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星条旗が、いつの間にか「デザイン変更されている」...拡散される「改変された旗」画像の真相

ニューズウィーク日本版 / 2025年2月9日 13時5分

一部の政府系サイトで見られるいわゆる「9つ星」の旗は、米国旗のデザインを公式に変更したものではない。そうではなく、連邦政府サイト全体で一貫性を保つために存在する米国政府のWebデザインシステムの一環として、Webバナーで使われている小アイコンだ。

9つの星の国旗デザインは数年前から使われている

9つの星が使われているのは、政治上や歴史上の意図ではなく、むしろデザイン上の制約に起因している。ネット上の憶測とは裏腹に、このアイコンは、ジョー・バイデン前大統領の時代も含めて、数年前から使われ続けている。

ノースカロライナ州シャーロットを拠点とするNBC系列のWCNC-TVによる最新の報道では、連邦政府サイトの米国旗が変更されたとする噂の虚偽が暴かれている。

ファクトチェックサイト「スノープス」が実施した、この問題に関するファクトチェックでは、トランプ政権下で国旗が変更された証拠は見つからなかった。インターネットアーカイブ「ウェイバック・マシン」がキャプチャーしていた履歴でも、バイデン時代を含む以前の政権の時代からこのデザインが存在していたことが裏づけられている。

連邦政府一般調達局(GSA)の広報担当者は、本誌に次のように説明した。「この旗は、公式の.govまたは.milドメインであることを明らかにするために用いられている。これらのサイトは安全なHTTPS接続であることを示し、来訪者の接続しているサイトが、米国政府の公式サイトだと保証するためのものだ」

バージニア工科大学のキグリーは、本誌にこう述べた。「政府のサイトにある小さなグラフィックは、スターズ・アンド・バーズのようには見えない。それよりも、赤と白のストライプが多い。また、星の配置についても、南部連合のスターズ・アンド・バーズ旗で通常見られる円形の配置ではなく、まっすぐの列で並んでいる」

「わたし個人としては、南部連合へのオマージュというよりは、単純なグラフィックデザイン上の判断である可能性が高いのではないかと思う。小さなグラフィックのなかに13本のストライプと50個の星を入れるのは難しすぎるため、この解決策になったのだと想像している」

ネット上では今も意見が分かれ、噂が拡散中

SNSでも、多くの人がキグリーと同じ考えを表明している。「小さなアイコンだから、50個の星を表示できるほどのピクセルがなかっただけでしょ。ストライプの数も少ない」「この手の基準を採用している政府のサイトはたくさんある。このほうが見栄えがいい、とウェブデザイナーが思ったからだ」といった具合だ。

しかし、ネット上では「デザイン的な制約」説に納得しない人も多いようだ。「この旗が意図的なのは間違いない。絵文字の旗ですら、これよりもはるかに多くの星がある。これほどわかりきったことについて、合理的な反論ができるとは思えない」

「わたしも今日、この話を聞いた。みんなが心配しすぎて疑心暗鬼になっているだけで、民主主義の破壊のようなことではないと願いたい」と心配する声もある。

SNSでは米国旗の変更をめぐる噂が依然として拡散されている状況だが、政府の記録と文書の履歴は、そうした主張を裏づけていない。事実としては、米国旗は今も1960年から使われている50個の星が描かれたデザインのままだ。
(翻訳:ガリレオ)




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