世界のパートナーはアメリカから中国に?...USAID凍結直後のカンボジアで何が起きたのか
ニューズウィーク日本版 / 2025年2月10日 16時31分
カンボジア政府は7日の声明で、地雷除去活動を支援するアメリカの資金は、USAIDから直接ではなく、米国務省の武器撤去・削減局から提供されたものだと述べた。
プノンペンポスト紙によると「地雷とクラスター爆弾の除去は、その他の爆発性戦争残存物の除去とともに、カンボジア政府とアメリカ以外の援助国からの財政支援によって継続される」という。
USAIDは何百億ドルもの対外人道援助を提供してきた。トランプ政権はUSAIDを国務省に統合する計画を進めており、数千人の職員が職を失うことになる。この変化は、イーロン・マスクが新たに設立した政府効率化省(DOGE)のもとで起きている。
サマンサ・パワー(Samantha Power)元USAID長官は「アメリカの地位と世界の安全保障を低下させ、中国が世界中で選ばれるパートナーになる道を開いたのは、中国自身の行動ではなかったことに後世の人々は驚嘆するだろう」と、ニューヨーク・タイムズ紙に寄稿した論説で述べた。
対して、トランプ大統領は2月2日、記者団に「USAIDは過激な狂人たちによって運営されている。連中を追い出すつもりだ。そのうえで決定を下す」と語った。
カンボジア王立アカデミーの政策アナリスト セウン・サム(Seun Sam)は、カンボジアのニュースサイト「キリポスト」の記事で「中国が支援しなければ、CMACはカンボジアで地雷除去を続けるための十分な資金を確保できない。だから中国からの支援は進行中の地雷除去の取り組みにとって特に重要だ」と述べている。
これからどうなる?
USAIDは改めてどのプロジェクトを支援するかを決定していくが、アメリカが援助資金を削減したところに中国が首を突っ込むチャンスを見出す可能性はある。とはいえ、それはアメリカの支援復活を妨げるものではない。
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