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外国人観光客を地方へ!...の前に、地方にいま必要なこと【脱オーバーツーリズム】

ニューズウィーク日本版 / 2025年1月25日 8時10分

人材の重要性については、直島を訪れてより強く感じるようになった。直島には地元の元漁師が料理長を務めるREGALOというおいしいイタリア料理店があるのだが、そこには東京から移住した若者のほか、スリランカ人やフィリピン人もいた。また、泊まったホテルも従業員は多国籍だったが、素晴らしいホスピタリティーだった。

直島では30年ほど前に、現代アートによる地域再生の取り組みが始まった。事業が進展するにつれ島内外から注目されるようになり、移住者も増加。2018年度から2022年度までの5年間でその数は500人程度にまで膨らんだ。

REGALOで聞いた話によると客の9割は外国人だ。直島とてオーバーツーリズムと無縁なわけではない。それでも、「何の変哲もない」島に新たな魅力をつくり、人材を獲得することで、オーバーツーリズムにもうまく対応しているのだ。他の地域でも参考になるだろう。

都会にも豊かな自然を求める若者や夢を持った若者は多い。また人口減から日本政府も移民受け入れの方向に向かい始めている。

そうした若者や移民を都会のコンビニや工場ではなく、地方に向かわせることができれば、若者や外国人ならではの発想で、魅力ある「次の直島」を生み出し、観光客を分散させることができるのではないか。

あとはいかにして、人材となる若者や外国人を呼び込むか。政府や自治体の力量と本気度が試されるところだ。

周 来友
ZHOU LAIYOU
1963年中国浙江省生まれ。87年に来日し、日本で大学院を修了。通訳、翻訳、コーディネーターの派遣会社を経営する傍ら、ジャーナリスト、タレントとしても活動している。

【動画】外国人YouTuberによる「直島の見どころ紹介」

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