【独占】マララさんが映画を通して全世界に伝えたかった、アフガン女性たちの闘い
ニューズウィーク日本版 / 2025年1月8日 15時30分
H・アラン・スコット(ライター、コメディアン) for WOMAN
<タリバンに抵抗する女性の姿を追った『ブレッド&ローズ』でプロデューサーを務めたノーベル賞受賞者マララ・ユサフザイに聞く>
アフガニスタンの女性は社会から締め出されている──この厳しい現実ゆえ、マララ・ユサフザイはドキュメンタリー映画『ブレッド&ローズ』(アップルTVプラスで配信中)のプロデューサーに名を連ねた。
アフガン女性のサフラ・マニが監督、女優ジェニファー・ローレンスが共同プロデューサーを務める本作は、イスラム主義勢力タリバンの暫定政権の抑圧に抵抗する3人のアフガン女性を秘密裏に追ったものだ。
■【動画】『ブレッド&ローズ』公式トレイラー を見る
14歳の時、タリバンによる暗殺未遂を生き延びて世界の注目を集め、2014年にノーベル平和賞を受賞したユサフザイにとって、これは尊厳と個人の自由という不可侵の権利に根差す問題だ。ユサフザイと、マニに本誌H・アラン・スコットが話を聞いた。
◇ ◇ ◇
──マララ、この映画がなぜ重要なのか?
(21年に)タリバンが政権を握って以来、アフガンの女性と少女の状況は悪化する一方だ。過去3年半、タリバンが全く変わらないのを私たちは見てきた。
彼らは一層抑圧的になり、あらゆる手段を使って女性が仕事、教育、政治、市民生活に参加するのを制限している。アフガンは少女が教育を受けることを禁じられ、女性が働くことを制限されている世界で唯一の国だ。
最近もタリバンは、女性が公の場で全身と顔を覆うことを義務化し、大声を出すのを禁じ、家から出ることを制限する法律を発表した。タリバンの唯一の目的は女性を抑圧し、家の中に閉じ込めることだ。
このドキュメンタリーはアフガン女性たちの現実だけでなく、彼女たちのタリバンに対する行動にも人々の目を向けさせる非常に重要なものだ。
ドキュメンタリー映画『ブレッド&ローズ』のシーンより APPLE TV+
──サフラ、こうした映画の制作はどれほど難しい?
映画制作は大好きだから、大変だと考えたことは一度もない。大変だったのはみんなの感情の部分だ。喪失、回復、希望というとても人間的な物語を扱ったから。
常に彼女たちと撮影チームの安全を最優先に考えなければならず、アフガンでの移動や撮影は何かと制限があった。世界有数の危険なテロ組織に対峙することも含め、全てが挑戦だった。
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