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ニコニコ生放送「『ヘイトスピーチ』を考えよう」(2015年8月3日放送)全文書き起こし(3)

ニコニコニュース / 2015年8月23日 15時0分

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 「ニコニコドキュメンタリー」の第1弾、第三者の視点から日韓問題を描いた「タイズ・ザット・バインド~ジャパン・アンド・コリア~」の3回目の解説番組、「『ヘイトスピーチ』を考えよう」が2015年8月3日(月)22時から、ニコニコ生放送で配信されました。

 本ニュースでは、同番組の内容を以下の通り全文書き起こして紹介します。

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※出演者=話者表記
・鵜飼哲氏(一橋大学大学院 教授)=鵜飼
・江川紹子氏(ジャーナリスト)=江川
・中沢けい氏(作家)=中沢
・角谷浩一氏(MC/ジャーナリスト)=角谷
・松嶋初音氏(コネクター)=松嶋
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松嶋:毎日新聞が去年の8月に行ったヘイトスピーチに関する世論調査がございます。その一部をご紹介させてください。こちらです。

【毎日新聞の世論調査】http://live.nicovideo.jp/watch/lv227566870?po=newsinfoseek&ref=news#1:15:04

「あなたは在日韓国人、朝鮮人をののしるヘイトスピーチをどう感じますか?」と。「不快だ」と答えた方が全体で67、パーセントってことですかね?きっと。人なのかな。

中沢:書いていないね。

角谷:なぞの数字。

松嶋:そうですね(笑)。67人に聞いたのかな、全体が67人ということ?パーセントですか?

角谷:これじゃわかんないな。

松嶋:大丈夫です。

中沢:全部を足すと、100になる?

松嶋:全部を足すと100になる?67、7、20を足して、100にならない。

中沢:ならないじゃん(笑)。

江川:わからないとか、答えないとかいう人もいるから。

中沢:94にしかならない。

角谷:じゃあ、パーセントだね。「不快だ」というのが全体の67で、男性67、女性67ってどういうこと?

江川:男性の回答者のうちの67%ってことでしょう?

角谷:この中のこれってことか。

江川:そうじゃなくて。全体の人たちの数字と、それから答えてくれた人のうち、男性の回答者のうち「不快だ」と答えたのが67%、それから女性の回答者で「不快だ」と感じたのが67%と、こういうことじゃないでしょうか。

角谷:なるほど。

松嶋:でも、100にならないですよね(笑)。

中沢:足して100にならない(笑)。

松嶋:一旦これは下げましょう。

江川:いや、アンケートで100にならないのは答えない人もいるからです。

松嶋:としたら、それを入れなきゃダメだったので、資料としては一旦。

中沢:圧倒的に皆さんは「不快だ」と思っていると。

松嶋:そうですね。文字としてはございますので、その文字を読ませていただこうと思います。毎日新聞が47都道府県と20政令市にアンケートを実施したところ、約9割が「恥ずべき行為」、「差別意識を助長させ許されない」などと問題視しました。また、毎日新聞が先月実施したこちらの世論調査で「ヘイトスピーチをどう感じますか?」と聞いたところ、7割近くが「不快だ」と回答したということなので、パーセンテージだっていう感じだと思います(笑)。

中沢:7割ですからね(笑)。

松嶋:はい。一応インターネット上ですとか、こういったニコニコ動画ではこういったコメントとかがあったりとか、ネット上ではあまりポジティブじゃない意見が多いですが、一般としてこのようにアンケートを採ると、一応9割の方が問題視をしていたりとか。

中沢:だけど、在特会も「ヘイトスピーチ賛成」とは言ってないんですよ。「お前らのほうがヘイトだ」と私たちに言っているんであって、「ヘイトスピーチ賛成」とは言っていないんだよね。私たちのほうが、「日本人を差別して、日本人に対するヘイトをしているんだ」って言っているんで、賛成とは言っていない。私、今まで一度も「ヘイトスピーチ大賛成です」と言った人、1人も聞いたことがない(笑)。

角谷:皆さんも「そうです」ってたくさんの方からいただいています。

中沢:「そうだ、そうだ」って言っているんでしょう。珍しいね。

松嶋:ちなみになんですけど、いわゆる在特会に対するカウンターというか、反対勢力みたいなのも今でき上がってきていたりすると思うんですが、そういった方たちっていうのはどういう人たちなんですか?先ほどは、いわゆるヘイトスピーチを行っている人たちっていうのは、どういう人たちなのかっていう話になりましたが、逆に言うとその反対側にいる、例えばそれを止めようと、抑止しようと行動している人たちっていうのはどういう人たちですか?

中沢:普通の一般の日本人、老若男女、多様です。

松嶋:同様なんですね(笑)。

中沢:同様だと思います。

松嶋:それは何の違いでそういった意見の分裂が起こってしまったんですか?

中沢:人生観です。

鵜飼:意見の分裂。

中沢:意見の分裂っていう考え方自体がおかしいの。比喩で言わせてもらいますけど、隣の空き地で誰か悪ガキが悪さをしているところをおばはんが「あんたたち、やめなさい」って怒鳴っているのと同じなんで。

松嶋:なるほど。

鵜飼:出てきた人たちは、あまりのことに初めて出てきたっていう人が大半だと思います。

松嶋:それを止めるために?

鵜飼:それを止めるために。

中沢:最初の段階で「こんなもの、どうして警察が取り締まらないんだ」って言われたんですよ。その意見はすごく強くて、いわゆる暴走族が暴走行為を繰り返していたら、警察は道交法を改正してでも取り締まったでしょう。同じような感覚っていうのは、一般の人は最初の段階で思ったんですよ。ところが、「取り締まる法律はありません。警察には取り締まる根拠がありません」と言われたら、じゃあ「やめてちょうだい」と言うしかないじゃないかっていうことに流れとしてはなっていったんですね。

 だから、よく新聞もメディアも「反対派、対立派」って書くけど、賛成、反対の問題じゃない。だって、敵だってヘイトスピーチには賛成じゃない、反対って言っているんだから。ただ、「お前らのほうがヘイトだ」って言っているんです。「いいですか、概念をちゃんと覚えましょうね」って言っても、もともと概念を覚える気がないので、「おやめなさい」って言うだけです。対立構造で報道されるのは、私は心外な気がしますよ。

松嶋:なるほど、わかりました。

中沢:「暴走族VS警察」って、たまにバラエティ番組なんかで書いていることがありますけどね。

江川:ただ、やめさせるときに、暴走族をやめさせるんだったら、その周辺で暴走していいのかって話にもなるわけじゃないですか。

中沢:だから、微妙な行動についていろいろご意見があるのは百も承知なんですが、やっぱりさっきメディアが「13年の4月から激化」って書いている新聞が多いということは、やっぱり対抗措置で抗議してくださった皆さんがいたから、その事態そのものを皆さんにわかっていただくことができたっていうとこがあると思うんです。それは何でもやっていいと言っているわけじゃないですよ。

 私、これはものすごい腹が立っているんだよね。悪い言葉を使うなって、最初みんなに言われたんです。相手を罵倒したから。「なんでそんな小学校の教室で覚えたような善悪の判断を、50過ぎのおばはんに言うんだ」って。小学校ですごくシンプルな善悪の判断を教えられて、人間のやることには裏も表もあるよって中学で覚えて、高校生になったら人のやることのかげりの部分はちょっとかっこいいんだぐらいで、大人になっていろんな判断を身につけていくのに、どうして小学校の教室で言うようなことを平気で、対抗してくださった皆さんも含めてですが、私自身も「作家が悪い言葉を使うんじゃありません」って散々言われて、「時と場合と場所によって言葉を使い分けるから作家をやっているんだ」ってだいぶやり合いましたもんね。

角谷:なるほど。

江川:ただ、やっぱりできるだけ多くの人の共感を呼ぶ。

中沢:共感はいらない。

江川:いらないの(笑)。

中沢:だって、最初は新大久保のイケメン通りで買い物をしているおばちゃんに「この売国奴」って怒鳴りつけるような行為を止めようとしただけで、そこに皆さんに共感してもらおうというふうなことをお考えになっていなかったから止めてもらえたんだと思いますよ。カウンターは啓蒙主義じゃなかったんです。

角谷:なるほど。

中沢:そこがもう本当に、つまり、根っこはつながっていると思う。私は作家じゃなくても、50過ぎのいいおばちゃんに「汚い言葉を使っちゃいけません」なんて説教をするやつは信用しない。「今まで紆余曲折いろいろあったんだろうね、このおばちゃん」と思ってくれなきゃ嫌だ。

中沢:だけど、そういうきれいごとを言うやつがいるから、こういうばかなことを言って楽しむやつが出てきちゃったんだと思っていますよ。本当のことを言うと。「ばか」でも、「どあほ」でも、「おたんちん」でも、何でもいいじゃない。だって、相手が言葉を言葉として使っていないんだもん。

 例えば、さっき約束事を破ってしまうようで恐縮ですが、ネットのニコ動のコメントを見ていたら腹が立つ。「これに反応したら番組が成り立たないからやめようね」って言っているのに。でも、やっぱり真面目に言葉を使って仕事をしてきていた人はこれに反応しますよ。敵はそれを喜ぶんだもん。

角谷:敵は。敵か、そうか(笑)。

松嶋:敵(笑)。

中沢:いろんな方がいろんなことを書き込んでくださっているから、敵味方入り乱れているだろうけど。でも、3歳児が「ばか」って言うように言っているのよ。

江川:でも、その3歳児に「ばか、ばか、ばか」って言うようなことっていうのもありなんですか?

中沢:ありです。

江川:そこはちょっと。

中沢:やっちゃいけない一線っていうのはありますよ、首を絞めちゃったとか。そういうのはまずいけど、やっぱり日本の社会が過剰に啓蒙主義的であることがこういう問題を生み出したんだと私は思う。

角谷:「まあまあまあ」みたいなことばかり言い過ぎたんじゃないかということですか?

中沢:いやいや、そうじゃなくて、50のおばちゃんをつかまえて「悪い言葉を使っちゃいけません」なんて説教するようなことが平気でできる社会が、こういうタブー破りを楽しむ人を生み出したの。

角谷:タブー破りを生み出したのは、おっしゃることはよくわかる。結局、それをやめさせるために。

中沢:あるところで目には目を、歯には歯を、同じ土俵に上がらなければやめさせられませんという決意をした人には、私はリスペクトをしています。

角谷:なるほど。

中沢:それを後ろから石を投げる人間は一番軽蔑しています。だって、楽だもん。自分が一番いい子になれるんだから。

角谷:やめておいたほうがいいです。またそれも「まあまあまあ」になっていって(笑)。

中沢:いや、「まあまあまあ」じゃなくて。

角谷:「中沢さん、そんな言葉を使っちゃダメですよ」と。

中沢:間に入ってきて「まあまあまあ」って言うんだったらいいけど、私の後ろから石を投げるんだもん。「いてっ」って言ったら、向こうを向いて石を投げ返すぐらいのことはしたくなりますよね。

角谷:だから、僕がきょうなるほどと思ったのは、啓蒙でもない、これは運動でもないと。それから、巻き込もうっていう話でも何でもないと。

中沢:ないない。「こんなことをされて、私たちの住んでいる社会に無用な亀裂をつくられたら不愉快で、私たちは自分がせっかくつくってきた住みよい社会を壊されるから嫌なんだ」ということを明瞭に言いたかった、それだけです。

松嶋:なるほど。

中沢:皆さんに「差別はやめてください」なんて啓蒙する気は、そういう考えの方もいるし、実を言うとそういうことでこつこつ運動して、長い間、もう30年も40年も運動して、丁寧にケアしてくださっている方もいらっしゃるんですね。ただ、この連中に対しては、そういう啓蒙的な感情じゃないんですよ。「私が住んでいる社会を破壊しないでくれ」っていう怒りなんですよ。

江川:そうすると、一部の人たちの闘いになっちゃうと思うんですよ。でも、そうじゃなくて、ヘイトスピーチを生んだ土壌はやっぱり社会のほうにあるんじゃないかとか、あるいはそういうような人たちとどう向き合うのかっていうのは、「向き合う必要はない」って言うかもしれないけど。

中沢:だから、それは別の人がいればいいの。

角谷:なるほど(笑)。

中沢:社会っていうのはいろんな人が協働しているわけだから、医者もいれば、看護婦もいると。看護婦が怒っちゃったらまずいから、看護婦の役割をやってくれる人、あるいは、先生のようにご研究をなさる人はしてもいいと。役割分担をしたわけじゃないけど、アダム・スミス流に言えば、自然に神の見えざる手が働いていたと思うんですけど、いかがでしょうか。

角谷:なるほど。では、いきましょう。

松嶋:では、ここでユーザーからのメールを読ませていただきたいと思います。ニコニコネーム、エバンさんからいただきました。「人種や民族を排他的に差別することは、いかなる理由があっても許されないのは確かです。そのような状況が我が国に存在することは、日本国民として恥じなければいけないとは思います。しかしながら、中国、韓国においてもいわゆる反日無罪という状況があることは周知の事実です。これは我々日本人が排外的に差別を受けていると感じていますが、日本政府は両国に対して是正を求めるなどの対応をしていないように思います」。

中沢:韓国でも、中国でも、反日無罪なんて言葉は使っていません。

松嶋:もう少しメールがありますので読ませていただきます。「国内のヘイトスピーチ法規制は当然必要と考えますが、日本人に対する排外差別を解消する取り組みも同時になされなければ国民は納得できないと思います」。

中沢:だから、日本人に対する排外差別って何なんだと。具体的に言って、具体的に関係する省庁に運動するなら、どうぞご自身でやってください。

江川:それも、私はやっぱりマスメディアの問題が大きいと思うんですよ。中国ですごいデモがあったときがありましたよね。あのときは本当にそこにいる人たちも恐怖心を感じるような、そういう状況だったし、いろんなものが破壊されました。でも、そういうときに、例えば向こうでいうTwitterにあたるウェイボーでしたっけ?あれなんかではもっと全然違ういろんな意見があったのに、大きなメディアっていうのは、それは字の羅列だから、画になるものでもないので。

中沢:しかも、中国。

江川:最後までしゃべらせて。

中沢:ごめんなさい。

江川:あまりそういうのが報じられないで、やっぱり画になる激しいとこばっかり行ったじゃないですか。そのときの刷り込みっていうのはものすごいと思うんですよね。だから、そういうようなことがやっぱり被害者意識を生むし、被害者意識が生まれるから差別を正当化しようっていう、そういう動きにもなりかねないということで。

中沢:中国で起こった反日デモのときには、日本政府は中国政府に抗議しています。きちっと抗議しています。そういう部分は見ないで理屈をつけるんです。でも、本当にそうお思いであったら、関係省庁にきちっとエビデンスつきで、条件をつけて言えばいいんです。

角谷:でも、中沢さん、これはやっぱりたぶんメディアの悪いところで、1回映っても何度も繰り返していると刷り込みで毎日攻撃を受けている気持ちになってくるんですよ。それはもちろん、そういうふうに感じるいろんな状況もある人もいるだろうし、それから情報が足りないから、それだけが出て見えてくる、自分の目に入ってしまうという人もいるでしょう。だから、僕は情報をできるだけたくさん出して、例えば今回だって、こういう話を聞くことはないでしょうと、こうやって中沢さんにたっぷり話していただくことはなかなかないということですよ。

中沢:すいません。きょうはちょっと暴走しすぎました。ごめんなさい。

角谷:中沢さんの仲間の人たちは中沢さんの話を聞いたことがあるかもしれないけど、中沢さんの話を初めて聞いた人も多いし、それからある意味ではびっくりした人も多いと思うのね。「そうか、中沢さんはこういう理由で闘っていたんだ」ってことを知った人も多いと思うんですよ(笑)。でも、そこにはいろいろ、運動だと思っている人もいれば、これは全体的に啓蒙すべきだと思っている人もいる。

中沢:いや、そういう要素もいて。

角谷:いるんだよね。

中沢:そういう仕事を丁寧にしてくださっている人がいるのはわかっていますよ。

角谷:それがきょう今初めて僕もわかりました。だから、なるほどというふうに思って、それを受け止めるってことを、やっぱり行こうよ。はい、どうぞ。

松嶋:わかりました。では、続いてのメールにまいりたいと思います。ニコニコネーム、ヤマシロヒナビトさんからいただきました。「憎悪表現は相手が即座に(言葉によってはもちろん、ときには暴力によってさえも)反撃できないような、いわば先制攻撃を仕かけることによって相手を黙らせる力を持つものである。私の読んだ本では、このようにヘイトスピーチの持つ働きについて説明がされていて、このようなヘイトスピーチが溢れると、自由に物事を議論できるという風潮も失われていくと思います。ヘイトスピーチを使う人たちが言論の自由があるからという言葉を盾にしているのを見ると、口惜しい気持ちになります」。

角谷:つまり、やっぱり言葉足らずのことと情報不足が誤解の連鎖を生んでいるっていうのは、もう間違いないと思うんですよ。ただ、僕はある意味では、巨大メディアが意図はしていないかもしれないけど刷り込んできたものを少しでも是正させる役割がネットは持てると思っているから、こういう番組を、「川上はなんでこんな番組をやるんだ」とか思っている人もいるんですよ。でも、僕は意味があると思ってやっているし、皆さんとこうやって時間をかけて、「なんでこんな話を2時間もやっていやがるんだ」って思っている人もいっぱいいるんだよ。だけど、僕は意味があると思ってやっている。

江川:それはすごくある。

角谷:いろんな多様性を知ってもらってから考えをまとめていかなきゃいけない。江川さん、どうぞ。

江川:人間っていうのは、大体見たいものしか見ないんですよ。だから、「こういうものは見ない」っていう人が多い中で、でも、ニコニコがやるとたくさん見ているわけですよね(笑)。だから、そういう意味ではすごく意味があると私は思います。だから、この中で何が知らなかったことがあって、やっぱり知る喜びってもう少しみんな味わったほうがいいと思うのね。思い込んだことばっかりに固執するよりも、自分が知らなかったことがいろいろ出るわけじゃないですか。「このおばさん、こんなことを言っているの」みたいなのも含めて。だから、そういうような知る喜びみたいなものをやっぱりもうちょっと味わってほしいし、もうちょっと柔軟になってほしいよね。

松嶋:ちなみにですが、2万2400名が今ご覧になっていて。

中沢:すごい。

松嶋:異例ですけれども、6万のコメントが来ています。なので、1人が3回以上書き込んでいるような。普段、来場者数を超えるっていうのは本当にアイドルライブぐらいなんですけど(笑)。ちょっときょうは皆さん。

鵜飼:すごいですね。

松嶋:すごい書いてくださって。

角谷:まさにネットの役割をやっぱりこういうところで生かしたいと思っているんですよ。だから、きょう例えばたくさんの皆さんに声をかけていただいて本当にありがたいと思うんですけど、「一方的だ」とかいうふうにたくさんご指摘もいただいた。そうじゃないんですよ。いつもの話はいつも皆さん知っているでしょう。皆さんの気持ちのいい話以外の話を聞いてみようっていうのはダメなのかってことですよ。僕だって初めて中沢さんの話を聞いて、ちょっとびっくりしたこともたくさんありました。

中沢:すいません、ちょっと暴走し過ぎました。お詫びします。

角谷:でも、これをやっぱり。考えてください。テレビ局だったら、「中沢さん、もうやめてください。もうCMです」と止められちゃったり、いつの間にか中沢さんの机がなくなっているかもしれないときもある。そんなことじゃないことをやろうっていうのが、やっぱりこの番組の覚悟と心意気なんだと思いますよ。だから、やっぱりどういう立場の人でも出てきてもらって、ここで声をかけてもらって、ユーザーの人たちもいろんな声を言ってください。それでつくられていく文化があるはずだと思っているんです。

中沢:いや、私、橋下市長と桜井誠氏の会談をフルバージョンで関西の地上波が流したんですが、あれは間違いなく既存のテレビがネットメディアに浸食された例だと思います(笑)。

角谷:ニコニコ動画ももちろんフルでやりましたけれども。

松嶋:じゃあ、ここでユーザーの皆さんにも聞いてみましょう。やっと動きました。アンケートのお時間です。では、ユーザーの皆さんにお聞きします。アンケート、出ますでしょうか。

角谷:きょうはこういうアンケートです。

松嶋:「ヘイトスピーチをなくすために今すぐやるべきことは何だと思いますか?」、1番「ヘイトスピーチ禁止法をつくり厳しく取り締まる」、2番「メディアがヘイトスピーチをもっと報道する」、3番「学校や職場で反ヘイトスピーチ教育を行う」、4番「特に今すぐにやるべきことはない」。

角谷:これで皆さんから今アンケートを採ります。結果がすぐ出てきますから。

中沢:でも、これはあれなんだよね、今やっているのは理念法なんで取り締まるわけじゃないんです。

角谷:そうですね。ただ。

松嶋:将来性を含めて。

中沢:将来的にどうしても取り締まらなきゃならない部分ってどこなのかってことを見極めていくっていう考え方だよね。

松嶋:結果が出ます。4番の「特に今すぐやるべきことはない」というのが69.9%で、その次に多いのが、2番の「メディアがヘイトスピーチをもっと報道する」が13.1%。続いてが「ヘイトスピーチ禁止法をつくり厳しく取り締まる」、「学校や職場で反ヘイトスピーチ教育を行う」という形になりました。大体7割ぐらいの方が。

中沢:「何もしなくていい」とおっしゃっているわけですね。

松嶋:そうですね。

鵜飼:67%というと、大体同じ。

中沢:大体同じっていうのが、おもしろいですね(笑)。

松嶋:という感じになりました。といったところで、そろそろお時間が来てしまいました。終わりに向かっていこうと思うんですけれども、中沢さん、本日はご出演いただいて、たくさんしゃべっていただきましたけどいかがでしたか?

中沢:すいません。ほとんど独演会でやってしましました。こんなことになると思っていなくて、お二人に申し訳ないと思います。

(一同笑)

松嶋:でも、またぜひともこういった機会がありましたら。

中沢:こういうことで出たくはないです(笑)。

松嶋:わかりました(笑)。

中沢:もっと皆さんと楽しく。韓国ってとってもエンターテインメントが優れている国で、日本のアーティストでも韓国で評価されている人たちがいっぱいいるんですよね。そっちで出たい(笑)。

角谷:わかりました(笑)。

松嶋:わかりました。ありがとうございました。鵜飼さん、いかがですか?

鵜飼:私は、きょうは本当に安田さんの代打で出て、ほとんど見逃し三振みたいな感じですけど(笑)。でも、今中沢さんのお話、それから江川さんのお話を伺う中で、やっぱりどういう圧力の中でこのヘイトスピーチに反対する運動がなされているのか、それからメディアにかかわっていらっしゃる方たちがどういうことをこの局面で注意深くなっていらっしゃるのかということは非常によくわかったし。

 私は、今のこの数字とはかけ離れるんですけど、やっぱり何らかの法律ができるっていうことは、近代の法とか処罰というのは基本教育ということですから、刑罰にしても教育刑ということなので、トータルで社会を変えていくための法律ということで、その理念がとりわけこのテーマでは重要になってくるんじゃないかなというふうには思っているので、メディアも含めていろいろなところでどう我々自身が自己教育とか総合教育ということも含めて変わっていけるのかってこと抜きには、人ごとで言うことはやっぱりできないテーマだろうと思います。

角谷:ありがとうございました。

松嶋:江川さん。

江川:これは文化の問題でもあると思うんですよね。さっきも言いましたけど、「弱い者いじめをするのは恥ずかしい」っていうのは、やっぱり日本の伝統文化の一部だった、少なくともそれを建前として日本の文化っていうのはつくられてきたと思うんですよね。特に保守を自認する人たちは、そういういい文化をもう一度見直してほしいなって思うんですよね。マイノリティをこうやっていじめるっていうことは、弱い者いじめですよ。そこのところをもう一度考えてほしいなというふうに思います。

角谷:ありがとうございました。

松嶋:ありがとうございました。さて、先ほど使用しました毎日新聞のアンケートですが、足して100にならなかったのは、無回答を省略しているため、このような形になったというふうな、ちょっと誤解をさせるようなややこしいものを出してしまいまして失礼いたしました。

 ということで、本日は「ヘイトスピーチについて考える」ということだったんですが、今後のラインナップもご紹介させてください。こちらです。8月4日、あした、火曜日の22時からは朴槿令氏にインタビューを行います。

 8月7日金曜日の22時からはドキュメンタリー「タイズ・ザット・バインド~エピソード2」が放送になります。こちらは本日話したヘイトスピーチについても取り扱っているものとなりますので、ぜひともご覧いただけたらと思います。

 そして、8月8日土曜日22時からは討論です。「世界から見た日韓問題」というのをやりたいと思います。本日は解説番組と称してやらせていただきました。8月8日は討論と称してやりますので、ぜひともご覧ください。

角谷:きょうはどうでしたか?

松嶋:きょうはコメントも見ながら、いろいろな意見があるっていうのはもちろん最初からわかっていたところではあったんですけれども、どちらに対しても、ヘイトスピーチをしていると思っているのかはわかんないですけれども、韓国とかに対していわゆるネガティブな発言をしている人たちの意見もちゃんとくみ取りつつ、それに反応しているというか、それを止めなきゃいけないっていう意見も聞きつつ、私自身も両方ちゃんと聞いていきたいなというふうに、思考停止しないように頑張りたいなというふうに思いながら見ることができて、とても勉強になりましたし。中沢さんからのお話は知らなかったこともとても多かったので、とてもありがたかったです。

中沢:すいません、大暴走をして。

(一同笑)

松嶋:いやいや、大丈夫です、ありがとうございました。

角谷:ただ、やっぱりそれを媒介にしているのがネットだっていうことがあるとするならば、ネットは自分たちで何もできないんじゃないってことをたくさんの人にぜひ知ってもらいたいと思うし、ネットの努力というのを絶えずしていくことの先頭にニコニコ動画は立っていこうというふうなことも改めて感じますね。きょうは皆さん、ありがとうございました。

松嶋:ありがとうございました。

中沢:ありがとうございました。

角谷:では、この辺で失礼します。

松嶋:失礼いたします。おやすみなさい。

(終了)

◇関連サイト
・[ニコニコニュース]「『ヘイトスピーチ』を考えよう」全文書き起こし(1)~(3)
http://search.nicovideo.jp/news/tag/20150803_「ヘイトスピーチ」を考えよう?sort=created_asc
・[ニコニコ生放送]「ヘイトスピーチ」を考えよう - 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv227566870?po=newsinfoseek&ref=news
・ニコニコドキュメンタリー - 公式サイト
http://documentary.nicovideo.jp/

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