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ニコニコ生放送「『従軍慰安婦問題』を考えよう」(2015年8月2日放送)全文書き起こし(4)

ニコニコニュース / 2015年8月23日 14時0分

ニコニコニュース

 「ニコニコドキュメンタリー」の第1弾、第三者の視点から日韓問題を描いた「タイズ・ザット・バインド~ジャパン・アンド・コリア~」の2回目の解説番組、「『従軍慰安婦問題』を考えよう」が2015年8月2日(日)22時から、ニコニコ生放送で配信されました。

 本ニュースでは、同番組の内容を以下の通り全文書き起こして紹介します。

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※出演者=話者表記
・朴裕河氏(韓国・世宗大学校日本文学科教授)=朴
・下村満子氏(ジャーナリスト)=下村
・青木理氏(ジャーナリスト)=青木
・角谷浩一氏(MC/ジャーナリスト)=角谷
・松嶋初音氏(コネクター)=松嶋
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松嶋:はい。では続いて、ニコニコネーム、ネゴさんからいただきました。日本はどのように謝罪をすれば韓国側は気が済むのでしょうか?具体的に教えてください。

松嶋:またちょっと戻ってという。

朴:私に質問なんでしょうか(笑)?

松嶋:そうだと思います(笑)。

朴:どのようにというか、それはある意味、韓国の人の誰に聞いても、みんな答えは違ってくると思うんです。それは韓国の中でも具体的にはありません。ないので、それについては答えられないのですけれども、私が最近言っているのは、この問題に対してのなんらかの解決方法を見出すために、対立する人たち同士で議論をすべきだと思うんです。議論をして接点をつくるべき。ただ、密室でやっても接点が出てこないと思うんです。なので、対立する人たちは何人かいるので、論点もそういくつもないんですね。強制連行かどうかとか、国家はどのくらい関係したのかとか、いくつもないので、その論点を絞って議論をして、それをメディアが伝えて国民みんなに考えてもらう。ということで、ちょっとだけ時間を掛ければ、ある程度の接点が出てくるんじゃないかなと思うんです。つまり、学説とか、みんなある程度の資料によって言っているので、全く同じ接点は出せないと思うけれども、でも政治的にこういうふうにちょっと違った考え方をするけれども、ここまではできるという歩み寄りは可能だと思うんです。やっぱりそれをする必要がある。どういう形がいいのかというのもそこで議論されると思っています。ただ、それとは別に、日韓問題はいろいろあるんですけれども、私は国会決議が必要だと思っているんです。なぜかと言うと、3つの理由があるんですけれども。まず慰安婦問題だけじゃなくて、植民地支配についてのことなんですけれども、慰安婦問題だけにしても、日本はこの問題で、アメリカとか、ヨーロッパとか、カナダとか、いろんな国から国会決議によるなんらかの勧告をもらっているんです。「謝罪したほうがいい」という議論なんです。それに対して日本政府は一度も正式に答えていないんです。なんらかの答えが必要だと思うんです。批判的答えでもいいと思うんです。ヨーロッパとかもこの問題と全く無関係ではないので、やはり必要だと思いますというのが一つと。あと、先ほど基金の話がたくさん出ましたが、民間基金だっていうことで批判されたので、国民の代表である国家議員がそれをもう1回形にするという意味で必要だと思っているんです。最後に、これを戦争問題だけに考えるんじゃなくて、帝国問題というふうに考えるべきだって、最初に申し上げましたけれども。そういう意味で、日本という国は70年間、反戦思想というのがもうかなり国民のほとんどの人たちに根付いたと思うんです。それはとても素晴らしいことだと思っているんです。ところが、帝国とは何かと言うと支配なんです。その支配を巡って、武力を使うのが戦争なんです。つまり逆に言えば、武力を使わなくても支配はできる。その支配が悪いことだっていう思想は、あまり考えていないと思うんです。国民のみんなにもそんなに根付いていないと思うんです。そういう意味で、反戦ではなく、反帝国、反支配という意味を込めて一度はやればいいのかなと思っています。

角谷:なるほど。ただ、今の日本人が帝国主義的価値観でいるっていう感じもちょっと感じられないと思いますけどね。

朴:そういう意味じゃなくて、それについてきちって考えてこなかった。反戦思想ほどには考えてこなかったということです。

角谷:つまり、日本はこの問題について考えることをやめたんだと思うんです。

朴:そうです。ある意味で。

下村:過去において植民地を持っていたわけだけど、そのことの自覚がないっていうのかな。

朴:あまりない。そうなんです。

角谷:そう。自分のところに戻ったという段階で、終わったというふうにたぶん日本人は思っているということですね。

下村:たぶん中国とか、韓国とか、台湾とか。

青木:そのメールですか。どういうふうに謝罪したらいいんだっていうのは、これは韓国の人に聞く話では実はなくて、日本人が考えなくちゃいけない話なんです。僕は今でも覚えているんですけれども、1998年に金大中大統領が日本にやって来て、小渕恵三首相との間で日韓パートナーシップ宣言というのを高らかに宣言したんです。非常に格調の高い宣言で、これをもって日本は深く謝罪して反省したと。それを受けて、金大中大統領は「もう韓国は過去の問題を持ち出さず、未来志向で行くんだ」。これがきっかけとなって、例えば韓流ブームが日本で起きたりとか、それから一番象徴的だったのは日韓のワールドカップ共催があったりとか。あの時期、僕は韓国で特派員をしていたんだけれども、まさに日韓関係っていうのは過去最高だって言われるような時代が一時あったわけですよね。ところが、韓国側にももちろん問題はあるんだけれども、日本側はどうだったかと言えば、先ほどの帝国支配の話もそうだけど、植民地支配について、例えば「創氏改名は韓国人が望んだからやったんだ」とか、あるいは「慰安婦なんてどこの国でもあった」とか、あるいは「侵略の定義が定まっていない」っていうようなことを為政者が言って、98年のパートナーシップ宣言に至る、例えばいろいろな積み重ねですよね。河野談話もその一つだったし、もちろん村山談話もそうなんだけど、それをどうも否定しているんじゃないかっていうことになっちゃうと、それはこの植民地支配に関しては加害者と被害者は明確ですから、被害者である側にしてみれば「なんなんだ」と、「謝ってないんだろう」っていうふうになる。つまり、どういうふうに謝罪をすればいいんですかっていうふうに問いかけるのではなく、やっぱりそれは僕らが、常に日本人の側が「どうすればいいんだろうか」と、過去にやったことをどう捉えるんだっていうのを常に考え続けないと。考えないから、最近「歴史修正主義だ」と言われるわけだし。僕は事実、今の政権は歴史修正主義的だと思います。

角谷:政治の問題はさることながら、まさにそういう経緯があるのはその通りだと思いますけれども、それに対してメディアはどうですか?

青木:メディアというのは?

角谷:例えば、日本のメディアはこれをどう扱っていて、それを歴史修正主義だと思っても、それを認めたくないメディアもいるし。つまり、明確にすべきところも曖昧にしたり、少しオブラートに包むようなところも日本のメディアにありませんか?

下村:青木さんも書いていらっしゃるように、メディアも最近非常に、私の目から見ると、元いた古巣も含め非常に情けない状態にあって。やはり日本人って空気っていうのに弱くて、やはり自己規制というか、「違法ではないんだけど、この線だったらちょっと8割ぐらいにしておくほうが安全だ」みたいにしてどんどん引いていってしまう。それが日本の一種の一色になってしまう怖さっていうのを私はすごく感じて。メディアこそが一番、ある意味では今ちょっと残念な状態にあると思うんですけど。

角谷:「あと何回謝ればいいのか」とか、それから「なんて謝ればいいのか」みたいな声があるというのが記事に入るのはいいけど、それが見出しに取られたりするようなことになってくると、これはもう、ある一つメディアにとっては意図的なつくり方になるかなというふうに思うと、いろんな声があることを書くのはいいけれども、それが見出しになってくると、一つの方向が見えてくるとなると、メディアが少し誘導的なところはないのかなという感じはしますけど。それは僕が青木さんに聞くのもどうかと思うが、やっぱりそんなふうに僕は感じるときがありますけど。

青木:いや、ただ、きょう議論に出ていた元慰安婦の女性に対して謝る、謝らないという問題っていうのは、まだ一部アジア女性基金の償い金を受け取ってない方もいらっしゃる。ということは当然、首相の手紙だって受け取っていないわけだから。個人に対してどう謝るのかっていう話は別として、国家間で過去の植民地支配についてとか、あるいは過去の行いについてっていうのは明確に謝罪はしていて、それについて日本と韓国の間で、外交当局者はもちろん、政治家はもちろん、メディア、少なくとも朝鮮半島に少しでもかかわったことのあるメディアの記者たちは、日本側も韓国側も、「植民地支配のことで謝ってないからもう1回謝れ」みたいな言い方っていうのは恐らくないと思います。だから、それとやっぱり個人、慰安婦の人たちに対してどういう対処をするのかっていうことと、国家レベルで、国家レベルっていうのは、だってもう証拠を示せばいいわけでしょう。例えば98年のパートナーシップ宣言というのは、もう両国間に厳としてあるわけで。あるいは、日本側が出した村山談話にしても、河野談話にしたって、それはもう厳としてあるわけで。これが今年70年談話で否定しちゃったりすると、また振り出しに戻っちゃうんだけど。

下村:ただ、私の目から見ると残念なのは、厳然たる、村山談話にしろ、河野談話にしろ、私はそれなりに立派というか、日本人の多くの人が納得するというか、韓国から見ても十分じゃないかもしれないけど一応受け入れられるものだと思うんですが。問題は、総理大臣がそう言っても、その口の乾かないうちから同じ政権の閣僚がそれを否定するようなことを平気でポロポロ言ったりして、それがまた見出しでバーンと大きく出たりすると、本当にこれは何度謝れって言われても、何度同じことを繰り返すのっていうふうに。

角谷:謝ったことにならないんじゃないかと言って取り上げられるか?ということですよね。

下村:そうなんですよ。それが私は日本人としても、それから外からと見るとなおさら、こう言っているけど、また閣僚がと。それでそれに対して、その閣僚が何も言われないという話になってくると、外から見ると一体本気で謝っているのか、本音はこっちに。

角谷:よく言われるのは、辞任した人たちがその後偉くなって帰ってくるようになっているから、これは反省して辞任したわけでもなんでもなくて。

下村:そうそう。今の現政権はますますちょっとそういうところが(笑)。

朴:昔は結構そういうことを言って辞めさせられた人もいましたよね。

下村:最初のころね。このごろほとんどそうじゃないでしょ。

朴:それが今はそうじゃなくなっているというのと、あともう一つは、何度謝れば済むんだという不満があるのを知っているんですが、韓国には基本的にあまり伝わっていません。それをぜひ知っていただきたいです。つまり知っていながら繰り返し要求しているのではなく、知らないんだと。

角谷:何度謝ればいいのかっていうことも、聞こえるように言うべきだってこと。なるほど。

朴:伝えられてないんです。これはもちろん韓国のメディアや学者の間違いや責任だと思っているんですけれども。結果として「日本はこの問題に関して、謝罪も補償もしていない」というふうに思っている人たちが90%近いんです。まずそういう問題なんです。じゃあ、どうしてそうなのかを考えたり、日本がやったことを伝えたり、これがすべてじゃないかもしれないけれども、ある程度知れば変わるんです。それは私が体験しているから分かるんです。

角谷:朴さん、そうしたら、今まで官僚が日韓で会う、または閣僚同士が会う、議員同士が会う、こういうのは何度もやってきました。いろんな形でやってきました。まさに金大中さんと小渕さんのパートナーシップ宣言以降もいろいろやりました。今はちょっと冷え込んでいるから、なかなかそういう会合はない。でも一方で、例えばメディア同士とか、民間人同士とか、そんなことは今でも交流はたくさんあるんだから、逆にそういう人たちを軸にして、そういう会合をつくるっていうことはできそうですか?

朴:私もそのように思う。

下村:私は、それに大賛成。

朴:おっしゃる通りだと思って、これまではやはりそういう交流があっても、国家や政府がやることを乗り越えられなかったと思うんです。今でも確かにおっしゃる通りたくさんの交流があって、もう幼稚園児まで交流があるんですけれども、結果としてこうなっているっていうのは、そういう交流が生かせなかったというふうに考えるべきだと思って。

角谷:そうですね。

朴:今年で日韓協定50年というふうになっているんですけれども、50年というのは本当に大変な歳月で、もうその交流の層や培った信頼の層も本当はかなり厚いはずなんです。でも、声を出せない。韓国だけじゃないんです。日本もそうだと思うんです。それがどうしてなのかとか、どうすればいいのかとか、どうしても国家や政府の言いなりになるというか、これはもうメディアの関係もあるんですけれども、そうじゃない交流が必要だと思います。中央中心になってしまっていることがどうしてもあるんですけれども、地方レベルで声を出したり、いろんな場面とか空間でそういったことをやっていくべきだと思います。

下村:すごく乱暴な言い方かもしれないけど、これは皆さんから笑われるのを承知で、破れかぶれみたいにいつも言っているんですが。もう過去の我々みたいなのではなく、これから生きる若い世代の人たちの白紙の、手垢の付いていない両国の方たちが、やっぱり時計の針を70年も戻すことはどんなに頑張ってもできないので、その歴史を無視するっていうことではないけれども、やはり、これから素晴らしい日韓関係をつくろうよというところからスタートする、両国のそういう若い人たちが白紙でいい関係のスタートをつくってもらいたいなというのが、今の私(笑)。

角谷:僕が心配なのは、若い人同士が大人の代理戦争を同じようにやるようでは、つまり大人から刷り込まれた両方の情報で、また若い人たちが代理戦争をやるんじゃ意味がない。

朴:そうなんですよね。

下村:そうならないように。

角谷:僕はアジアの高校生が日本で3週間集まる会合に出たことがあるんですけど。マレーシア、ブルネイ、シンガポール、インドネシア、みんな13カ国ぐらい参加する、中国も韓国も日本も参加する。ところが、そこでやっぱりイニシアチブを取るのは、日、中、韓以外の国々なんです。どうしてかって言うと、まず、英語が上手にあまりできないようなこの3カ国になったりして、他はすごいワイワイやるんだけれども、「んー」となっている3人たちが徐々にその中の人たちに声を掛けられて入っていく。だから、もしかしたら日韓だけでやらないで、少しいろんな国も一緒に行って。

下村:のほうがいいかもしれませんね。

角谷:「お前ら、まだそんなことをやってるの?」と、もしかしたら彼らに言われるかもしれないですし。そんなところをやっぱりつくっていく、チャンネルが必要ですね。

朴:そうですね。いろんなチャンネルをつくる必要がありますし、やはり知らないと誤解しやすいんです。反日の人でも嫌韓の人でも知らない人たちがほとんどだと思う。

角谷:そうです(笑)。

朴:もちろん知っていてそうなる人もいるんですけれども、やはりほとんどの人は知らないままに嫌うということがあって、これはとても不幸なことだと思うんです。絶対に好きになったほうが幸せなので。

角谷:それはそうだね。

朴:それは友達をたくさんつくったほうがお互いいいと思いますし。例えば「国同士が戦争するしかない」とかって言っている人もいるんですけれども、戦争になったら若い人たちが連れて行かれるじゃないですか。ですから、本当に若い人が中心になってそうならないようにするべきと思います.

松嶋:今スタジオでは解決に向けてちょっと進んでいるんですけど、ユーザーの皆様にもまたアンケートを採ってみたいと思います。では、アンケートです。「慰安婦問題はいつごろ解決すると思いますか?」ということで、一応いろいろあります。

角谷:6択なんですかね。

松嶋:はい。1番が「戦後80年」、2番が「戦後90年」、3番が「戦後100年」、4番が「10年以内に解決」、5番「解決しない」、6番「わからない」。

下村:10年以内っていうことは、80年ですね。

角谷:80年ってことで、4番と1番は同じですね。

松嶋:「以内」なんで。

角谷:もっと早く、手前になるんだ。手前になるということか。来年とか再来年とか、そういうことか。

松嶋:来年とか、3年後とか、そういう。

角谷:なるほど。どうでしょうか。でも大勢若い人たちが。

松嶋:結果が出ました。5番、ちょっと残念ですけど。

角谷:解決しないが87.6で圧倒的ですけど、ということはもう付き合わなくていいという判断なの?

下村:もう諦めた。諦めている。

角谷:諦めた。

松嶋:諦めた(笑)。

朴:これは、しないほうがいいっていうことなんですかね?しないっていうような。

松嶋:たぶんどっちもどっちだと思うんですけど。韓国には韓国で日本側のちょっとネガティブなことがちょっと伝わり過ぎていて、日本にも日本で韓国のネガティブな部分だけが伝わり過ぎちゃっているのかなという感じも。

朴:そうね。不幸な結果ですね。

下村:本当。

松嶋:だからたぶん、お互いにちょっと出来事に対する考え方の乖離みたいなのがすごくあって、それをどう歩み寄っていけばいいのかというか。

朴:やっぱり時間を掛けてやるほかないですね。

角谷:そういうことになってしまうのかなと思いますけど。

松嶋:残念です(笑)。

島谷:やっぱり慰安婦問題っていうのは、さっきも皆さんもおっしゃったように、政治問題の慰安婦問題と、それからそれ以外の本当に当時者の問題、それからある意味では女性の問題とか、これは戦争だとか、日韓ではなくて、やっぱりこういう環境の中で必ず嫌な思いをする女の人たちがいるっていうのは。「戦争だからしょうがないんだ」、「戦争につきものだ」みたいなことを、また言う方も今でもいますからね。

下村:言う方がいましたね。どこかの市長さん(笑)。

角谷:そういうことで「だからいいんだ」とか、必要悪みたいなことよりも、そういうことにならないための努力、その前にこれを1回解決するためにはどうするかっていう努力が70年間上手にできなかったと。一生懸命いろいろ努力した時期はあるけれども上手にできなかった。それを70年たって、80年までにならないまでになんとかしなきゃいけない。それは今でも「なかった」とか、それから「証拠を出せ」とか、もうそんなやり取りをしていることよりも、そこがやっぱり知識の足らなさで、まだまだ僕らはいろんなことを伝えていかなきゃいけないし、こういうドキュメンタリーや、この後の討論でいろいろなことを。きょうも僕は初めて知ることもたくさんありました。こういうことがやっぱり必要なんだなということは思いました。初音ちゃん、どうですか?

松嶋:いや、ちょっと本当に、きょうすごく私は勉強になって、いいお話もすごくたくさん聞けたので、ちょっと本当に最後のアンケートがとても残念というか。

角谷:これを今こうやって見ても、「証拠がなくていいのか」とか、「証拠が大事だろう」とか。証拠が大事っていうのはなんの意味があるかって言うと、僕は、先ほど青木さんもおっしゃった韓国は儒教の国で、それからやっぱりそういうことを外に発表することにどのくらい皆さん勇気がいったかとか、そういうことに思いをいたせば、女の人がどんな思いでこれを発言したかっていうことは、やっぱりないのかと。そうすると、今度皆さん感情論だって言うわけ。

松嶋:そうですね。

角谷:だけど、人が生きていくうちに自分の人生で嫌なことや、若いうちの人生のやっぱり夢や、いろんな希望が戦争で絶たれた中の一つにそういうことがあったことを、「それはお前、金だろう」とか、僕はどうしてそんなことが言えるのかと。それは感情ではなくて、歴史の負の遺産をどうやって解決するかっていう努力をする気がないかどうかの問題であって感情ではないと僕は思うんです。だから、もし知識がなかったり情報が足りなかったら、いろいろなことをもっともっと勉強すればいいと思うし、それを「証拠を出せ」とか。じゃあ、証拠がないと事件はなかったのかと。

下村:だから、売春婦だったっていうふうにもう一斉に言っている人たちが『朝まで生テレビ!』のときにこちら側に座っていて、こちら側には韓国の方がいらしたんですが。私はここにいて。もう断定するわけです。「みんな売春婦だ」とか、「金で」と。私は試しに「この中で慰安婦の方たちに1人でも会ったことのある方は手を挙げてください」って言ったら1人もいなかったのね。「どうして会ったことがないのに、さっきのように断定的にそんなことを言えるんですか?」と。「証拠を出せ、出せと言っている人たちが、まるで断定的にみんな売春婦だったって、どうしてそんなことが言えるんですか?」って言ったらちょっと黙ってしまいましたけど。「証拠を出せ」って言っているような人たちが「あれはみんな売春婦だった」って言っている人たちが多いんです。だから証拠っていうのは、自分たちも「こうだった」って言ったときに、その裏をきちんと取材して取って、「こうだった」っていうことを言っているならいいけど。

角谷:全く幼稚な書き込みで、もう不愉快だな。

(一同笑)

松嶋:いや、もうこれはちょっと時間も足りないかなというところではありますけれども、いったんもうここで本日は終わりにしましょう。

角谷:はい。

松嶋:といったとこで時間が来てしまいましたけれども。本日、下村さんはいかがでしたか?こういったニコニコ動画という、こういう形ですが。

下村:いえいえ、別に。こういう字は、私は目が悪いもので読めないので、全然、精神衛生上。

(一同笑)

松嶋:ハッピーだと思います(笑)。

角谷:それは精神的に良かったと思います(笑)。

下村:良かったです。

松嶋:衛生上すごくいいと思います。

朴:私はおもしろいですね(笑)。いろんな意味でおもしろいし、前にヘイトスピーチのときに日本語でTwitterをやったことがあって、こういう方たちとちょっと議論したことがあるので、ちょっとそのときのことを思い出しました。

下村:眼鏡をかけて見よう。

朴:きょうちょっと言うべきことをあまり言えなかったと思うんですけれども、それはちょっと残念なんですが。でもやはりこういう番組でこういう議論ができたのは良かったと思っていますし、少しでも、ちょっとどこかで伝わることがあったならば、というふうに思います。自分の本の宣伝であれなんですけれども、やっぱり文章のほうがいろんな意味で分かりやすいと思うので。

角谷:もう1回出して。

朴:良ければ本をお読みください。そうしたら、ある程度かえって変わっていただくと思いますよ。

下村:とてもいい本ですよ(笑)。読みましたから。

松嶋:ぜひぜひ。

角谷:はい、青木さん。

青木:知るっていうのは大切だっていうお話は、その通り。それで言うと、僕はちょっとアンビバレントな気分になるんですよね。要するに、日韓って今500万人が年間往来しているわけで。恐らくここに書き込んでいる人たちも含めてだろうけど、書き込まない人たちで韓国に行っている人、あるいは日本に来ている人はたくさんいるんですよね。だから、そういう意味で言うと、決して希望がないわけじゃないし。ただ一方で、政治の状況とかを見ると、実は金大中大統領までは日本のことをよく分かっていたんですよ。あの人は植民地時代に育っていますから日本語もできたし。以降の韓国の政治家っていうのはそういう世代じゃなくなってきた。日本側もそうですよね。日本側もそういう世代がいなくなって、はっきり言えば、知らない人たちが非常に薄い、建前のところで政治をするようになったっていうことが、一つの今の日韓のこういう葛藤の原因になっちゃっているっていう意味で言うと、政治レベル、メディアレベルも含めてだけど、なかなか希望はないのかなと思いつつ。ただ、僕はやっぱり、ニコ生を見ている人だからなってちょっと冷めているんだけど、80%の人が「解決しない」っていうのはどういう意味なのか。だって、解決をしないなんていう問題を抱えて、どんな生き方だろうが、僕はできないと思うんですよ(笑)。

(一同笑)

青木:諦めて生きていくのかっていうことになるわけで。だから5年後だろうが、10年後だろうが、20年後だろうが、それは乗り越えていかなくちゃいけない。だって、隣なんですから。それは好きだろうが、嫌いだろうが、隣に引っ越しできないわけで。だから、それはなんとしても乗り越えなくちゃいけない問題であることは間違いないですよね。だから「解決しない」なんていうことを8割も選ぶ人たちがいるようなところは、僕は嫌だなと思いますよね。

角谷:はい。

松嶋:ということで。きょうはいろいろと皆さんいろんな意見もコメントもありますが、一応私たちにはちゃんと見えておりますし、読んではおります。読み上げないのには、それなりの理由があるということもご理解いただけたら幸いだなと思います。ということで、明日も解説番組がございます。明日は「ヘイトスピーチ問題を考えよう」をお送りいたします。それ以降のスケジュールもこちらに出ております。8月4日火曜日22時からは朴槿令氏にインタビューです。8月7日金曜日はドキュメンタリー、「タイズ・ザット・バインド エピソード2」が放送になります。そして8月8日土曜日22時からはまた討論を行いたいと思います。「世界から見た日韓問題、第2弾」ということでやらせていただきたいと思います。ということで、下村さん、朴さん、青木さん、本日はありがとうございました。

青木:ありがとうございました。

下村:どうも。

朴:ありがとうございました。

下村:失礼しました。

松嶋:それでは、また明日の夜10時にお会いしましょう。

角谷:この辺で失礼します。

松嶋:おやすみなさい。

(終了)

◇関連サイト
・[ニコニコニュース]「『従軍慰安婦問題』を考えよう」全文書き起こし(1)~(4)
http://search.nicovideo.jp/news/tag/20150802_「従軍慰安婦問題」を考えよう?sort=created_asc
・[ニコニコ生放送]「従軍慰安婦問題」を考えよう - 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv227566268?po=newsinfoseek&ref=news
・ニコニコドキュメンタリー - 公式サイト
http://documentary.nicovideo.jp/

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