「ChatGPTの瞬間」をロボティクスに...NVIDIAの新AIプラットフォーム「Cosmos」とは?
ニューズウィーク日本版 / 2025年1月8日 12時20分
トム・ハワース
<人工知能とロボティクスの未来を切り拓く新たなプラットフォームが登場した。NVIDIAが発表した「Cosmos」は、生成AIを活用し、ロボットや自動運転車のトレーニングと開発に革新をもたらす>
人工知能(AI)と高速計算技術のグローバルリーダーであるNVIDIAは、新しいAIプラットフォーム「Cosmos」を発表した。
ラスベガスで開催されたコンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)で発表されたこのプラットフォームは、生成AIを活用することで、ロボティクスや自動運転車(AV)の開発を革新することを目的としている。
Cosmosは、複雑な現実世界のシナリオでロボットやAVをトレーニングする際の課題に対処するために設計されている。このプラットフォームの中心となるのは「World Foundation Models(WFMs)」と呼ばれる先進的なニューラルネットワークで、精密な動画シミュレーションを生成できる能力を持つ。
これらのモデルは、2000万時間分の実世界のロボティクスや運転映像からなる前例のないデータセットでトレーニングされており、物理的に正確でリアルな仮想環境を開発者が作成できるようになっている。
NVIDIA Cosmosとは?
Cosmosは、合成データ生成をサポートしており、大規模な実世界のデータセットに依存せず、仮想空間でシステムをシミュレートおよびテストできる。
これは、ロボティクスやAVのような業界にとって画期的な変化をもたらす可能性がある。これらの分野では、例えば雪道のような条件や珍しい人型の動きなど、多様で高品質なデータを収集することがこれまで非常にコストと時間を要する課題だった。
「物理AIはビッグデータの問題を抱えている」と、NVIDIAのシニアリサーチマネージャーであるジム・ファン氏はX(旧Twitter)の投稿で述べている。「合成データがこの問題を解決します!私たちはCosmosをロボティクスや自動運転向けの大規模な合成データ生成に適用しており、今やあなたもこれを自由に活用して微調整できます。」
NVIDIAはCosmosをオープンソースソフトウェアとしてHugging Faceプラットフォームを通じて公開している。初期の採用者にはUber、Agility Robotics、Waabi、Wayveといった業界リーダーが名を連ねている。
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