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ニコニコ生放送「町山智浩×モーリー・ロバートソン『アメリカってヤバすぎ?超大国の裏側がわかるドキュメンタリー3選』」(2015年9月18日放送)全文書き起こし(5)

ニコニコニュース / 2015年10月18日 12時0分

ニコニコニュース

  9月の「ニコニコドキュメンタリー」は、アメリカ在住の映画評論家・町山智浩氏が選んだ、超大国アメリカの裏側がわかる過激なドキュメンタリー作品を特集。その生放送に先駆けて「町山智浩×モーリー・ロバートソン『アメリカってヤバすぎ?超大国の裏側がわかるドキュメンタリー3選』」が2015年9月18日(土)16時から、ニコニコ生放送で配信されました。

 本ニュースでは、番組の内容を、以下の通り全文書き起こして紹介します。

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※出演者=話者表記
モーリー・ロバートソン (ミュージシャン/ジャーナリスト)=モーリー
町山智浩 (映画評論家)=町山
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町山:ロッキードの飛行機をつくっている、爆撃機とか、それはありますよね。だから、コロラドはもともとアメリカの戦略空軍とかと関係しているんで、ノーラッドがありますからね。

モーリー:ノーラッド。アメリカのミサイル網みたいな。

町山:そうです、戦略空軍の基地がありますから、そういうのが伝統的にあるんですけども。

モーリー:だけど、それ以外の目立った産業は。

町山:ないですね。牛ぐらいですね。

モーリー:牛(笑)。

町山:マクドナルドに出ている安い牛は、コロラドでつくっているんですよ。

モーリー:じゃあ、牛がフンをして、そのフンを集めて堆肥をつくって、そこにマリファナが入るとすごくエコシステムとしてよい。

町山:それはできないと思います(笑)。

モーリー:できない(笑)。そうか。

町山:そう(笑)。でも、牛ぐらいですよね、今。

モーリー:コロラドが一番、大麻の解禁では早めに前に進んで。

町山:一番早かったです。

モーリー:カリフォルニアでは医療大麻とか、大きな州なんですよね。世界で何番目かの国に匹敵する経済規模を持っているので、まず解禁するんだったらカリフォルニアだろうと思われていたのが、なぜかコロラドのほうが先にいっちゃって。

町山:2008年に州民投票をカリフォルニアでやったんですけれども、州民投票ではマリファナ解禁にいかなかったんですよ、カリフォルニアはね。コロラドのほうがいっちゃって、今オレゴンも解禁、シアトルのあるワシントン州も解禁で、あと、ものすごい右翼州であるアラスカまで解禁になりましたね。

モーリー:アラスカって、たしかみんな銃を持っているとか、そういう感じですよね。

町山:そうです。ものすごく右翼的な州なんですが、マリファナ解禁になりました(笑)。

モーリー:これがポイント。これがもしかしたら日本で大麻の法律に関する規制緩和なりを議論するときに見落としがちなのが、僕が知っている限り、日本で大麻の活動をしている人って極左っぽいわけ。

町山:そうですよね。

モーリー:極左ヒッピーなのね。右翼の話は聞いたことがない。

町山:いないですよね。

モーリー:いない。

町山:アメリカは右翼もマリファナ解禁に向かっているんですよ。

モーリー:そうなの。だから、ちょっといろいろな、調べてみないとわからないことがいっぱいあって、左、右、そして真ん中へと、いろんな経路、いろんなルートでマリファナに対する意識の変化が浸透しつつあると。その中で、実は今回3本目にキュレーションしていただいた作品、『スーパー・ハイ・ミー』、タイトルのダジャレをもうわかっている人が多いと思うけども、一応説明すると。

町山:もともとのドキュメンタリーがありますからね(笑)。

モーリー:『スーパーサイズ・ミー』。

町山:『スーパーサイズ・ミー』っていう。

モーリー:スパーロックの。

町山:はい。マクドナルドをずっと1カ月間食べ続けるとどうなるかっていう、体がスーパーサイズになりますっていうのがありまして、それのパロディでマリファナを1カ月間吸いまくるとどうなるかっていうドキュメンタリーですね。

モーリー:コメディアンがマリファナを1カ月間断なく吸い続けるという、ものすごいドキュメンタリーです(笑)。ダイジェスト映像を用意したので、ご覧ください。

(VTR)(1:34:30~1:35:55)

町山:これ、もう随分前ですね。

モーリー:だいぶ、2007年ですから、もう8年前。

町山:そうですね。

モーリー:今もって日本で、例えば、水道橋博士とか、太田光さんが「アメリカでちょっと大麻を吸ってきたよ」なんて言おうものなら終わりですよね。

町山:でも、今、日本は「アメリカで吸った」って言ってもダメなんですか?

モーリー:どうなの?一応厳密に言うと、たぶん日本国内の法が適用されるんじゃないかな。

町山:アメリカで吸って?

モーリー:「大丈夫よ」っていう声と「違法です」っていう声が両方来ていて(笑)。たぶんダメ。

町山:ダメなんですか。

モーリー:だから、もっと現実的に言うと、有名な人がInstagramか何かを、こうやって吸っているとこを撮って、セルフィーを撮って、こうやってアメリカの友達とこうやって撮っているのを成田に来たときに税関で「ちょっと」って言われるんじゃないの。下手するとさらし者で、身体検査を受けたということが報道されて、事務所が騒がせたことをお詫びするとか、本人は謹慎とか。

町山:この映画は、まずマリファナっていうのは何の害があるのかというのを実験しているわけですね。結局、何にも起こらないんですよ。マリファナを30日間吸いまくったところで。

モーリー:あはは(笑)。

町山:血圧であるとか、内臓であるとか、脳みそとかに障害が何か出るかどうかっていう、脳波も検査しますけど、人体実験をするわけですけど、何にも。

モーリー:やっぱ芸能人としてだったら終わる。社会的にまずいとか、法的に問題があるなしじゃないっていう、ここは日本の社会のある意味、脆弱点だと思うんですよ、センチメントで動いてしまうという。戦前も戦争へセンチメントで動いたわけだから。

町山:モブカルチャーだからしょうがないですね。

モーリー:そうなの。もしかしたら、さっき出てきたクリスチャニティとか、そういうちょっとした、議会は教会だからとか、みんなどこかで規範とか倫理の一線を、アメリカって移民の人も持っているじゃないですか。アメリカって案外すごく潔癖で、だらだらしていない国なんだよね。

町山:そうですね。

モーリー:それに対して、日本に来ると、急にパンツのゴムが緩んだようなとこもちょっとあって。モブ?

町山:そうなんですよ。だから、みんなで一緒にやるといいんだけど、みんなと違うことをするのが一番まずいのが日本。

モーリー:だから、そこで法律的な議論があった、ないとかじゃなくて、みんながとりあえずダメだって1回決めて、大麻を禁止して数十年、半世紀うまくいってきたんだと。そこで、なぜあえて大麻を口にするのか、「吸ってきたぞ」と自慢するのか、しかも、著名な影響力のあるあなたがもっとえりを正しなさいと。

町山:それは嫉妬もあるんでしょうね。

モーリー:みんなが修学旅行で行って、高校3年生でぐわーってなって帰ってきたらいいのかって僕は思ったりするけど、それはちょっとアメリカ的な発想かもね。

町山:そうかもしれないですね。

モーリー:結局、ドキュメンタリーというか、この中では主役のアメリカのコメディアン。

町山:ダグ・ベンソンっていう。

モーリー:ダグ・ベンソンさんは、ひたすら30日間大麻を吸い続ける(笑)。

町山:はい。何も起こらないんですよ。だから、このドキュメンタリーの一番の問題点は。

モーリー:何も起こらないというドキュメンタリーなの(笑)?

町山:何も起こらないんですよ。

モーリー:えっ。

町山:だから、マリファナに害があるっていう部分は、もうとにかく潰すということなんですけど、実際医学的な害っていうものはないってことは証明されているから、アメリカではどんどん解禁しているんですけどね。

モーリー:撮影した当時というのは、これはリリースが2007年ということなんで、2006年ぐらいから撮り始めたと思うんですけど、実際にコメディのライブをやって、「僕はさっき楽屋で大麻を吸ってきたよ」って言ったりしていますよね。そういうときに、日本だったら私服の警官が踏み込んだりとか、そういうことはなかったんですか?嫌がらせなり、法の側からの「やめなさい」とか、恫喝なり。

町山:というか、アメリカがまず大麻を解禁している理由っていうのは、まさにそういう、警察官がそういうことをいちいちやるのがものすごく税金の無駄だからやめようって問題が大きいんですよ(笑)。

モーリー:警察の都合に適っている?

町山:適っている。というのは、大麻の所持とかで逮捕される人たちがアメリカ全体でものすごく多いんですよ。

モーリー:しかも、黒人ばっかり。

町山:黒人の若いあんちゃん。

モーリー:とヒスパニック(笑)。

町山:ヒスパニックが多くて、刑務所にぶち込んで、彼らに税金で飯を食わせているわけですね。

モーリー:片方では、右派の政治家が黒人とヒスパニックや非白人が怠けて生活保護を受けるのをだらだらと国庫から血を流すように出しているじゃないかって批判しているのに、もう片方では微罪で捕まえて、結局、その人たちの生活費を刑務所というシステムで(笑)。

町山:そう、生活費を税金で払ってやっているから、これは無駄だと。

モーリー:すごい。

町山:しかも、それにいっぱい警察官とかの人件費もかかっているわけですね。だから、これを丸ごと、マリファナっていうものの所持に関しては、要するに、大量販売をしない限り犯罪としないということにするだけで、全米でそれこそ何百億円かのお金が浮くわけですよ。それがまず第一にあるんです(笑)。

モーリー:経済的な理由ね。

町山:経済的な理由、無駄金を使いたくないという理由がありますよね。それに関しては、ロン・ポールっていうアメリカのリバタリアンの共和党の政治家がもうとにかく何度も言っているんです。

モーリー:何度も大統領候補になってね。

町山:何度もなっている。

モーリー:今はランド・ポールっていう息子が、またすごいやつが。

町山:今はランド・ポールが言っているんですけどね。ロン・ポールも言っていましたけど。

モーリー:ロン・ポールも言っていた。親子のリバタリアンで、親子で絶対になれないのに、「大統領になりたい、大統領になりたい」って、要は大統領選に出ることがパフォーマンスになって、自分のイデオロギーを浸透させるツールとして使っていると思うんだけど、親子でずっと立候補して、何度負けても大麻草のようにまた生えてくるんですよ。

町山:はい(笑)。でも今度、この間は正式にドラッグに関して、個人的な使用に関してはもう一切、マリファナに限らないんですけども、罪に問うのをやめようって法案を民主党の議員と一緒に共同でランド・ポールは共和党ですけど出しているんですよ。理由は金の無駄っていうのと、彼自身のリバタリアンとしての信条で、個人が何をしたところでいちいち罪に問うなと。人に迷惑をかけなければ、罪に問うなと。

モーリー:そうそう、リバタリアンの考え方っていうのは、さっき町山さんはモブ社会みたいな言い方をされましたけど、日本だとすごくわかりにくい部分っていうのが、一個人がとっても神聖な、教会の中のさらに御神体みたいなものが個人の尊厳なんですよ。リバタリアンの中では、国家を上回るんですね。自分で選んで、ほかの人の個人の尊厳を守るために自分が犠牲になって兵隊に行くとかいうのは尊いんだけど、「国に命令されて戦争に行くのは嫌だ。そんなことだったら、その国と戦争をしてやる」っていう感じですよね。

町山:そうです。だから、武器を持っているんですけど(笑)。

モーリー:だから、武器を持っているの。それはアメリカの憲法修正ですか?

町山:第2条です。

モーリー:修正第2条。つまり、アメリカを建国した、憲法をやった、民主主義が決まった、そして、どんどん憲法を少しずつ議会で修正していくの。2個目に修正したのが、「right to bear arms」っていうのは、武器を持つ、携行する自由、権利?

町山:権利ですね。

モーリー:市民が武装する権利。それはかつてのイギリスがアメリカで圧政を敷いたときに、武装して圧迫したり、殺害したりしていた。その圧政、暴政に対してアメリカ国民が立ち上がって独立を宣言したのが、今の政府が悪い政府になったときにも適用されるぞっていうことですよね。

町山:だから、国民一人一人に政府を武力で倒す権利を与えているのがアメリカの憲法なんですよ。そう言うと、日本の人は「えっ」とか思うかもしれないですけど、国家が国家自体を転覆させることを、国民一人一人に対して憲法で保障しているんですよ。

モーリー:ですよね。それぐらい強めのリバタリアンの流れをくむのがロン・ポール、ランド・ポール親子であって、その人たちは大麻じゃなくてドラッグ全般?

町山:ドラッグ全般の個人的使用に関して、周りに迷惑をかけない限り、それ自体を罪として問うことをやめようと言っているんですよ。だから、その人たちを捕まえて治療することは必要なんだけれども、それを犯罪化するなと。だから、もうはっきり言っちゃうと、アメリカもそうですけど、日本もそうですけど、女性の刑務所に入っている人たちの多くが覚醒剤使用なんですよ。その人たちが覚醒剤をやっていることを罪として、その人たちを罪人とすること自体がすごく残酷なことですよね。そうせざるを得なかったわけですよ。彼女たちは覚醒剤を。

モーリー:いくまでね。追い詰められていったわけだから。

町山:そう。追い詰められてやらざるを得なかったような人たちを、自分がやっただけなのに。売ったりしたらそれは犯罪ですけど、やっただけの人を罪として犯罪者扱いするのはもう絶対にやめようと。

モーリー:あと、取り締まりの方針として、ユーザーがある一定数いると、例えば、覚醒剤、コカインみたいなものがまかり通ってしまうと。ユーザーが中ぐらいで、売って儲けた差分で自分のドラッグの依存を燃料にするっていう現象も生じるわけですよね、プッシャーになるっていう。そこまで規模を拡大したときに、プッシャーにあたる販売者やユーザーを見せしめで捕まえていくことで、多少マーケットの拡大を防ぐっていう考え方もあると思うんですよ。

町山:だから、売人は罪にしたいんだけれども、ユーザーに関しては罪に問わないと。じゃあ、どういうふうに具体的にマリファナに関してやればいいかっていうと、政府が完全にマリファナの販売を管理すると。

モーリー:たばこ、アルコール。

町山:たばことアルコールと同じものですよ。

モーリー:たばこ、アルコール、塩、銃みたいな(笑)。

町山:そうそう(笑)。

モーリー:の博物館みたいな(笑)。

町山:そう。ありますよね(笑)。だから、マリファナもそうして、完全に政府管理にするという考え方ですよね。

モーリー:先駆けて完全合法化を宣言したのは、ウルグアイのムヒカ大統領でしたっけ(笑)?あまりにもカルテルが強くなっちゃったから、麻薬組織が強くなり過ぎたんで、もう大麻は完全合法化の道で行くことが、カルテルと戦う上で、麻薬の末端価格を下げるうえでいいと。

町山:カルテルの資金源を断つために、マリファナを合法化すると。それはアメリカでもそれが1つの目的ですよね。要するに、マリファナのほとんどはメキシコから入ってくるんですよ。メキシコの麻薬カルテルの資金源を断つために、とりあえずマリファナは合法化すると。

モーリー:メキシコの大統領はあまりにも、軍も勝てない巨大化しちゃったカルテルに対して、もうヘロインも含めて、ほとんどのドラッグの個人使用を認める方向でカルテルの力をそぎたいみたいな発言もしていますよね。

町山:はい。だから、とにかくアメリカは1回、昔大失敗して、禁酒法をやってお酒を。

モーリー:しかも、それはクリスチャンの原理主義の人が推した。

町山:そうなんです。福音派の人たちによって。

モーリー:同じことをやっているんだよ、ずっと。

町山:福音派の人たちは、カトリックやユダヤ人が酒ばっかり飲んでいるから、みんな嫌いだったんですね。

モーリー:そう。だから、カトリックやユダヤへの差別の信条が、直接いじめたら差別になるから、共通項である酒飲みを糾弾することで間接的にいじめたの。

町山:そう。プロテスタントはもともとお酒をあまり飲まないんですよ。でも、カトリックはアイリッシュが飲むでしょう。イタリア人が飲むでしょう。酒が好きでしょう(笑)。

モーリー:そうそう。

町山:ユダヤ人は酒が大好きですから。旧約聖書って読んでいると、酔っ払いの話ばかり書いてあるんですよね。

モーリー:へえ。

町山:酔っ払いとエッチな話しか書いてないんで旧約聖書はおもしろいんですけど(笑)。だから、要するに、「こいつらは酒飲みでどうしようもない」って言って、プロテスタントがユダヤ人とカトリックを差別するためにお酒を禁じたらどうなったかっていうと、「お酒が禁じられた。儲かるじゃん」って、それでマフィアが巨大化しちゃったんですよ。

モーリー:バカだね。そして、同じことを懲りずに、イラク戦争もやり、新自由主義もやり。

町山:そうですね。

モーリー:永遠に地獄へと突き進んでいるかと思うと、全然関係ないとこでリバタリアンとヒッピーが結びついて、マリファナ合法化で多少ハッピーなことが(笑)。

町山:でも一応それで、メキシコに流れるマリファナのお金っていうのはすごい金額だったらしいですから、それは実際かなり減ったみたいですよ。

モーリー:アメリカに還流しているっていう。

町山:そう、アメリカの中で戻るから。要するに、結局、金の流出になっちゃうわけですよ。メキシコのギャングを育てるっていう以上に、アメリカのドルがメキシコに流出しちゃうわけですから、それは防げますよね。それもあるみたいですけど。

モーリー:そういう当たり前のことを、オバマ政権の末期のレガシーとして、やっとアメリカ人が黒人奴隷がいた時代から黒人の大統領への200年を突き進んで、やっと1つゲット・イット・ライトっていうか、ちょっとまともな方向に軌道修正したって感じなんですかね。

町山:とにかくほかのことだと、要するに、共和党とか右翼の人たちは反オバマなんですけど、マリファナに関してはそうでもなくて(笑)。マリファナ解禁に関しては、右翼や共和党も協力的なんですよ。

モーリー:このディベートのやり取りの最後にひと言、そういうふうにして民主党や国会前に集まっている人たちと、安倍さん側の人たち、支持する人たちが共通で、マリファナみたいにハッピーになることって日本にはないですか?

町山:それがあれば。

モーリー:ずばり「大麻吸おうよ」っていうことでどうですか。ブオー、こんな大きな新聞紙に、ボブ・マーリーみたいにこんな。私、人柱になって、「スーパー・ハイ・ニコ生・コロラド実況中継」で。私、アメリカ国籍だから。私、日本人と化しているけども、化けの皮をはいだらアメリカ人で。

町山:あはは(笑)。

モーリー:アメリカが次に戦争をするときに、「行け」ってこんなことをやっちゃうかもしれない、中から。おれがやればいいんじゃないかなってちょっと。

町山:なんでしょうかね。

モーリー:どうなんですか?僕は成田で捕まるんですか?例えば、外国人登録を剥奪されたりとか。永住権を一応持っていて、20年間いい子にして1回も日本で悪いことをしていないんですよ。だれもいない赤信号で立ちどまるんですよ。

町山:あはは(笑)。

モーリー:監視カメラに映っているかもしれないから。

町山:それはもう日本人ですね(笑)。

モーリー:そう。

町山:ちなみに、アメリカはマリファナの次に解禁に持っていこうとしているのが売春ですけどね。カナダでは、売春は完全に合法化されて。

モーリー:そうなんですか。

町山:カナダもそうなんですけど、マリファナ解禁にした国っていうのはマリファナの常飲者が増えるかっていうと、全然データとして増えないんですよ。マリファナはやる人は犯罪だと思っていてもやるし、やらない人は基本的にそれが完全に合法でも実際はやらないんですよ。要するに、マリファナをやると原稿を書けないじゃないですか。

モーリー:私はアメリカにいる間、周り中がコカインとヘロイン、ヘロインじゃねえ、ヘロインはやっぱ何もできない。LSD、あと、今はもうないけど、コウェルズっていう刺激剤、錠剤と、マリファナと、あと、ハシシが大学生のころは周り中そうだったんですよ。

町山:でも、試験勉強ができないでしょう。

モーリー:おれはやらなかった。

町山:やらなかったでしょう。

モーリー:仲間はずれになっちゃった。

町山:ほんとに(笑)。

モーリー:だって、「勉強、帰るわ」って。みんな大麻を吸っているから、GREATFUL DEADを聞いて。

町山:GREATFUL DEADを聞いてね(笑)。

モーリー:おれ、GREATFUL DEADは嫌いなんですよ。なかなか友達ができなくて孤立して、だから、『よくひとりぼっちだった』っていう本を書いたんですよ。

町山:そうか(笑)。

モーリー:すいません(笑)。こういうふうにすばらしい作品が、どれを見ても、今の日本にどこかつながるし、本当にこれからの日本はこうなっちゃいけないっていう側面の、戒めとしても今の今見てほしい作品が目白押しなんですけれども、ここで皆さんにアンケートを採りたいと思います。今回のラインナップなんですが、「この3つの作品、どれが一番見たいですか?」というアンケートを今から開始しましょう。どうぞ。1つ目『ジーザス・キャンプ』、2つ目『アウトフォックス』、3『スーパー・ハイ・ミー』、4「全部見たい」(笑)。お選びください。

町山:これはリアルタイムでやっているんですね。

モーリー:そうですね。こういうアンケートが採れるので。

町山:そうなんですか。

モーリー:結果を出しましょう。「全部見たい」が45%。ありがとうございます。これは全部続けて見て、全く損はないと思います。僕もそれぞれ見たけど。

町山:そうですか。でも、『スーパー・ハイ・ミー』は何も起こらないっていうオチを僕が言っちゃったから、よくなかったですね(笑)。

モーリー:いや、でも、やっぱりすごいことじゃない。あと、これは字幕版が流れるけど、字幕はつくられたんですか?

町山:全部、3本とも字幕をやりました。

モーリー:すごい気合いが入っていらっしゃいますね。

町山:はい。

モーリー:今回のラインナップなんですが、順番に説明していくと、1つ目『ジーザス・キャンプ〜アメリカを動かすキリスト教原理主義』というお話で、ちなみに、ちょっと申しておきますと、今町山さんとお話ししたのは、見るとたぶん倍とか3倍楽しくなります。その背景をがっつり話したので、いきなり最初のシーンから、初見でも「あれだな」ってわかるように、きょうは良心的に話しました。今夜の8時から『ジーザス・キャンプ』、そして、その後、9時半から「本当は知らない"キリスト教"と"アメリカ"」ということで、『ジーザス・キャンプ』を受けたインタビュー形式のお話を、私が司会としてまた戻ってまいります。これを今夜やります。今夜、『ジーザス・キャンプ』です。そして、あしたの夜8時、土曜日の夜8時は、『アウトフォックス』ですね。ルパート・マードックのつくり出したメディア帝国、イラク戦争を導いたどころか仕組んだプロパガンダテレビ(笑)。そして、放映終了後に再び「メディアの公平性」、「メディア帝王とジャーナリズム」というテーマで、またディスカッションをやらせていただきます。さらに、日曜日、9月20日の夜8時から『スーパー・ハイ・ミー〜30日間大麻キメまくり人体実験』。そして、その直後も「これでキマリ!世界のマリファナ事情〜解禁の流れ」というのをやります。

町山:これはすばらしいですね。

モーリー:さすがに、日本ですから。

町山:でも、日本でこれをやるのって珍しいですよね。

モーリー:こういうかっちり、しかも、鼎談っていうか、私が司会でゲストをお二方迎えるので、これは新しいです。

町山:すごいですね、新しいですね。

モーリー:たぶん、あと2年は民放でやれないですよね。

町山:そうでしょう(笑)。

モーリー:ニコ生アドバンテージ。買っちゃえばいいのに、どこか、調子の悪いとこ、フジとか。

町山:調子の悪いとこって、具体的に言ってますけど(笑)。

モーリー:決算が出るから、10%以下とかよく出るじゃないですか。そういうとこ買っちゃえばいいんだよ。ということで、かなりお話が出た感があるんですけど、町山さん、何か言い残したこととか、皆さんへのメッセージなどありますか?今回のキュレーションにあたって。

町山:ちょっと映画がそれぞれ古いんで、現在もうどれも先に進んでいますんで、FOXはこれよりももっとでかくなりましたしね(笑)。マリファナ解禁になっちゃっているし。キリスト教右翼のほうはもう激しい戦闘になっていますね。同性婚が進んでいるんで、抵抗する人たちとの間で激しい闘いが今繰り広げられていますけど。

モーリー:なるほど。

町山:このドキュメンタリーよりも現在のほうが、どれもどんどんエクストリームな方向に行っていますね。

モーリー:何年か前のドキュメンタリーを見るメリットというのもあると思うんですね。というのは、ドキュメンタリーをつくっている最中っていうのは、はてなとか、クエスチョンだったり、よいドキュメンタリーほど結論を押しつけませんから。そうすると、物事の両面性や未確定な部分、「FOXはこれからメディアを乗っ取ってしまうのだろうか」みたいな感じですよね。ところが、今乗っ取っているわけでしょう。

町山:はい(笑)。

モーリー:だから、今がどうしてこうなったのか。戦争と平和を日本で語るときも、戦前をほとんどだれも勉強しないで感性でうわーって語っている。「中国の脅威が」って右は言うし、左は「もう一回徴兵にとられるのは」とかって言っているけど、どうして戦争になったのかっていう戦前をどっちもオミットして語っている部分があるわけ。だから、地味だけど前を知るっていうのはすごく大事なんですよ、今の意見をしっかりさせるためにも。そういう意味では、今回の3つの作品っていうのは。

町山:そうですね。すごく勉強になると思う。特に『アウトフォックス』なんて、まだこのころは、アメリカではFOXがそこまでひどいと思われていなかったころに暴いた形なんです。これはほとんど内部告発なんですよね(笑)。

モーリー:ほとんど現役、最近まで出てきた人が。

町山:そう、FOXの社員だったりした人たちが出てきて(笑)。

モーリー:局アナが出ているんですよね。

町山:局アナが出てしゃべっているんで。

モーリー:やばい。

町山:内部暴露系なんですけども、この後アメリカで「FOXはほんとにこういう会社だったんだ」ってことが認知されたきっかけになった映画なんですよね。もう今は開き直って、堂々と中国とかライバル会社を乗っ取ろうとしていますけどね(笑)。

モーリー:だから、現在進行形のこともあるし、直前を知ることも大事ですし。それからやっぱりもう一つ、こういうインディペンデントで、比較的低予算でつくられているドキュメンタリーがその後影響力を持ち得たっていうのはメディアに対して希望が持てますよね。

町山:ものすごく安くつくっていますけどね(笑)。

モーリー:すごく安くつくっているの。インタビューのつなぎ合わせ、みたいな。

町山:そうなんですけどね(笑)。

モーリー:そんな感じで、とっても楽しみなウィークエンドになりますよう、私も期待しております。今夜また最初の上映の後、このスタジオに戻ってこようと思います。きょうはゲストにキュレーターをしていただいた、映画評論家の町山智浩さんをお迎えしました。どうもありがとうございました。

町山:どうもありがとうございました。

モーリー:そして、番組をご覧のユーザーの皆さん、どうもありがとうございました。上映をお楽しみに。

(終了)

・[ニコニコニュース]「町山智浩×モーリー・ロバートソン『アメリカってヤバすぎ?超大国の裏側がわかるドキュメンタリー3選』」全文書き起こし(1)~(5)
http://search.nicovideo.jp/news/tag/20150918_町山智浩×モーリー・ロバートソン「アメリカってヤバすぎ?超大国の裏側がわかるドキュメンタリー3選」?sort=created_asc

◇関連サイト
・[ニコニコ生放送]町山智浩×モーリー・ロバートソン「アメリカってヤバすぎ?超大国の裏側がわかるドキュメンタリー3選」 - 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv234564782?po=newsinfoseek&ref=news
・ニコニコドキュメンタリー - 公式サイト
http://documentary.nicovideo.jp/

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