世界一豊かなはずなのに国民は絶望だらけ、コンゴ民主共和国に再び内戦の危機
ニューズウィーク日本版 / 2025年1月29日 20時19分
ロイター通信の映像には、デモ隊がフランス大使館に押し入り、建物を略奪する様子が映っている。フランスのジャン=ノエル・バロ外相は、この襲撃を非難し、攻撃によって火災が発生したと述べた。バロ外相はのちにX(旧ツイッター)で、施設の火災は収まったと言っている。
ウガンダ大使館とベルギー公館でも略奪と放火の被害に遭った。コンゴで活動する国連の人道支援機関の事務所も襲撃された。
リーズ・ベケット大学のアジャーラは、キンシャサとゴマの間の距離を考えれば、すぐ内乱にはつながることはないとしながらも、攻撃に懸念を示した。
M23の勢力伸長は、コンゴとルワンダの直接衝突につながる可能性がある。コンゴ内外に数百も存在するといわれる民兵組織が、貴重な鉱物資源をめぐってこの漁夫の利を得ようとする可能性も出てくる。
アジャーラは、本誌にこう語った。「この地域は非常に不安定で、何百もの反政府勢力が国境周辺で活動している。ルワンダは、自国の安全保障上の利益を守っていると主張しているが、根底にあるのはこの地域の金鉱床で、すべての国がここに関心を寄せている」
デモ参加者のティモテ・ツィシンビは、AP通信にこう語った。「我々は、国際社会の偽善を糾弾する。彼らはルワンダに、この暴挙を止めさせなければならない」
「大使館に対する攻撃は、コンゴ民主共和国のなかに根深い不満があることを示している。紛争に直接関与しているか、『加担している』勢力に対する不満、そして、ルワンダにM23への支援を止めさせるよう迫っていない西側諸国への不満だ」
ジャーナリストのトーマス・ファン・リングは、Xにこう投稿した。「首都キンシャサは、完全に無政府状態だ」
#DRCongo : the situation in the capital #Kinshasa is completely out of control.Anti-#M23 protesters have started attacking the French, American, Belgian and Ugandan embassies, accusing those countries of being complicit to the violence because of their close ties to #Rwanda pic.twitter.com/m64pPLF1O3— Thomas van Linge (@ThomasVLinge) January 28, 2025
米トランプ政権のマルコ・ルビオ国務長官は1月27日、M23によるゴマ襲撃を非難し、米国はコンゴの主権を尊重すると確認した。
国連安全保障理事会は、28日に緊急会合を開く予定だ。
(翻訳:ガリレオ)
【動画】コンゴはなぜ世界一豊かな国になっていないのか
【動画】恐怖の反政府勢力「M23」の狙いはなにか
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