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従業員700人から訴えられた英国のマクドナルド...セクハラ・性的虐待が蔓延する「捕食者の楽園」の実態

ニューズウィーク日本版 / 2025年1月18日 20時34分

原因の一つと考えられるのは、9割近くの従業員が使用者の求めに応じ働いた時間分の賃金を受け取るゼロ時間(待機労働)契約を結んでいることだ。表向き最低保証時間への切り替えを選択できるが、何人かはゼロ時間契約の不安定さが力の格差につながっていると証言している。

狡猾な捕食者は脆弱さにつけ込んでくる

マクドナルドは英国最大の民間雇用者の一つで、1400店以上で16万8000人を雇っている。約1万7000人が時間保証契約を選択し、残りはゼロ時間契約のようなフレキシブルな雇用形態を選択している。従業員の大半は16~25歳。その多くはマクドナルドが初めての仕事だ。

マクロウ氏は「マクドナルドで働く人はフレキシブル契約か時間保証契約のどちらかを選ぶことができる。従業員の7割近くが25歳以下で、フレキシブル契約は若者に人気がある」と説明する。しかし狡猾な捕食者は若者たちの脆弱さに巧みにつけ込んでくる。

収入を増やすにはできるだけ多くシフトを入れてもらう必要があるため、マネジャーの権限は大きくなる。こうした若い従業員とマネジャーの力の格差が性的虐待とハラスメントの温床になる。権力と密室は現代社会でもいとも簡単に捕食者と搾取構造を作り出す。

米ハリウッドの大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタイン氏の性的暴行、「ジャニーズ王国」創設者、故ジャニー喜多川氏の児童性的虐待、タレントの中居正広さんと女性とのトラブルにフジテレビ社員が関与したと週刊文春が報じた問題も根っこは同じと言えるだろう。




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