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ウクライナがロシア最大の製油所を攻撃...「施設が炎上」映像が拡散も、ロシア側は被害なしと主張

ニューズウィーク日本版 / 2025年1月18日 12時26分

タネコ製油所 Sergei Karpukhin-Reuters

エリー・クック
<空を赤く染めて建物から炎が噴き出しているように見える映像が拡散されているが、ロシア側は「通常のオペレーションによるもの」として火災の発生を否定>

ウクライナが、ロシア西部にある国内最大規模の製油所を攻撃した。ウクライナ当局者とロシアの情報筋が明らかにした。ロシア側は製油所での火災発生を否定しているが、現地からは攻撃を受けて赤々と炎上しているように見える施設の様子を捉えた動画が続々と投稿されており、攻撃の激しさを見て取ることができる。

■【動画】ロシア最大の製油所にドローン攻撃か...「施設から噴き出す炎」映像が拡散も、ロシアは「通常どおり」と主張

ウクライナ国家安全保障国防会議の傘下にある「偽情報対策センター」のアンドリー・コバレンコ所長は、ウクライナが1月11日、タタールスタン共和国(Tatarstan)ニジネカムスクにあるタネコ製油所(Taneco oil refinery)を攻撃したと述べた。

コバレンコによると、この施設は「(ロシア国内で)最大規模かつ最新の製油所」の1つで、生産能力は年間1600万トンを超える。ウクライナは2024年4月にも同製油所を攻撃し、主要な精製ユニットに損害を与えたと、コバレンコは指摘している。

ウクライナは、ロシア軍の戦力を支える燃料供給を断つため、ロシアの石油施設を執拗に標的にしてきた。

コバレンコはタネコ製油所について、「ロシア軍に燃料を供給する上で重要な役割を果たしている。製油所や石油備蓄所を破壊することは、ロシアが本格的な戦争を遂行する能力に直接影響を与える」と述べた。

ロシアは火災を否定「機器はすべて正常に動作」

クレムリン当局と関係のある報道を含むロシアの複数の情報筋は、1月11日にタネコ製油所の従業員が避難し、ニジネカムスク東方の空港でウクライナのドローン攻撃に対する警報が発令されたと伝えた。

ネット上で拡散されている映像について、本誌は独自に検証することができなかったが、現場で炎が上がっているように見える。また4月に撮影された映像には、ドローンと見られる機体が石油施設に接近している姿も映っている。

タタールスタンのロシア当局は、同製油所での火災発生を否定し、「空がオレンジ色に光っているのは、フレア設備の操作によるもので、技術的なプロセスに不可欠なものだ。すべての機器は正常に動作しており、夜間の安全を確保するための標準的な措置である」と説明した。

コバレンコによると、同施設はウクライナに広がる戦線から1000キロ以上離れている。

ドナルド・トランプ次期米大統領の就任を直前に控え、ロシアとウクライナは、戦争終結に向けた交渉で優位に立つため、互いに攻撃を続けるとみられる。


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