マイクロプラスチックが「脳の血流」を長期間にわたり阻害する可能性...有害物質への警鐘【最新研究】
ニューズウィーク日本版 / 2025年2月1日 9時25分
特に、大きめのマイクロプラスチックが極めて細い血管である毛細血管で詰まり、脳内の血流を長時間にわたって阻害する可能性があることが判明。マイクロプラスチックが投与されてからわずか30分後には、マウスの脳の血流が阻害されることが確認された。
さらに、行動にも変化が見られた。マイクロプラスチックを投与されたマウスの記憶力、運動能力、速度、運動技能、そして持久力が低下することが観察された。これらの問題の多くは、実験の4週間後に改善が見られたが、一部の血管の詰まりは残ったままであった。
この研究結果は、ヒトの脳の健康に対するマイクロプラスチックの潜在的な影響について警鐘を鳴らす可能性がある。たとえば、脳卒中や認知機能の低下のリスクを高める可能性が考えられる。しかし、結論づけるにはさらなる研究が必要だという。
マウスの脳の血管の大きさや構造はヒトとは異なるため、同じ影響がヒトにも及ぶかどうかはまだ明らかではない。特に心臓や血管に疾患を持つ人々に対して、マイクロプラスチックの長期的な健康リスクを詳しく調査する必要があると提言している。
本研究は、1月22日に科学誌「Science Advances」に掲載された。
【参考文献】
Huang, H., Hou, J., Li, M., Wei, F., Liao, Y., Xi, B. (2025). Microplastics in the bloodstream can induce cerebral thrombosis by causing cell obstruction and lead to neurobehavioral abnormalities, Science Advances, 11(4).
-
- 1
- 2
この記事に関連するニュース
-
「生まれる」ことで脳が発達する~早産児脳障害の病態メカニズムが明らかに~
Digital PR Platform / 2025年1月23日 14時5分
-
「生まれる」ことで脳が発達する~早産児脳障害の病態メカニズムが明らかに~
@Press / 2025年1月23日 4時0分
-
有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
ニューズウィーク日本版 / 2025年1月21日 9時40分
-
【東京医科大学】肝線維化を制御する経口投与可能な核酸医薬品の開発 ~ 飲み薬で肝硬変を改善する方法を目指して 〜
Digital PR Platform / 2025年1月20日 14時5分
-
ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
ニューズウィーク日本版 / 2025年1月11日 9時30分
ランキング
-
1「スマートウォッチ」売れ筋ランキングトップ10&おすすめ3選 サムスンの新作に注目!
Fav-Log by ITmedia / 2025年2月1日 17時30分
-
2年金支給日は偶数月の15日。年金生活の注意点3つ
オールアバウト / 2025年2月1日 18時30分
-
3“授業料の無償化”で都立高校の志望者が激減…一方、在籍者過去最高の「通信制高校」は令和のスタンダードになりえるか?
集英社オンライン / 2025年2月1日 8時0分
-
4ウーバー「割高すぎる」と思う人に伝えたい"現実" 逆に心配になる?人気トップ5飲食店の価格設定
東洋経済オンライン / 2025年2月1日 8時50分
-
540歳から運動不足解消は何から始めたら良いの?
JIJICO / 2018年3月30日 7時30分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください