ニコニコ生放送「これでキマリ!世界のマリファナ事情~解禁の流れはどこへ向かう?~」(2015年9月20日放送)全文書き起こし(3)
ニコニコニュース / 2015年10月18日 12時30分
9月の「ニコニコドキュメンタリー」は、アメリカ在住の映画評論家・町山智浩氏が選んだ、超大国アメリカの裏側がわかる過激なドキュメンタリー作品を特集。その第3段「スーパー・ハイ・ミー~30日間吸いまくり人体実験~」が2015年9月20日(土)20時から、ニコニコ生放送で配信されました。
本ニュースでは、生放送後におこなわれた作品をテーマにしたトーク番組の内容を、以下の通り全文書き起こして紹介します。
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※出演者=話者表記
モーリー・ロバートソン (ミュージシャン/ジャーナリスト)=モーリー
武田邦彦 (中部大学総合工学研究所特任教授)=武田
長吉秀夫 (作家)=長吉
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武田:日本人にはお酒が強力だから、日本人はアルコール分解酵素が少ないから、お酒で相当酔うんですよ。だから、そういう盆踊りなんかで、お祭りで酒を飲んで完全に仕上がっちゃうから、別にそれから大麻は面倒くさいから吸わないんですよ。
モーリー:じゃあ、あくまでおまけ?
武田:おまけです。
モーリー:あはは(笑)。
武田:日本人はアルコール分解酵素が弱いっていうことが、麻薬の使用には非常に大きいんですよ。
長吉:ただ、先生、今はやっぱり覚醒剤。
モーリー:覚醒剤は本当に問題になっているんじゃないんですか?
長吉:問題になっていると思いますけど。
武田:覚醒剤とか、なんとか薬物っていうのは問題ですよ。だって、それはものを名前で決めるわけじゃないから。効果で決めなきゃいけない。
モーリー:そうですよね。
武田:大麻っていったら、麻だから、麻薬じゃないし。合成麻薬とかそういうのは、ものすごいのがありますからね。
長吉:だから、覚醒剤をやっている人が大麻を吸えばいいんですよ。
モーリー:ダウン?
長吉:ダウンする。
モーリー:大麻から、たぶんダメセンと呼ばれる「ダメ。ゼッタイ。」センターのホームページがありますよね。とっても下手くそなホームページ。
武田:大麻から誘導するっていうんでしょう。
モーリー:そう。捨て石じゃなくて踏み石(笑)。
武田:僕はそれをがっつり調べたの。大麻を吸っている人が麻薬にいくかどうか。全然。
モーリー:いかない?
武田:いかない。あのデータはおかしい。僕はちゃんとデータに基づいて言っているの。
モーリー:それ、彼らに言いました?
武田:いや、あんな人たちに言ったってなんの意味もありゃしない。
(一同笑)
武田:お金が欲しくてやっているんだから。
モーリー:聞く耳を持たない?
武田:お金が欲しくてやっている人は、議論するだけ無駄。やっぱり正義でいかないと。
モーリー:だったら、その正義を本来なら、例えばマスコミのような場所で、テレビとか新聞でがんがんにやるべきですよね。
武田:やるべきです。
長吉:ちゃんと教えなきゃダメなんだっていうんですよ。ちゃんとどういう物質なのかって。僕は手前みそなんですけど、『ドラッグの品格』って本を書いたんですよ。
モーリー:『女子の品格』じゃなくて『ドラッグの品格』。『国家の品格』『ドラッグの品格』(笑)。
長吉:こういうやつなんですけど。(http://live.nicovideo.jp/watch/lv234565160#50:08)
モーリー:ちょっとなまめかしい女性の絵が。
長吉:そうなんですけど、これは子どもたちに、青少年に読んでもらおうと思って、ドラッグはどういうものかっていうことを全部。
モーリー:「日本中の図書館に置きましょう」みたいな。
長吉:ええ。そうしたら、まんまとこれは有害図書に指定されまして(笑)。
モーリー:えーっ。
(一同笑)
モーリー:指定した団体は?
長吉:県なんですけどね。茨城県だとか、北海道だとか、京都とか。
モーリー:北海道は自生しているからね。
長吉:これは、唯一麻はいいですよっていうことが書いてあって、あとLSDのこととか、ヘロインのこととか全部書いてあるんです。
モーリー:なるほど。
長吉:どういうものなのかっていうことがわかりやすく書いてあるんですけど、こういうのでもダメなんですよ。
武田:ダメな理由を自治体は言わないんですよ。
長吉:言わないの。
武田:だから、「有害図書に指定しろ」って言うほうがやましいんです。やましいから隠れて言うの。圧力をかけるわけ。こっちは堂々として「いいよ」って(笑)。
長吉:ちゃんと教えてくれって。そうしたら、こうですよ。(http://live.nicovideo.jp/watch/lv234565160#51:05)
モーリー:黒い。
長吉:真っ黒、内容(笑)。
モーリー:つまり、これは公開できないということで。
長吉:公開できませんって。
モーリー:送ってきたけど、黒塗り。
長吉:そう、非公開。
モーリー:昔のアメリカのCIA文書みたいですね。
長吉:こういうことが平気であるんですよ。
武田:だから、表現の自由の違反で、もちろん書いたものが有害物質と認定されてもいいですよ。だけども、有害物質と認定した根拠を示してくれないといけないのに、根拠を示さないとナチスと一緒ですよ。ただ「お前、ダメ」って、理由を聞いたら「いや、言えません」って、それが自治体ですよ。それじゃあ民主主義といえないですね。
モーリー:アメリカの比較になってちょっと恐縮ですけれども、アメリカだとそういうときに真っ先に訴えが起こされたり、集団訴訟という流れがあったりするんですけど、こういうときはどうするんですか?
武田:日本の場合は、みんなが言ってりゃダメだからね。みんなっていうのはNHKがつくるから。
長吉:僕は行政訴訟。
モーリー:NHKの人がコロラドで思いっきり気持ちよく大麻を吸って、「ああ、いい思いをした。さあ、これはどう報道しよう」みたいな、そこまで持っていけばいいのかな?
武田:黄色人種だから、いい気持ちするかどうかわかりませんよ。
長吉:いや、いい気持ちはします。
(一同笑)
モーリー:なるかな?
長吉:なるなる。
モーリー:とりあえず『Nスペ』で、みんなで行ってみようかっていう感じですよね。でも、画面が黒くなるのかもしれないですね。
武田:そうそう。真っ黒に塗られていてね。
モーリー:真っ黒な画面で、後ろで音だけで「こいつら、大麻を吸っているみたいだぞ」って、ディレクターもみたいな。
武田:そうそう。
モーリー:それで終わった後、みんなトロンとハッピーな顔をしていて、「いやー」っていう感じで。
武田:そうそう。
モーリー:すごいですね。そうすると、ここだけの会話から論理的に導くと、直ちに合法化しても日本ではなんの問題もないという結論が導かれるんでしょうか?
武田:一応法律ですから、1回定めて、GHQが決めたかもしれない。一応サンフランシスコ平和条約のときに日本の法律になった。それを壊すためには、やっぱり合理的なデータでもって壊したほうがいい。順序は、まず第一に大麻っていう植物を規制するんじゃなくて成分で規制する。それで、テトラヒドロカンナビノールがどのくらいあったらいけないとか、そういう規制をする。まずは、まともな法律にする。それから、それと並行して、ちゃんと日本人に対する薬効を調べて、お酒とか、たばことか、コーヒーに対してどうだと。そのデータを出したら、恐らくお酒、たばこよりずっと大麻は薬効がないから、やめようってことになると僕は思うんですけどね(笑)。
モーリー:ほかの国ではそういう結果が出ていますよね。
武田:そうそう。
モーリー:要するに、合理的、つまり、サイエンスを持ってきて、風評や情緒や先例主義、慣例主義ではなく、まずはちゃんと客観的に調べましょうと。
武田:そう。
モーリー:そういう研究すら縛っている法律も日本にはあるんですか?
武田:結局、僕が名古屋大学にいるときに大麻の研究をしようとしたでしょう。そうしたら、大麻はもう入手するのが難しいんです。まず僕の場合、研究者っていう認可をとらなきゃいけない。研究者っていう認可をとって、それで入手先をどうのこうのって、もうできないのと一緒なんです。
モーリー:つまり、結論を出させないように構造上縛っていると。
武田:はい。それから、私は名古屋大学にずっと教授でいましたから恩もありますが、それよりか公共のことが大切だから言いますと、あるときに僕はアスベストの研究をしようとしたんですよ。
モーリー:石綿。
武田:石綿。ものすごく問題になったときに。そうしたら、大学当局から電話がかかってきまして、「この大学でアスベストを研究しちゃ困るんですけど。評判が悪くなります」。
モーリー:だれに対して?
武田:いや、世間に対して。
モーリー:世間に対して評判が悪くなる?
武田:そうそう。名古屋大学で、そういう毒物の、みんながいけないっていうものを研究する。僕は事務官に言ったんですよ。そうしたら、そういう危険なものは大学で研究できない、おまけに名古屋大学っていうのは国立大学で帝国大学だから、「そういうところでやらなきゃどこでやるんだ?新インフルエンザの患者が出たら、日赤が診ないようなものだから。そんなことをしたら、国がダメになっちゃうじゃないですか」、そう事務官に言ったんですよ。だけど、もうあらゆる抵抗に遭いまして難しかった。
だから、縛りっていうのは、研究しようと思ってもまず認可が難しい、入手が難しい、それから研究するところの管理が、またみんなが文句を言うからってバッシングを恐れて教授に圧力をかけてくる。僕みたいに強ければ「表現の自由じゃないか。お前、憲法で捕まるぞ」と言えるけど、普通の人は研究費も下がるし、部屋も汚いところに移されるからっていうのでやめますよ。
モーリー:例えば、憲法学者が安全保障条約、安保法制に対していろんな見解を述べ、結果としてどう言っても社会から叩かれるという現象が最近ありましたけど、政治ではわかるんですよ。これは思想・信条ですから。でも、今ここで語っているのは物質で、サイエンスなわけですよね。サイエンスが風評を恐れるというのは、やっぱりちょっと不健全じゃないんでしょうか?
武田:そう。ものすごく不健全。しかも、小さな私立大学で収益もぎりぎりだっていうところだったら、多少風評を気にしてもいいけど。名古屋大学ですから、山ほど税金が来てやっているわけですから。国民のためにアスベストの研究も必要だし、それから大麻の研究も必要なんですよ。だけど、1個認めてくれたの。僕の研究室のシンボルマークは大麻の葉っぱだったんです。
(一同笑)
武田:これを研究室の中が認めてくれた。僕は教授だったけど、やっぱり研究室の中が合意しなきゃダメ。それから、大学のパンフレットに載せることになった。そのときに僕が「これは学問の自由を象徴するもんだ。この大学はどんなものでも研究できるというシンボルにうちでは大麻の葉っぱを使いたい」って、それで武田研究室は大麻の葉をバーンって。
モーリー:大丈夫だった?
武田:大丈夫だった。
モーリー:そこはちゃんと後押しをしてくれた?
武田:名古屋大学の正式パンフレットに僕の研究室は大麻の写真が載っている(笑)。
モーリー:わかりました(笑)。
長吉:一方で、国のほうも動き始めているような感じがして、要するに、アメリカがこれだけなっていますから、それをずっと見ているわけですよ。おととしの暮れですが、厚生労働省の方に「ちょっと説明してくれ」って呼ばれて、大麻草のことについて説明したんですね。そのとき彼が言っていたのは、一つはまずアメリカが変わっているんで、連邦政府が変われば日本もじきに変わらざるを得ないので、そのときに我々が何も知らないということではちょっと困るので。
モーリー:今からちょっとクッションを入れときたい?
長吉:クッションを入れときたいというのが一つ。それともう一つは、今後これに対してどういうふうな薬品会社の動きがあるのかっていうことを知りたいと。
モーリー:大塚製薬をはじめ。
長吉:大塚製薬をはじめとしてですね。それともう一つは、僕が質問に答えた後、「これを放置したら、らい予防法と同じような形になるんではなかろうか」みたいなことを彼は言っていたので、ある意味ではしっかりともう見据え始めているのかなとは思います。それと、とにかく連邦法が変われば日本も変わらざるを得ないだろうというふうに、彼の見解ですけれども、そんなことを言っていましたんで、役人も考え始めているんだなっていうことは。
武田:日本はアメリカの属国だからしょうがないかもしれないけど。
モーリー:属国にならないためには、どうすればいいんでしょう?
武田:やっぱり日本人は誠実でいくことですよ。
モーリー:その誠実を具体的に、大麻解禁に落とし込むとすれば?
武田:それは科学的なデータを出して、それによって日本人の中で議論をして、そして、段階的に合理的な方法に、日本人が最終的に幸福になるように法律を決めると。
長吉:だから、カンナビノイドをきっちりと科学的に調べりゃいいんですよ。こんなのが今あって、たまたま9月27日なんですけど。
モーリー:もうすぐですね。
長吉:うん。医療大麻の講演会が一方あって、こっちのほうは日本臨床カンナビノイド学会、こっちは医師がきっちり医療大麻を考える会というのをやっているんで、こういうのが国内でも始まっているということなんですね。なので、今どんどん医療大麻の最新の情報っていうのはあるので、例えばCBDオイルがいいというふうに言われながらも、茎の成分からとったらどうなのかとか、いろんな議論もあるので、しっかりと見ながらこういうのを調べていくっていうことも必要なんじゃないかなというふうに僕は思うんですよね。
モーリー:わかりました。ここで問い合わせが相次いでおります。2つ読み上げてみましょう。カズさんから、「日本の法律では、所持は違法でも使用はそうではない。だから、外でラリっていて職質を受けても、持っていなければ逮捕されないというのは本当ですか?」ということなんですけど。
武田:字面からいえば、そうです。
モーリー:字面からいえば。
武田:ええ。裁判だったらどうだかわかりませんが。これは禁酒法がそうだったんですよ。お酒を禁止しようと思った。そうしたら、あるときにある人が反論した。「私はウイスキーを寝床の横で飲んで、気持ちよく寝るだけだ。それがなんで社会的に悪なんですか?」って、この議論が破れなかったので、禁酒法は飲むことを禁止していないんですよ。
モーリー:何を禁止したんですか?
武田:禁酒法っていうのは、移動したり、販売したりするのを禁止したんです。そこでギャングが頑張ってカポネができたんです。それで、人間というものの行動を規制するっていうのには限度があるわけですよ。それで、こういった麻薬のやつは、吸うとかいうのにあまり規制はないわけです。つまり、人間が何かやったって別にいいわけですから。だから、そこのところがちょっと難しい法律になっています。
モーリー:なるほど。例えば、長吉さん、渋谷円山町のクラブから出てきた人を待ち構えていた私服警官が2人で持ち物検査をする、何もない、でも明らかにおかしい。ちょっと来てもらって、尿検査。
武田:大麻の成分が出てきた。
モーリー:出てきた。どうなります?
長吉:「吸っていない」って言いますよね。
モーリー:吸っていないけど、尿検査には出てきている。
長吉:だって、使用は関係ないんだもん。副流煙かもわかんないじゃん。
モーリー:おお、だれかが吸ったのを、キスして、ぶおってこともあり得る?
(一同笑)
長吉:うん。所持していない。
モーリー:その場合、不起訴?
長吉:基本的には、あとは、起訴されるかどうかっていうのは。
武田:大体日本の裁判官は、大麻が悪いと思っているから、大概有罪になりますよ。非常に不当に。
モーリー:それは魔女裁判じゃないですか。
武田:魔女裁判。
モーリー:裁判官の中で1人ぐらい見ている人もいると思うんですけど、今1万何千人見ているから。どうなんですか(笑)?
武田:僕は裁判の鑑定をいつもやっているけど、大体日本の裁判で正義はほとんど通りませんから。だって、これはアメリカのほうがえらいんだけど、日本っていうのは刑事犯罪で起訴されると、99.6%が有罪になる。
モーリー:中国みたいですね(笑)。
武田:そう。中国よりかひどい。普通の国は60%から80%。だから、日本は裁判所がないと言っていいんです。ないんです。
モーリー:ない?
武田:だって、起訴されたら99.6%有罪だったら、裁判官は検事の言うとおりですから。だって、99.6ですよ。
モーリー:陪審員制とかにしたほうがいいのかな。
長吉:ただ、最近検事のほうが、例えば0.2グラム以下だったらなんとなく不起訴になったりとかっていう場合もあったりしますよ。
モーリー:その検事さんの腹づもりっていうか。
長吉:腹づもりと背景がいろいろね。
武田:その会話がおかしいんですよ。日本には裁判官はいないんだから、検事が裁判官なんです。
モーリー:検事が裁判官ね(笑)。
武田:そう。だって、99.6%裁判にかかったら有罪ってことは、検事が裁判官であって。
モーリー:検事の心証がよければ、まだ運がいいかもという。
武田:そうです。日本は裁判所の意向なんかないんだよ。99.6だから。
モーリー:すごいな。
長吉:だから、裁判所がきっちりやってくれないとダメなんですよ。すべてにおいて、裁判所が機能していない。
モーリー:そうすると、例えば活動家の麻枝光一さん、大麻堂の主催者が、度重なる裁判、訴えを起こしていて全部負けているわけですよね。控訴して負ける。それは結局そういう裁判の体質にもある?
武田:99.6を知らないんじゃないですか。
モーリー:知らない?
武田:99.6っていったら、宝くじに当たるよりか少ないから、みんな諦めますよ。
モーリー:宝くじで高飛びして、コロラドで吸ったほうが早い?
武田:早い。ずっと早い。
モーリー:皆さん、もう1回言いますよ。日本で大麻を吸ってはいけません。宝くじを買ってください。
(一同笑)
武田:そう。99.6、これを覚えとかないと。
モーリー:9、9、6(笑)。
武田:ほとんど100%だから。よくかわいそうな人がいるんですよ。僕は鑑定を30件ぐらいやっているんだけど、裁判で自分の正義が通ると思っているの。「通りませんよ」って言っているの。裁判官っていないと一緒だから。それが頭に入んないの。
モーリー:やるなら、とにかく絶対に捕まるなってことですか?
武田:そういうこと。
モーリー:それは無理ですね。
長吉:うん。
モーリー:僕の友達も捕まった人は捕まる直前まで必ず「おれだけは捕まらない」ってみんな言っていたんですよ。なんなんだろうね。「おれは捕まらない」、そして、必ず捕まるという法則。
(一同笑)
モーリー:次をいただいております。
武田:やっぱり法律を変えてから吸うべきだと思う。
長吉:それが一番いいのかな。
武田:僕はそう思う。
モーリー:そうですよね。法律を変えないでかいくぐれると思ったら、ちょっと日本では甘っちょろいですよね。
武田:甘っちょろい。
モーリー:TJS20さんからです。「高齢化社会がむごくなる日本では、マリファナでの治療は有効だと思うのですが、日本ではマリファナは合法にならないんでしょうか?高齢者が多いのなら、税収につながり、国策としてもよいと思いますが」という声があるんですけれども。高齢化する中で、医療費も圧迫されますよね。
武田:医療費なんていうのはお金の問題だから、二の次ですよ。
モーリー:二の次?
武田:ええ。やっぱり老人を助けたいか、それともそのまま死んでもらうか、それを決めないと。今の社会は「長生きしろ、長生きしろ」って、「たばこはやめろ」とか、「血圧を下げろ」とか言って、長生きしたら今度は「お金がとられる。医療はダメだ。お前、死んじゃえ」って言われると。高齢化社会って。
モーリー:あと、「後期高齢者」っていう。
武田:「後期高齢者、早く死ね」と。そういう社会だから、そっちを直さないと。
モーリー:そうか。
武田:だから、大麻が薬に使えないなんてふざけた話で、もっとひどいのを全部薬に使っているんだから。薬っていうのは、患者さんにいいものはすべて使うべきなんですよ。そういう厚生行政がむちゃくちゃだからね(笑)。
モーリー:そういう人道を、アメリカの場合だと40年間にわたって主に若い人たちが20歳で始めて、55歳になるまで35年頑張って、そろそろ山が動き出したっていう感じなんですよ。でも、もともとは若者の力が原動力になって、大量な動員があって、運動が起きて、継続されたんですね。日本では、この先どうですか?
長吉:文化としては、マリファナ文化っていうのは日本でも確かにあるんです。根づいたというか、そういうふうに吸っている若者たちもいるんです。なので、本当にまず法律を変えるためには、そういう人たちがちゃんと声を出す必要があるし、国はしっかりと禁固刑まで科しているんだから、科学的な根拠を示せということをしっかり言わなきゃいけないと思います。だから、それがやっぱり大きい波になっていくように頑張るしかないんじゃないかと思いますけどね。
モーリー:武田さん、このマスコミによるブラックアウト。裁判官が知りたくないから勉強しない。そして、99.6%を有罪にしてしまう、この身動きがとれない閉塞状態をどこから打破すればよろしいですか?
武田:やっぱり日本の歴史をよく勉強して、今度のマリファナの放送もアメリカのことばっかりやっているでしょう。
モーリー:アメリカのドキュメンタリーですからね。
武田:アメリカのドキュメンタリーだからね。これは日本のドキュメンタリーでやらないんですよ。
モーリー:ただ、それをやると、日本人は全員、声も顔も隠さないといけなくなりませんか?
武田:そうか。
モーリー:つまり、信憑性がなくなって、「これは俳優かもしれない」と。
長吉:いや、わかんないですよ。今はもう顔出しをする連中が出てくるんじゃないの?
モーリー:高樹沙耶さんだけじゃなくて?
(一同笑)
長吉:みんな結構いますよ。吸っていてちゃんと言うのは、僕もそうだけど。
モーリー:ときどきYouTubeやなんかで「人道的に声を出します」って言うときにハッシュタグっていうのがあって、1人ずつ顔を出してYouTubeで30秒しゃべって、「はい、次」っていうので、アイスバケツチャレンジとかがありましたよね。ああいう感じで、日本で広がり得るんだろうか。みんな怖がっちゃうんじゃない?
武田:ここはニコ生だから、ニコ生をヨイショすると、ニコ生みたいな放送局がどんどんできて、ここが表現の自由というものを尊重して、それで日本国をよくしようと思ってやったら、それは効果がありますよ。
長吉:ここでやったらどうですか?モーリーさんも含めて。
モーリー:今さーっとビビった雰囲気が。特にない(笑)?大丈夫?
(一同笑)
モーリー:おれは「ギャラさえもらえれば」って感じですが(笑)。今のは、アメリカ人の部分でしたけど(笑)。たぶん今この瞬間、テレビ業界の方も相当に興味津々で、将来のドキュメンタリーをつくるチームの人も見ていてたぶん悔しい思いをされていると思うんですよ。例えば、NHKが民放よりもスポンサーを恐れなくていい分だけ、『Nスペ』とか『クロ現』とかでやってもいいんじゃないかと僕は思うんですけど、NHKは可能性があると思いますか?
武田:NHKは政府が右と言えば右だからね。だから、全然ダメですよ。
モーリー:でも、NHKの中に左派とかいるって聞いたけど。
武田:いない。
モーリー:右派しかいないの(笑)?
武田:右派とか左派じゃなくて、全員が自分の給料のほうを、国民の健康、幸福よりいいと思っているから。
モーリー:真実よりも自分の給料のほうが、NHKの職員が上に見ているから、その倫理で日本人は窒息させられているんだと(笑)。
(一同笑)
武田:そう。平均1677万ももらっている職員が。
モーリー:すげー、何もしないで1600万もね。
武田:そう。そんなまともなことができるはずないじゃないですか。
モーリー:ベンツを乗り回して。
武田:そう。
モーリー:そして、そのお金できっと彼らは夏休みとか冬休みにコロラドへ行ったりして、自分らだけ大麻を吸うんですよ。
(一同笑)
武田:そうですよ。
モーリー:やばいじゃないですか。
武田:そう。王将の餃子だけ食べて生きなきゃダメですよ。あんな安くておいしいやつないんだから。あんな安くておいしいのはないですよ。
モーリー:王将の餃子の会長さんがアメリカで大麻を吸って「これはいい」って広報に協力するってないですかね、スポンサーになるとか。
武田:それがあって、やっと日本はまともになりますね。
(一同笑)
武田:今みたいに金持ちがマスコミを握ってるようじゃね。日本の会社の平均給与トップ10のうち、6社全部、放送局が入っているんです。6社か、7社か。
モーリー:だって、フジテレビなんて連ドラは10%以下ですよ。なんにもやってないじゃないですか。ただ、右から左へカメラをやって、編集して、Final Cutで書き出して、流して、みんなコカインとか(笑)。
(一同笑)
モーリー:じゃないかもしれないけど、それ以外のいいことをやっているんでしょう(笑)。キャバクラとかね。そんなことをやっていて、それなのに特権階級を。
武田:だけど、10%以下の番組を使って、1500万の給料をもらって、キャバクラへ行けるっていうシステムをつくることは大切なんですよ。それをひがんでいるんじゃないですか?
(つづく)
・[ニコニコニュース]「これでキマリ!世界のマリファナ事情~解禁の流れはどこへ向かう?~」全文書き起こし(1)~(4)
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外部リンク
- ニコニコ生放送「本当は知らない"キリスト教"と"アメリカ"」(2015年9月18日放送)全文書き起こし(1)
- ニコニコ生放送「町山智浩×モーリー・ロバートソン『アメリカってヤバすぎ?超大国の裏側がわかるドキュメンタリー3選』」(2015年9月18日放送)全文書き起こし(1)
- ニコニコ生放送「メディアの公平性ってなんだ!?メディア帝王とジャーナリズム」(2015年9月19日放送)全文書き起こし(1)
- ニコニコ生放送「これでキマリ!世界のマリファナ事情~解禁の流れはどこへ向かう?~」(2015年9月20日放送)全文書き起こし(1)
- ニコニコ生放送「『世界から見た日韓問題』―タイズ・ザット・バインド エピソード2―」(2015年8月8日放送)全文書き起こし(1)
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