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トランプ時代に迎合、ファクトチェック廃止...ザッカーバーグのメタが示す「右傾化の兆候」

ニューズウィーク日本版 / 2025年1月9日 10時50分

マーク・ザッカーバーグ REUTERS/Manuel Orbegozo

カレダ・ラーマン
<メタ世界政策責任者は長年の共和党員。ファクトチェック廃止や表現規制撤廃を発表。イーロン・マスクに従い右傾化>

メタのマーク・ザッカーバーグCEOは1月7日、同社のポリシーの大きな変更を発表した。同社はこのところ相次いで、ドナルド・トランプ次期大統領に取り入る姿勢を示している。

Facebookに掲載した動画の中でザッカーバーグは、大統領選挙について「文化的転換点」のように感じていると説明。メタはファクトチェックのプログラムを廃止してイーロン・マスクのX(旧Twitter)のようなコミュニティが主導するモデルに置き換え、移民や性自認といった特定の話題については制限を撤廃すると発表した。

メタの最高国際問題責任者に最近任命されたジョエル・カプラン(共和党)は7日、「真の機会がここにある。表現の自由に尽力しているトランプ大統領の就任にあたり、我々はそうした価値観に立ち返り、人々が望む言論や討論の場を提供する」とFox & Friendsに語った。

かつてリベラル派の代表格だったザッカーバーグは、マスクの筋書きに従ってメタのプラットフォーム(FacebookとInstagramを含む)を右傾化させ、トランプ次期政権に取り入ろうとする姿勢を強めている。

2022年にXを買収したマスクは、保守派の声を増幅させるSNSの拡声器へとXを変貌させた。世界一の富豪であるマスクはまた、推定2億5000万ドルを投じてトランプ陣営を支え、現在は次期大統領に対して多大な影響力を振るっているらしい。

ザッカーバーグは発表の中で、政府と「レガシーメディア」が検閲の強化を推進していると批判した。これに先立ち8月には下院司法委員会に宛てた書簡で、コロナ禍でバイデン政権が同社に圧力をかけてコンテンツを検閲させたと訴えた。

ザッカーバーグは「イーロン・マスクの足跡をたどっている」と指摘するのは、テュレーン大学フリーマンビジネス校の教授で「The Venture Alchemists: How Big Tech Turned Profits Into Power(ベンチャーの錬金術師:ビッグテックはいかにして利益を権力に変えたか)」の著書があるロバート・ラルカ。「しかしザッカーバーグにとってトランプと支持者たちのご機嫌取りは、最近の経緯を前提とすると、それよりずっと難しい」と本誌に語った、

「イーロン・マスクの会社のポリシーに直接言及しながらそうした転換を発表することによって、さらには過去の検閲はバイデン政権に強要されたと主張してレガシーメディアを直接批判することによって、ザッカーバーグは今、新時代、すなわちトランプ時代に向けて、自分を作り直そうとしている」とラルカは言う。

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