあの時を追体験したくなる。唯一無二というよりありふれた存在のオアシスは、新たなビートルズではなくエッジの効いたダイアー・ストレイツなのだ。

96年8月10日、2日間で25万人を動員した伝説の野外ライブ、ネブワース公演Day 1「ワンダーウォール(Wonderwall)」

94年「リヴ・フォーエヴァー(Live Forever)」──インディーズバンドだった俺たちを 「Live Forever」 が世界一のバンドに押し上げたんだ(ノエル)

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