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フランス、ドイツ、韓国、イギリス......世界の政治状況に比べれば、日本のほうがまし?

ニューズウィーク日本版 / 2025年1月17日 16時38分

EUの最大の柱といわれるフランスとドイツが政治的混乱に陥ったのは、国民の支持や議会の多数派を背景に、強い権力を持ったドナルド・トランプが再びアメリカ大統領になるタイミングだった。弱いEUは、彼からすると最高の状況だ。だからトランプは堂々ととんでもない発言をする。

トランプというリスクに加えて、イーロン・マスクの政治介入というリスクもある。世論を左右するSNS「X(旧ツイッター)」のオーナーで、スペースXやスターリンク、ニューラリンクといった最先端技術を提供する企業も所有するマスクは世界的な金持ちの1人だ。ただの経営者ではなく、世界最大の権力を持つ人とみるほうが正しい。

彼が影響力を持ちすぎるのは危険だと専門家はだいぶ前から警告していたが、それを理解しないマクロンはマスクを何度もパリに招待した。仲間になれば有利と思ったからだろう。ただ、マスクはトランプ次期政権の重要人物になると同時に、欧州の政治に介入し始めた。ようやくマクロンはその危険性に気付いようだが、遅すぎる。

日本の政治家は欧州の現状をしっかり分析すべきだろう。日本にもマスクの悪影響を受けるリスクは存在するからだ。

西村カリン
KARYN NISHIMURA
1970年フランス生まれ。パリ第8大学で学び、ラジオ局などを経て1997年に来日。AFP通信東京特派員となり、現在はフリージャーナリストとして活動。著書に『フランス人記者、日本の学校に驚く』など。Twitter:@karyn_nishi




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